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電波防護のための基準の制度化

総務省では、無線局の開設者に、電波の強さに対する安全施設を設けることを義務づけています(平成11年10月1日施行)。

また、携帯電話端末等を製造するメーカ等に、電波の人体吸収量に対する許容値を守ることを義務づけています(人体側頭部に近づけて使用する携帯電話端末等については平成14年6月1日施行、人体のそれ以外の部分に近づけて使用する携帯電話端末等については平成26年4月1日施行。)。

1.制度の概要

電波の強度に対する安全施設

人が通常出入りする場所で無線局から発射される電波の強さが基準値を越える場所がある場合には、無線局の開設者が柵などを施設し、一般の人々が容易に出入りできないようにする必要があります。

なお、適用が除外される無線設備として以下のものが挙げられます。

  • 平均電力が20mW以下の無線局の無線設備
  • 移動する無線局の無線設備
  • 地震や台風などの非常事態が発生、または発生するおそれのある場合において臨時に開設する無線局の無線設備

この基準への適合確認方法等については、「電波防護のための基準への適合確認の手引きリンク先PDFファイルを別ウィンドウで開きます(931KB)」を作成しています。

人体(じんたい)における比吸収率の許容値(100kHz以上6GHz以下の周波数帯を利用する無線設備の場合)

携帯電話端末等の人体のそばで使用する無線設備のうち、100kHz以上6GHz以下の周波数帯を利用する場合は、当該無線設備から発射される電波の人体における比吸収率(任意の生体組織10gが電磁界に照射されるときの、単位質量当りの吸収電力をいう(6分間平均)。)を、許容値(2W/kg。四肢においては4W/kg。)以下にする必要があります。

適用が除外される無線設備:

  • 平均電力(6分間平均での当該電波の平均電力)が20mW以下の無線設備

人体(じんたい)における入射電力密度の許容値(6GHzを超える周波数帯を利用する無線設備の場合)

携帯電話端末等の人体のそばで使用する無線設備のうち、6GHzを超える周波数帯を利用する場合は、当該無線設備から発射される電波の入射電力密度(任意の体表面における平均化面積に対する、単位面積あたりの電力をいう(6分間平均)。)を以下の許容値にする必要があります。

  1. 6GHz超え30GHz以下の周波数帯
    人体(両手を除く)の任意の体表面積4cmにおいて、平均時間6分間に通過するエネルギー量が2mW/cm 以下

    適用が除外される無線設備:

    • 平均電力8mW以下の無線設備
  2. 30GHz超え300GHz以下の周波数帯
    人体(両手を除く)の任意の体表面積1cmにおいて、平均時間6分間に通過するエネルギー量が2mW/cm 以下

    適用が除外される無線設備:

    • 平均電力2mW以下の無線設備

  • 電波のエネルギーは、6GHzを境界として、体内には浸透せずに体表面(皮膚組織)で吸収される特性を持っているため、安全性を担保する基準値が異なります。
比吸収率及び入射電力密度の許容値
周波数範囲 要件 許容値(いずれも6分間平均)※3
100kHz-6GHz 比吸収率※1 任意の組織 10g 当り
2W/kg
(四肢では4W/kg)
6GHz超-30GHz 入射電力密度※2 任意の体表面※4
4cm2当り2mW/cm2
30GHz超-300GHz 任意の体表面※4
1cm2当り2mW/cm2
  1. ※1: 
    「比吸収率(SAR:Specific Absorption Rate)」とは、生体が電磁界に晒されることにより単位質量の組織に単位時間に吸収されるエネルギー量をいう。
  2. ※2: 
    「電力密度」とは、電磁波伝搬の方向に垂直な単位面積当たりの通過電力をいう。入射電力密度の評価は、人のいない状態で人の存在する可能性のある全空間を対象とすることを原則とする。
  3. ※3: 
    両手は適用対象外 。
  4. ※4: 
    人体の占める空間に相当する領域中の任意の面積に相当。
比吸収率または入射電力密度の許容値の適用が除外される場合
周波数範囲 100kHz - 6GHz 6GHz超-30GHz 30GHz超-300GHz
適用除外となる電力のしきい値 20mW 8mW 2mW
  • 発射される電波の電力が上記に示す閾(しきい)値よりも小さい場合は、電波のエネルギーは人体には吸収されないため、人体における比吸収率または入射電力密度の規制値の適用除外となります。

同一の筐体から複数の電波を同時に発射する場合

携帯電話端末などで、同一の筐体から複数の周波数帯の電波を同時に発射する機能を有する場合※5は、「総合照射比」※6を1以下とする必要があります。

総合照射比による許容値の適用が除外される平均電力:

  • 発射されるそれぞれの電波について、6分間平均での当該電波の平均電力を、周波数帯の区分に応じた「適用除外となる電力の閾(しきい)値」で除した値の総和が1以下であること。
  1. ※5: 
    令和元年5月20日総務省告示第31号リンク先PDFファイルを別ウィンドウで開きます(70KB) で定める無線設備に限ります。
  2. ※6: 
    6GHz以下の周波数と、6GHzを超える周波数の電波を同時に発射する端末等においては、それぞれの電波の測定値(6GHz以下の周波数では比吸収率、6GHzを超える周波数では入射電力密度)と対応する許容値の比の合計を1以下にすることで安全性を確認しています。
    なお、100kHz以上6GHz以下の周波数帯の電波を同時に発射する場合は、この方法は適用されず、同時発射された際の比吸収率の合計が許容値以下とすることで、安全性を確認しています。

2.関係法令

3.関係報道発表資料へのリンク

  1. 安全で安心な電波利用のための電波防護規制導入 -電波法施行規則の一部改正に係る諮問-(平成10年6月26日発表)リンク先コンテンツを別ウィンドウで開きます
  2. 電波防護指針への適合を確認するための測定方法等の策定 -電気通信技術審議会に諮問-(平成10年7月27日発表)リンク先コンテンツを別ウィンドウで開きます
  3. 安全で安心な電波利用のための電波防護規制を導入 -電波法施行規則の一部改正に係る電波監理審議会答申-(平成10年9月18日発表)リンク先コンテンツを別ウィンドウで開きます
  4. 電波防護指針への適合性確認方法の策定 -電波の強度の測定方法及び算出方法-(平成10年11月30日発表)リンク先コンテンツを別ウィンドウで開きます
  5. 携帯電話端末等に対する比吸収率の測定方法の策定 -電気通信技術審議会に諮問-(平成12年5月22日発表)リンク先コンテンツを別ウィンドウで開きます
  6. 人体側頭部のそばで使用する携帯電話端末等に対する比吸収率の測定方法の策定 -比吸収率(SAR)測定方法に関する電気通信技術審議会一部答申-(平成12年11月27日発表)リンク先コンテンツを別ウィンドウで開きます
  7. 人体側頭部のそばで使用する携帯電話端末等に対する電波防護規制の導入について -無線設備規則等の一部改正に係る電波監理審議会への諮問-(平成13年3月21日発表)リンク先コンテンツを別ウィンドウで開きます
  8. 現行携帯電話端末の電波防護基準への適合を確認 -携帯電話端末の電波防護指針への適合確認調査結果-(平成13年5月15日発表)リンク先コンテンツを別ウィンドウで開きます
  9. 人体側頭部のそばで使用する携帯電話端末等に対する電波防護規制の導入(平成13年5月16日発表)リンク先コンテンツを別ウィンドウで開きます
  10. 人体側頭部のそばで使用する携帯電話端末等に対する電波防護規制の導入に係る告示案に関する意見募集の結果(平成13年9月28日発表)リンク先コンテンツを別ウィンドウで開きます
  11. 携帯電話端末等に対する比吸収率の測定方法を答申 -人体頭部での電波吸収量の測定方法に関する情報通信審議会からの一部答申-(2006年(平成18年)1月23日)リンク先コンテンツを別ウィンドウで開きます
  12. 人体頭部における比吸収率の測定方法を定める件の一部を改正する告示案等に係る意見募集(2006年(平成18年)2月20日)リンク先コンテンツを別ウィンドウで開きます
  13. 人体頭部における比吸収率の測定方法を定める件の一部を改正する告示案等に係る意見募集の結果(2006年(平成18年)4月7日)リンク先コンテンツを別ウィンドウで開きます
  14. 携帯電話端末等に対する比吸収率の測定方法に関する情報通信審議会からの一部答申(2011年(平成23年)10月28日)リンク先コンテンツを別ウィンドウで開きます
  15. 人体に近接して使用する無線設備への比吸収率測定の導入等に向けた制度整備案に対する意見募集(2013年(平成25年)6月5日)リンク先コンテンツを別ウィンドウで開きます
  16. 人体に近接して使用する無線設備への比吸収率測定の導入等に向けた制度整備案に対する意見募集の結果及び電波監理審議会からの答申(2013年(平成25年)7月10日)リンク先コンテンツを別ウィンドウで開きます
  17. 「電波防護指針の在り方」について -情報通信審議会に対する諮問-(2013年(平成25年12月13日)リンク先コンテンツを別ウィンドウで開きます
  18. 電波防護指針の在り方に関する情報通信審議会からの一部答申 -低周波領域(10kHz以上10MHz以下)における電波防護指針の在り方-(2015年(平成27年3月12日)リンク先コンテンツを別ウィンドウで開きます
  19. 携帯電話端末等に対する比吸収率の測定方法に関する情報通信審議会からの一部答申―人体側頭部に近接して使用する無線機器等に対する比吸収率の測定方法―(2015(平成27年)7月17日)リンク先コンテンツを別ウィンドウで開きます
  20. 無線設備規則の一部を改正する省令案等についての意見募集-人体側頭部に近接して使用する携帯電話端末等に対する比吸収率の測定方法等に関する制度整備-(2015(平成27年)8月25日)リンク先コンテンツを別ウィンドウで開きます
  21. 無線設備規則の一部を改正する省令案に係る電波監理審議会からの答申及び意見募集の結果-人体側頭部に近接して使用する携帯電話端末等に対する比吸収率の測定方法等に関する制度整備-(2015(平成27年)10月14日)リンク先コンテンツを別ウィンドウで開きます
担当:総合通信基盤局電波部電波環境課