発表日  : 1998年 6月26日(金)

タイトル : 安全で安心な電波利用のための電波防護規制導入





         =電波法施行規則の一部改正に係る諮問=

 郵政省は、本日、電波法施行規則の一部改正について電波監理審議会に諮問しま
した。
 電波利用における人体の防護(以下「電波防護」という。)については、平成2年
(1990年)6月の電気通信技術審議会答申「電波利用における人体の防護指
針」を踏まえ、社団法人電波産業会が「電波防護標準規格」を定め、無線局の建
設・運用における民間のガイドラインとして自主的に活用しているところです。
 一方、昨今の携帯電話、PHS等の移動通信の普及、コミュニティFM放送の開
始等、従来に比べ人々が生活、活動するエリアの内部や近くに無線施設が整備され
るようになったことにより、無線設備から発射される電波が人体に好ましくない影
響を及ぼすのではないかという懸念が提起されるようになってきました。
 こうした中、本年3月、「電波防護指針の運用の在り方に関する調査研究会」
(座長:多賀谷 一照 千葉大学法経学部教授)は、従来の民間ガイドライン方式
から強制規格へ移行することが望ましい旨の報告書を取りまとめました。
 このような状況を踏まえ、今後の高度情報通信社会の構築に不可欠な電波利用を
円滑に推進するためには、安全性確保に関する免許人等の認識を高め、かつ安全な
電波利用のより一層の徹底を図る上で、無線局の整備、運用において守るべき基準
を明示し、その遵守を確保することが必要なため、無線設備から発射される電波の
強度が、定められた値を超える場所に取扱者のほかは容易に出入りできないように
施設することを義務づけることとし、必要な規定の整備を行うものです。


               連絡先:電気通信局電波部電波環境課
               担 当:堀内課長補佐、伊藤生体電磁環境係長
               電 話:03−3504−4900



                改正の概要


1 改正の内容

  電波法施行規則の一部を次のとおり改正する。
(1)電波の強度に対する安全施設の規定の追加
  無線設備から発射される電波の強度が、定められた値を超える場所に取扱者の
 ほか容易に出入りできないように施設することを義務づけること。
(2)適用を除外する無線設備の規定の追加
  次の無線設備は適用を除外する。
   1)空中線電力の平均電力が20mW以下の無線局の無線設備
   2)移動する無線局の無線設備
   3)地震、台風、洪水、津波、雪害、火災、暴動その他非常の事態が発生し、
    又は発生する恐れがある場合において、臨時に開設する無線局の無線設備
    等
(3)電波の強度値の規定の追加
  無線設備から発射される電波の強度の値(注)を定めること。
       注:平成2年電気通信技術審議会答申「電波防護指針値」と同じ。


2 施行期日

 公布の日から起算して一年を経過した日から施行すること。


3 経過措置

 施行の際免許を受けている無線局は、免許の有効期限が満了する日までは、従前
の例によることができる。