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周波数帯ごとの主な用途と電波の特徴

1.超長波(VLF:Very Low Frequency

超長波は、10~100kmの非常に長い波長を持ち、地表面に沿って伝わり低い山をも越えることができます。

また、水中でも伝わるため、海底探査にも応用できます。

2.長波(LF:Low Frequency

長波の波長は、1~10kmで、非常に遠くまで伝わることができます。1930年頃まで電信用として利用されていましたが、大規模なアンテナと送信設備が必要という欠点と、短波通信の発展により、電信用にはあまり用いられなくなっています。

長波の一部は、ヨーロッパやアフリカ等でラジオ放送に使われているほか、日本では船舶や航空機の航行用ビーコン及び電波時計などに時間と周波数標準を知らせるための標準周波数局に利用されています。

3.中波(MF:Medium Frequency

中波の波長は、100~1000mで、約100kmの高度に形成される電離層のE層に反射して伝わることができます。

電波の伝わり方が安定していて遠距離まで届くことから、主にAMラジオ放送用として利用されています。送信機や送信アンテナは大規模なものが必要ですが、受信機は簡単なもので済む利点があります。

4.短波(HF:High Frequency

短波の波長は、10~100mで、約200~400kmの高度に形成される電離層のF層に反射して、地表との反射を繰り返しながら地球の裏側まで伝わっていくことができます。

長距離の通信が簡単に行えることから、現在でも、遠洋の船舶通信、国際線航空機用の通信、国際放送及びアマチュア無線に広く利用され、今後も需要が続く見込みです。

5.超短波(VHF:Very High Frequency

超短波の波長は、1~10mで、直進性があり、電離層で反射しにくい性質もあります、山や建物の陰にもある程度回り込んで伝わることができます。

短波に比べて多くの情報を伝えることが出来るため、FMラジオ放送用や多種多様な業務用移動通信に幅広く利用されています。

6.極超短波(UHF:Ultra(ウルトラ) High Frequency

極超短波の波長は、10cm~1mで、超短波に比べて直進性が更に強くなりますが、多少の山や建物の陰には回り込んで伝わることもできます。

伝送できる情報量が大きく、小型のアンテナと送受信設備で通信できることから、携帯電話や業務用無線を初めとした多種多様な移動通信システムを中心に、地上デジタルTV、空港監視レーダーや電子タグ、電子レンジ等に幅広く利用されています。

7.マイクロ波(SHF:Super High Frequency

マイクロ波の波長は、1~10cmで、直進性が強い性質を持つため、特定の方向に向けて発射するのに適しています。

伝送できる情報量が非常に大きいことから、主に放送の送信所間を結ぶ固定の中継回線、衛星通信、衛星放送や無線LANに利用されています。

この他、レーダーもマイクロ波の直進性を活用した利用システムのひとつで、気象レーダーや船舶用レーダー等に利用されています。

8.ミリ波(EHF:Extra High Frequency

ミリ波の波長は、1mm~10mmと非常に短く、マイクロ波と同様に強い直進性があり、非常に大きな情報量を伝送することができますが、悪天候時には雨や霧による影響を強く受けてあまり遠くへ伝わることができません。

このため、比較的短距離の無線アクセス通信や画像伝送システム、簡易無線、自動車衝突防止レーダー等に利用されている他、電波望遠鏡による天文観測が行われています。

なお、低い周波数帯と比較してあまり利用が進んでいないことから、大容量・長距離の伝送を可能とする技術や無線装置の小型化・低価格化等、利用促進に向けた技術の研究開発が行われているところです。

9.サブミリ波

サブミリ波の波長は、0.1mm~1mmで、光に近い性質を持った電波です。

現在の技術では巨大な無線設備が必要で、また水蒸気による吸収が大きいという性質があるため、通信用としてはほとんど利用されていませんが、一方では、ミリ波と同様に電波望遠鏡による天文観測が行われています。

この周波数帯についても、無線通信技術の発達による今後の利用拡大が期待されています。

担当:総合通信基盤局電波部電波政策課