○標準テレビジョン文字多重放送に関する送信の標準方式
(昭和六十年十月十五日)
(郵政省令第七十七号)
電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)の規定に基づき、テレビジョン文字多重放送に関する送信の標準方式の全部を改正する省令を次のように定める。
標準テレビジョン文字多重放送に関する送信の標準方式
(平三郵令一四・改称)
(目的)
第一条 この省令は、標準テレビジョン文字多重放送に関する送信の標準方式を定めることを目的とする。
(平三郵令一四・一部改正)
(周波数帯幅等)
第二条 標準テレビジョン文字多重放送に使用する周波数帯幅は、放送局にあつては六MHz、放送衛星局にあつては二七MHz又は三〇MHzとする。
2 文字信号搬送波の周波数は、放送局にあつては周波数帯幅の下限より一、二五〇kHz高い周波数、放送衛星局にあつては周波数帯幅の中央の周波数とする。
(平三郵令一四・平七郵令二三・一部改正)
(変調)
第三条 文字信号搬送波の変調の型式は、放送局にあつては振幅変調、放送衛星局にあつては周波数変調とする。
2 文字信号により振幅変調された電波の輻ふく射電力は、文字信号が「0」レベルから「1」レベルに変化するとき減少するものとする。
3 文字信号により周波数変調された電波の周波数は、文字信号が「0」レベルから「1」レベルに変化するとき高い周波数へ偏位するものとする。
(同期信号)
第四条 同期信号は、垂直同期パルス、水平同期パルス及び等化パルスから成るものとし、別図第一号に示すとおりとする。
2 水平同期パルスの周波数は、標準テレビジョン放送(デジタル放送を除く。)に関する送信の標準方式(平成三年郵政省令第三十六号)第七条第二項に規定する色信号副搬送波の周波数の四五五分の二とする。
3 垂直同期パルスの周波数は、水平同期パルスの周波数の五二五分の二とする。
(平三郵令一四・平三郵令三六・平八郵令七・一部改正)
(文字信号)
第五条 文字信号の形式は、二値NRZパルスとする。
2 文字信号の単一パルスのスペクトルは、別図第二号に示すとおりとする。
3 文字信号の振幅の定常値は、標準テレビジョン放送の映像信号のペデスタルレベルを〇パーセント、白レベルを一〇〇パーセントとしたとき、「0」レベルが〇パーセント、「1」レベルが七〇パーセントとなるものとする。
4 クロック周波数は、水平同期パルスの周波数の三六四倍とする。
(平三郵令一四・一部改正)
(データラインの重畳位置)
第六条 データラインは、別図第一号に示す垂直帰線消去期間における第一四Hから第一六Hまで、第二一H、第二七七Hから第二七九Hまで又は第二八四Hの水平走査期間に重畳するものとする。
2 水平走査期間に重畳するデータラインの位置は、別図第三号に示すとおりとする。
(データラインの構成等)
第七条 データラインの構成は、別図第四号に示すとおりとする。
2 一のデータラインにおけるデータの容量は、二九六ビットとする。
3 データブロックのデータの形式は、可変データフォーマットとする。
4 データパケットの誤りの訂正は、データパケットごとに、多数決論理回路による復号が可能な〔二七二・一九〇〕短縮化差集合巡回符号方式のチェック符号を用いて行うものとする。
(同期符号)
第八条 ビット同期符号及びバイト同期符号は、標準テレビジョン放送の映像信号が連続している間は、三六四Tcの整数倍の時間間隔で送出するものとする。
(平三郵令一四・一部改正)
(番組データの伝送)
第九条 放送番組のデータは、マガジン番号(放送番組の群の種別を識別するための番号をいう。)、番組番号(放送番組の種別を識別するための番号をいう。)及びページ番号(放送番組を構成するページを識別するための番号をいう。)を付して送出するものとする。
2 各ページのデータは、データブロックで構成されるデータグループ(一のデータブロックである場合を含む。以下この条において同じ。)として送出するものとする。
3 データグループの誤りの検出は、一六ビットのサイクリック・リダンダンシー・チェック符号を用いて行うものとする。
(表示領域等)
第十条 画面の表示領域は、ヘッダ文表示領域及び本文表示領域から成るものとし、別図第五号に示すとおりとする。
2 一行横スクロール表示における表示領域は、前項の規定にかかわらず、別図第六号に示すとおりとする。
3 全面縦スクロール表示における仮想書込領域は、別図第七号に示すとおりとする。
(表示の制御区画)
第十一条 画面の表示を制御する単位となる区画は、次の各号に掲げる種別に応じ当該各号に定める大きさのものとする。
一 論理画素 ユニットスクリーンの縦横各二五六分の一又は縦横各二五六分の一及び縦横各五一二分の一の大きさ
二 機能区画 論理画素の縦横各四倍の大きさ
三 表示区画 文字の書式又は図形の表示方法に応じて総務大臣が別に告示して定める大きさ
(平一二郵令六〇・一部改正)
(表示モード)
第十二条 文字及び図形の表示モードは、次のとおりとする。
一 全面固定表示 表示領域に静止した文字及び図形を表示するモード
二 スーパー固定表示 標準テレビジョン放送の映像に重ねて静止した文字及び図形を表示するモード
三 字幕表示 スーパー固定表示であつて、同時に放送される標準テレビジョン放送番組の内容と直接に関係のある文字及び図形を表示するモード
四 一行横スクロール表示 標準テレビジョン放送の映像に重ねて、右から左へ移動する横一行の文字及び図形を表示するモード
五 全面縦スクロール表示 本文表示領域に下から上へ移動する文字及び図形を表示するモード
六 多画面表示 本文表示領域を四つの象限に分け、各象限に画面を全面固定表示で同時に表示するモード
(平三郵令一四・一部改正)
(文字の表示方法)
第十三条 文字は、標準密度(ユニットスクリーンの縦横各二五六分の一の大きさの論理画素による画面の表示密度をいう。以下この項において同じ。)の横書の書式又は標準密度の横書の書式及び標準密度の縦書、高密度(ユニットスクリーンの縦横各五一二分の一の大きさの論理画素による画面の表示密度をいう。以下この項において同じ。)の横書、高密度の縦書若しくは欧文横書の書式により表示するものとする。
2 文字の表示は、表示区画を単位として行うものとする。
(図形の表示方法)
第十四条 図形は、第一号から第三号までの方法又はこれらの方法及び第四号若しくは第五号の方法により表示するものとする。
一 モザイク図形表示 モザイク素片に対応する符号の組み合わせで表示する方法
二 DRCS図形表示 あらかじめ送出したパターンデータに対応する符号の組み合わせで表示する方法
三 一層フオトグラフィック図形表示 一層のパターンデータで表示する方法
四 多層フオトグラフィック図形表示 二以上の層のパターンデータで表示する方法
五 ジオメトリック図形表示 点、直線、円弧等を指定する図形記述命令の組み合わせで表示する方法
2 図形の表示は、前項第一号及び第二号の方法による場合にあつては表示区画を、その他の方法による場合にあつては論理画素を単位として行うものとする。
(表示の機能)
第十五条 画面の表示は、前五条に規定するもののほか、第一号、第二号、第四号及び第六号から第八号までの機能又はこれらの機能及び第三号若しくは第五号の機能により行うものとする。
一 着色 画面を文字及び図形、これらの背景、ヘッダラスタ並びにラスタごとに色付け(色の種類は、少なくとも、最大輝度及びこれよりレベルを下げた輝度の赤、緑、青、シアン、マゼンタ、黄及び白並びに黒とする。)する機能
二 フラッシング 文字又は図形を明滅する機能
三 ブリンク 指定した色の部分を指定した時間間隔で他の色に塗り替える機能
四 単純コンシール 表示されている文字又は図形をこれらの背景の色で隠す機能
五 差替えコンシール 表示されている文字又は図形を他の文字又は図形に置き替える機能
六 アンダーライン 表示区画の下辺に線を付加する機能
七 囲み 表示区画の任意の辺を枠取りする機能
八 パターン極性反転 文字又は図形の色とこれらの背景の色を相互に入れ替える機能
2 次の各号の表示の機能は、当該各号に掲げる区画を単位として表示するものとする。
一 着色 論理画素、機能区画又は表示区画
二 フラッシング及び単純コンシール 機能区画又は表示区画
三 ブリンク 論理画素
四 差替えコンシール 表示区画
(付加音の表出)
第十六条 付加音(文字又は図形の表示に付随して表出する音であつて、音色、音の高さ、音の強さ等を制御する信号により電子的に発生するものをいう。以下同じ。)の表出は、指定された画面に対応して行うことができるものとする。
(文字等の符号)
第十七条 文字、モザイク図形表示又はジオメトリック図形表示による図形及び付加音の符号は、八単位符号とする。
2 モザイク図形表示又はジオメトリック図形表示による図形以外の図形の符号は、図形の位置、大きさ等を示す符号及びパターンデータの符号(モディファイドハフマン符号により圧縮したものを含む。)を組み合わせたものとする。
(データの送出手順等)
第十八条 放送番組のデータの送出並びに文字、図形及び付加音の表示又は表出及び符号化に関する手順、符号構成その他の詳細事項は、総務大臣が別に告示して定めるものとする。
(平一二郵令六〇・一部改正)
(放送衛星局に適用する規定)
第十九条 標準テレビジョン文字多重放送を行う放送衛星局の送信の方式のうちこの省令の規定を適用することが困難又は不合理であるため総務大臣が別に告示するものについては、この省令の規定によらないことができる。
(平七郵令二三・追加、平一二郵令六〇・一部改正)
附 則 抄
1 この省令は、公布の日から施行する。
2 この省令の施行の際現に免許を受けている標準テレビジョン文字多重放送をする無線局の無線設備に係る送信の方式については、なお従前の例による。
(平三郵令一四・一部改正)
附 則 (平成三年三月一日郵政省令第一四号) 抄
1 この省令は、公布の日から施行する。
附 則 (平成三年七月一七日郵政省令第三六号) 抄
1 この省令は、公布の日から施行する。
附 則 (平成七年三月二四日郵政省令第二三号)
この省令は、公布の日から施行する。
附 則 (平成八年二月二八日郵政省令第七号) 抄
(施行期日)
1 この省令は、公布の日から施行する。
附 則 (平成一二年九月二七日郵政省令第六〇号) 抄
(施行期日)
第一条 この省令は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日(平成十三年一月六日)から施行する。

別図第一号(第4条第1項、第6条第1項関係)

(1) 最初のフィールド

       イメージ

(2) 次のフィールド

       イメージ

 注1 水平走査期間には、図のように番号を付し、第nHと呼称する(nは、1から525までの整数とする。)。

  2 最初のフィールドの第nHを使用する場合は、次のフィールドの第(n+263)Hを併せて使用する。

別図第二号(第5条第2項関係)

       イメージ

  上図のスペクトル特性曲線S(f)は、次の式によること。

   f≦f L において    S(f)=1

   f L <f<f U において  S(f)= イメージ(1+cos イメージπ)

   f≧f U において     S(f)=0

    注1 fは、周波数とする。

     2 f C は、遮断周波数を表し、クロック周波数の2分の1とする。

     3 f L はf C の(1−η)倍の周波数とし、f U はf C の(1+η)倍とする。この場合、ηはロールオフ率を表し、その値は0.6とする。

別図第三号(第6条第2項関係)

    イメージ

別図第四号(第7条第1項関係)

     イメージ

別図第五号(第10条第1項関係)

    イメージ

 注1 表示装置の物理画面上にユニットスクリーンを仮定し、その座標は水平方向をX、垂直方向をYとし、(X、Y)で表す。ヘッダ文表示領域及び本文表示領域は、それぞれ次の4点を結んでできる長方形の領域とする。

   ヘッダ文表示領域(0,0.796875),(0.96875,0.796875)

           (0,0.75) ,(0.96875,0.75)

   本文表示領域  (0,0.75) ,(0.96875,0.75)

           (0,0)   ,(0.96875,0)

  2 物理画面からヘッダ文表示領域及び本文表示領域を除いた部分を周辺領域とする。

  3 周辺領域を含み物理画面上でY≦0.75の領域をラスタ、Y≧0.75の領域をヘッダラスタとする。

別図第六号(第10条第2項関係)

 

 

 

(0,0.09375)

 

(0.96875,0.09375)

(0,0)

表示領域

(0.96875,0)

     注 図中の座標は、別図第五号のユニットスクリーンの座標とする。

別図第七号(第10条第3項関係)

 

(ヘッダ文表示領域)

 

(0,0)

(本文表示領域)

(0.96875,0)

(0,−0.09375)

仮想書込領域

(0.96875,−0.09375)

     注 図中の座標は、別図第五号のユニットスクリーンの座標とする。