○昭和五十一年郵政省告示第二百三十六号(無線設備規則第四十五条の十二の九の規定によるタカンの技術的条件)

(昭和五十一年三月二十六日)

(郵政省告示第二百三十六号)

無線設備規則(昭和二十五年電波監理委員会規則第十八号)第四十五条の十二の九の規定により、タカンの技術的条件を次のように定める。

一 航空機に設置するタカン(以下「機上タカン」という。)は、その航空機の航行中における通常の状態において、次の技術的条件に適合するものであること。

1 無線設備規則(以下「規則」という。)第四十五条の十二の五第一項第一号イからまで並びに昭和六十三年郵政省告示第八百七十二号(航空用DMEの技術的条件を定める件)第一項第一号、第三号(デコーダの特性の項及び信号強度選択特性の項を除く。)及び第四号に規定する条件に同じ。

2 一般的条件

(一) 方位角は、(±)三度以内の誤差(地上タカンにおける許容誤差を含む。)で測定することができること。

(二) 指示器は、方位の表示が有効でない場合は、その旨を表示することができること。

3 九六〇MHzから一、二一五MHzまでの周波数帯における連続波の強度は、パルス対相互間において(-)三七デシベル(一ワツトを〇デシベルとする。)以下であること。

4 受信装置の条件

区別

条件

デコーダの特性

別図第一号に示す地上タカンの応答信号のパルス間隔と二マイクロ秒以上異なる応答信号であつて、かつ、受信装置の最大感度の点より四二デシベル高い強度のものを加えても動作しないこと。

信号強度選択特性

入力端子に同一チヤネルの二以上の応答信号を加えた場合において、一の応答信号が他の応答信号に比して一二デシベル以上高い値のとき当該一の応答信号による距離を表示すること。この場合において、当該一の応答信号の入力端子におけるせん頭電力は、最大感度の点から(-)四八デシベル(一ミリワツトを〇デシベルとする。)の範囲とする。

方位記憶機能

記憶による方位の表示継続時間は、一二秒を超えないこと。

二 地上タカンは、次の技術的条件に適合するものであること。

1 規則第四十五条の十二の五第一項第二号イ((3)を除く。)(パルス対の発射数の設定値の項、標識信号の構成の項及び連続波の強度の項を除く。)(内部雑音により発射されるランダム・パルス対数の項を除く。)及び並びに昭和六十三年郵政省告示第八百七十二号(航空用DMEの技術的条件を定める件)第二項(第一号を除く。)に規定する条件に同じ。この場合において、規則第四十五条の十二の五第一項第二号ハ中「機上DME」とあるのは「機上タカン」と読み替えるものとする。

2 一般的条件

(一) ふく射される電波は、方位基準信号、応答信号、標識信号及びランダム・パルス対並びにこれらの電波によつて形成される変調包絡線による可変方位信号のものであること。

(二) 方位基準信号及び可変方位信号は、単一のパルス又はパルス対のものであること。

(三) 方位基準信号は、標識信号及び応答信号の送信中においても送信されるものであること。

(四) 方位基準信号、標識信号及び応答信号を送信しないときは、ランダム・パルス対の電波を送信するものであること。

(五) 方位基準信号は、次の条件に合致すること。

(1) 送信空中線を回転する場合

ア 方位基準信号は、北方位基準信号及び四〇度方位基準信号から成るものであり、送信空中線の回転に同期して送信されるものであること。

イ 北方位基準信号は、当該送信空中線の最大ふく射の方向が磁方位の九〇度ごとに送信されるものであること。

ウ 四〇度方位基準信号は、北方位基準信号を送信してから当該送信空中線が四〇度回転するごとに送信されるものであること。ただし、北方位基準信号を送信するときは、四〇度方位基準信号は送信されないものであること。

(2) 送信空中線を回転しない場合

ア 方位基準信号は、北方位基準信号及び四〇度方位基準信号から成るものであり、送信空中線の最大ふく射の方向に送信されるものであること。

イ 北方位基準信号は、当該送信空中線の最大ふく射の方向が磁方位の九〇度ごとに送信されるものであること。

ウ 四〇度方位基準信号は、北方位基準信号を送信してから当該送信空中線の最大ふく射の方向が四〇度回転するごとに送信されるものであること。ただし、北方位基準信号を送信するときは、四〇度方位基準信号は送信されないものであること。

(六) 可変方位信号は、周波数が一五ヘルツの粗測可変方位信号及び周波数が一三五ヘルツの精測可変方位信号から成るものであること。

3 送信設備の条件

区別

条件

パルス対の発射数

一 標識信号は、毎秒二、七〇〇(許容偏差は、〇・二三パーセントとする。)

二 応答信号及びランダム・パルス対の和は、毎秒二、七〇〇(許容偏差は、九〇とする。)

方位基準信号の構成

別図第一号に示すところによること。

標識信号の構成

別図第二号に示すところによること。

方位基準信号と可変方位信号の同期特性(空中線の磁北の方向で受信した場合とする。)

Xチヤネル

北方位基準信号の第一〇パルスと粗測可変方位信号の負の勾配部分の変曲点

(±)二度以内

 

四〇度方位基準信号の第一二パルスと精測可変方位信号の負の勾配部分の変曲点

(±)〇・三三度以内

 

Yチヤネル

北方位基準信号の第六パルスと粗測可変方位信号の負の勾配部分の変曲点

(±)二度以内

 

 

四〇度方位基準信号の第十一パルスと精測可変方位信号の負の勾配部分の変曲点

(±)〇・三三度以内

可変方位信号の特性

変調度

次に掲げる仰角の区別に従い、なるべく次のとおりであること。

一 仰角が四〇度未満

(一) 粗測可変方位信号及び精測可変方位信号にあつては、それぞれ一二パーセント以上三〇パーセント以下

(二) 粗測可変方位信号及び精測可変方位信号の合成信号にあつては、五五パーセント以下

二 仰角が四〇度以上五〇度未満(送信空中線を回転しない場合を除く。)

(一) 粗測可変方位信号にあつては、七パーセント以上三五パーセント以下

(二) 精測可変方位信号にあつては、七パーセント以上四五パーセント以下

(三) 粗測可変方位信号及び精測可変方位信号の合成信号にあつては、六五パーセント以下

 

ひずみ

仰角が四五度以下において、粗測可変方位信号の第七次高調波までにあつては、なるべく三〇パーセント以下、精測可変方位信号の第四次高調波までにあつては、なるべく二〇パーセント以下

連続波の強度

九六〇MHzから一、二一五MHzまでの周波数帯において、次のとおりであること。

一 パルス対相互間においては、当該パルス対のせん頭電力に比して(-)八〇デシベル以下

二 パルス対を構成するパルス相互間(Xチヤネルの場合は少なくとも一マイクロ秒、チヤネルがYチヤネルの場合は少なくとも一九マイクロ秒とする。)又は単一パルス相互間(少なくとも四マイクロ秒とする。)においては、当該パルス対又は単一パルスのせん頭電力に比して、それぞれ(-)八〇デシベル以下

送信空中線の回転数又は送信空中線の最大ふく射の方向の回転数

方位角三六〇度にわたり毎秒一五回(許容偏差は、〇・二三パーセントとする。)

4 監視装置及び制御装置は、次の条件に合致すること。

(一) 監視装置は、次に掲げる状態(当該状態を監視する部分が故障した状態を含む。)が四秒以上一〇秒以下(なるべく四秒)の時間継続した場合((1)から(3)までに限る。)又は二〇秒以下の時間継続した場合((4)に限る。)において、その旨を表示することができること。

(1) 応答信号及びランダム・パルス対のパルス対の発射数の和が、毎秒二、七〇〇から(±)一五〇を超えた状態

(2) 北方位基準信号及び四〇度方位基準信号のパルス対の数又は単一パルスの数が基準値より三以上少なくなつた状態

(3) 方位角が、精測可変方位信号の変化により、(±)一度を超えた状態

(4) 送信空中線の回転数が、許容値を超えた状態

(二) 制御装置は、(一)の場合又は当該制御装置が故障した場合において、送信装置及び受信装置の機能を停止することができること。

(昭六二郵告七五七・昭六三郵告八七五・一部改正)

附 則 (昭和六三年一二月二一日郵政省告示第八七五号)

一 この告示は、昭和六十四年一月一日から施行する。

二 次に掲げるタカンの技術的条件は、この告示の規定にかかわらず、なお従前の例によることができる。

1 この告示の施行の際現に免許又は予備免許を受けている無線局の無線設備であつて、次に掲げるもの

(一) 当該無線局において引き続き使用するもの

(二) 当該無線局の免許人が開設する他の無線局の無線設備として引き続き使用するもの

2 1の無線設備を共通に使用して開設する他の無線局のその共通使用に係る無線設備

3 1の無線設備であつた無線設備で、航空機局のある航空機について、航空機の所有権の移転その他の理由により航空機を運行する者に変更があつた場合において、変更後航空機を運行する者が開設する無線局の無線設備として引き続き使用するもの

別図第一号 方位基準信号の構成

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*印:送信空中線が40°回転する時間

N:北方位基準信号

A:四〇度方位基準信号

1 北方位基準信号の詳細は,次のとおりとする。

(1) Xチヤネル

次に示す12のパルス対(規則別図第五号に示すパルス波形及びパルス間隔のものであること。以下同じ。)により構成されるものであること。

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(2) Yチヤネル

次に示す13の単一パルス(規則別図第五号に示すパルス波形のものであること。以下同じ。)により構成されるものであること。

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2 四〇度方位基準信号の詳細は,次のとおりとする。

(1) Xチヤネル

次に示す6のパルス対により構成されるものであること。

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(2) Yチヤネル

次に示す13の単一パルスにより構成されたものであること。

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別図第二号 標識信号の構成

(昭62郵告757・一部改正)

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1 モールス符号の点及び線並びに間隔は,規則別図第六号注1に示すとおりであること。

2 点又は線の詳細は,次のとおりとする。

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印:パルス対(規則別図第五号に示すパルス波形及びパルス間隔のものであること。以下同じ。)

**印:100±10μs

***印:1/1350秒(最大値1/1346.9秒,最小値は1/1353.1秒とする。)

3 標識信号の送信中において方位基準信号が送信されることとなる場合は,当該方位基準信号に続く標識信号の最初のパルスは,当該方位基準信号の最初のパルスの発射後740μs(許容偏差は50μsとする。)に発射されるものであること。

無線設備規則第四十五条の十二の九の規定によるタカンの技術的条件

昭和51年3月26日 郵政省告示第236号

(昭和64年1月1日施行)

体系情報
第1編 法  令(令和6年1月1日現在)/第11章 情報通信/第2節 
沿革情報
昭和51年3月26日 郵政省告示第236号
昭和62年10月1日 郵政省告示第757号
昭和63年12月21日 郵政省告示第875号