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衛星移動通信は、地上又は海上の移動体(車、船舶、航空機など)に設置した無線局(地球局)から人工衛星を経由し、他の無線局(地球局)との通信を行います。(例えば、太平洋の船舶から日本の家庭や事務所との通信(電話連絡)が可能です。)
衛星移動通信はさまざまな人工衛星により通信を行っています。通信エリアは、全国各地域と海上のほとんどをカバーしています。また、比較的災害に強い通信手段として注目されています。
衛星の軌道によって、静止衛星、準天頂衛星、非静止衛星のいずれかの方式によって、通信(中継)しています。
静止衛星とは、地上から見ると衛星がいつも同じ位置に止まって見える人工衛星のことをいいます。静止衛星の場合、衛星3機〜4機でほぼ地球全体をカバーできます。現在、実用になっている通信や放送を行うための人工衛星はほとんど静止衛星による通信システムです。

準天頂衛星とは、静止軌道を約45度傾けた軌道に、少なくとも3機の衛星を互いに同期して配置することで、常に1つの衛星が日本の天頂付近に滞留する衛星システムの人工衛星のことをいいます。地表面軌道が8の字を描くので、別名「8の字軌道衛星」とも呼ばれ、高仰角が得られることから建築物等(ブロッキング)による影響が低減できます。

大きく分けて長楕円、中高度、低高度の3つの軌道に分けられます。
(1) 長楕円軌道(HEO)
(2) 中高度軌道(MEO)
(3) 低高度軌道(LEO)

海上分野における高速かつ大容量のデータ通信等に対する世界的な需要の高まりを踏まえ、平成15年6月に開催された世界無線通信会議(WRC-03)において、海上において高速・大容量の通信を行うことができる「船上地球局(ESV:Earth Stations on board Vessels)」に関する審議が行われ、C帯又はKu帯の固定衛星業務の宇宙局(人工衛星)を利用したESVシステムが導入されました。
(C帯:アップリンク6GHz帯・ダウンリンク4GHz帯、Ku帯:アップリンク14GHz帯・ダウンリンク12GHz帯)
我が国においても、情報通信審議会及び電波監理審議会の答申を受け、平成18年1月に必要な規定の整備を行ったところです。

ESVは、周波数を共用する固定業務及び移動業務の無線局への影響を鑑み、無線局運用規則において、以下の海域においては電波を発射することができないことと規定されています。(無線局運用規則第262条の2)
| すべての沿岸国の低潮線から300km以内の海域 | |
| 本邦以外の沿岸国の低潮線から125km以内の海域 | |
| すべての沿岸国の低潮線から125km以内の海域 |
ただし、次に掲げる場合においては、無線局運用規則第262条の2に基づく告示に基づき、ESVを運用することが可能です。
なお、沿岸国の領海内において船上地球局を運用する場合、我が国の電波法令は適用されず、沿岸国の電波法令等により運用自体が認められない場合や当該沿岸国の無線局免許が必要になる等の制約がある場合がございますので、当該沿岸国の関係法令等を遵守するよう十分にご留意ください。
◇ 他の無線局の運用を阻害するような混信を与えるおそれがない場合であって、次に掲げる場合。この場合
において、沿岸国の主管庁又は他の無線局から混信を除去するために必要な措置を執るよう求められたとき
は直ちに当該措置を執らなければならず、また、電波の発射を中止するよう求められたときは直ちに当該電波
の発射を中止しなければなりません。
| サウジアラビア王国 |
14.0GHz〜14.5GHz |
| オーストラリア連邦 |
14.3GHz〜14.5GHz |
| バーレーン王国 |
14.0GHz〜14.5GHz |
| ブルネイ・ダルサラーム国 |
14.0GHz〜14.3GHz |
| キプロス共和国 |
14.0GHz〜14.5GHz |
| 大韓民国 |
14.0GHz〜14.4GHz |
| アラブ首長国連邦 |
14.0GHz〜14.5GHz(注) |
| ロシア連邦 |
14.0GHz〜14.5GHz |
| ギリシャ共和国 | |
| インドネシア共和国 |
14.0GHz〜14.35GHz |
| イラン・イスラム共和国 |
14.0GHz〜14.5GHz |
| イラク共和国 | |
| イスラエル国 |
14.0GHz〜14.3GHz |
| イタリア共和国 |
14.25GHz〜14.3GHz |
| クウェート国 |
14.0GHz〜14.5GHz |
| マレーシア | |
| マルタ共和国 | |
| ニュージーランド |
14.3GHz〜14.5GHz |
| オマーン国 |
14.0GHz〜14.5GHz |
| パキスタン・イスラム共和国 |
14.0GHz〜14.4GHz(注) |
| パプアニューギニア独立国 |
14.3GHz〜14.5GHz |
| フィリピン共和国 |
14.0GHz〜14.5GHz(注) |
| カタール国 |
14.0GHz〜14.5GHz |
| シリア・アラブ共和国 |
14.0GHz〜14.3GHz(注) |
| シンガポール共和国 |
14.0GHz〜14.25GHz(注) |
| スーダン共和国 |
14.0GHz〜14.3GHz |
| スリランカ民主社会主義共和国 |
14.0GHz〜14.4GHz |
| タンザニア連合共和国 |
14.0GHz〜14.3GHz |
| タイ王国 |
14.0GHz〜14.5GHz |
(注) 無線通信規則第五条の周波数分配表において一次業務として分配されている固定 業務又は移動業務の無線局からの有害な混信を容認する場合に限る。
◇ その他の場合を含む告示(平成18年総務省告示第102号)の全文については、別添(PDF)のとおりです。
ESVの運用範囲を拡大するため、他業務の無線局とESVとの詳細な混信検討を行うとともに、他業務との周波数共用を促進するための技術的検討を行っています。
船上地球局(ESV)と他業務の無線局との周波数共用技術の調査検討報告書(平成19年度)
船上地球局(ESV)と他業務の無線局との周波数共用技術の調査検討報告書(平成20年度)
災害映像等を伝送するためのKu帯ヘリコプター衛星通信システムの技術的条件のうち標準画質レベルの動画及び音声の伝送が可能なシステムの技術的条件について検討を行いました。
情報通信審議会衛星通信システム委員会報告「Ku帯ヘリコプター衛星通信システムの技術的条件」のうち「標準画質レベルの動画及び音声の伝送が可能なシステムの技術的条件」
広域災害時等における現場上空のヘリコプターから災害現場の詳細な映像等の大容量の情報を伝送効率を向上させることにより、災害対策関連機関等への高速な伝送を可能とするための技術的検討を行っています。
ヘリコプターからのHDTV伝送(高画質伝送)のための衛星通信技術に関する調査検討報告書(平成20年度)
地方自治体等による災害対策用や携帯電話不感地帯用として、また、海上では、日本近海を航行する貨物船、漁船等の連絡用として広く利用されているSバンドを用いる国内移動体衛星通信システムの高速化に関する技術的条件について検討を行いました。
情報通信審議会衛星通信システム委員会報告「S バンドを用いる国内移動体衛星通信システムの高速化に関する技術的条件」
人工衛星を用いた2つの地球局間の通信では、従来、異なる周波数を用いていましたが、同一の周波数を使用し、地球局での受信の際に、それぞれ不要となる信号を除去・キャンセルすることにより周波数の有効利用を図ることを可能とする技術的検討を行いました。
衛星通信用周波数の有効利用のための伝送信号重畳・キャンセル技術に関する調査検討報告書(平成19年度)
衛星通信用周波数の有効利用のための伝送信号重畳・キャンセル技術に関する調査検討報告書(平成20年度)
安全・安心を守る防災ネットワークやデジタル・ディバイド解消等に活用が期待されている超小型地球局(VSAT地球局)システムに関して、伝送速度の向上及び周波数帯域の拡張を図るため、Ku帯VSATシステムの高度化に関する技術的条件について検討を行いました。