○平成十九年総務省告示第四百五十七号(電波法第二十七条の十二第一項の規定に基づく二・五GHz帯の周波数を使用する特定基地局の開設に関する指針)

(平成十九年八月十日)

(総務省告示第四百五十七号)

電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)第二十七条の十二第一項の規定に基づき、二・五GHz帯の周波数を使用する特定基地局の開設に関する指針を次のように定める。

一 開設指針の対象とする特定基地局の範囲に関する事項

本開設指針の対象とする特定基地局の範囲は、無線設備規則(昭和二十五年電波監理委員会規則第十八号)第四十九条の二十八又は第四十九条の二十九に規定する無線設備を使用する基地局及び陸上移動中継局のうち、次項に定める周波数を使用するものとする。

二 周波数割当計画に示される割り当てることが可能である周波数のうち当該特定基地局に使用させることとする周波数及びその周波数の使用に関する事項

1 本開設指針の対象とする特定基地局に使用させることとする周波数は、二、五四五MHzを超え二、五七五MHz以下及び二、五九五MHzを超え二、六二五MHz以下の周波数とする。この場合において、二、五四五MHzを超え二、五五五MHz以下の周波数を使用するときは、平成二十六年十二月三十一日までの期間において、二、五〇五MHzを超え二、五三五MHz以下の周波数を使用する無線局の運用を阻害する混信を防止するための具体的な対策を講じなければならない。

2 当該特定基地局に係る前号に規定する周波数の使用区域は、全国とする。

三 当該特定基地局の配置及び開設時期に関する事項

1 本開設指針の対象とする特定基地局は、開設計画の認定の日から三年以内に運用を開始しなければならない。

2 当該特定基地局を配置する者は、開設計画の認定の日から三年以内に、全国のカバー率(一の市町村(特別区を含み、平成十九年八月十日における行政区画による区域とする。以下同じ。)におけるすべての市町村事務所等(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第四条第一項の事務所並びに同法第百五十五条第一項(同法第二百八十三条第一項において適用する場合を含む。)の支所及び出張所をいう。以下同じ。)において本開設指針に係る認定を受けた開設計画に係る基地局と当該基地局を通信の相手方とする電気通信業務を行うことを目的とする陸上に開設する移動する無線局との通信(以下「電気通信業務用無線通信」という。)が可能となる場合に、当該一の市町村を電気通信業務用無線通信が可能な市町村として、電気通信業務用無線通信が可能な市町村の人口(平成十七年国勢調査の結果による人口とする。以下同じ。)の合計を全国の人口で除した値をいう。)が百分の十以上になるように特定基地局を配置しなければならない。

3 当該特定基地局を配置する者は、開設計画の認定の日から五年以内に、総合通信局(沖縄総合通信事務所を含む。以下同じ。)の管轄区域ごとのカバー率(一の市町村におけるすべての市町村事務所等において電気通信業務用無線通信が可能となる場合に、当該一の市町村を電気通信業務用無線通信が可能な市町村として、一の総合通信局の管轄区域の電気通信業務用無線通信が可能な市町村の人口の合計を、当該一の総合通信局の管轄区域の人口で除した値をいう。)がすべて百分の五十以上になるように特定基地局を配置しなければならない。

四 当該特定基地局の無線設備に係る電波の能率的な利用を確保するための技術の導入に関する事項

小セル化及び空間多重技術の導入による収容効率の向上に資する技術その他の電波の能率的な利用を確保するための技術を用いなければならない。

五 当該特定基地局の円滑な開設の推進に関する事項その他必要な事項

1 本開設指針において特定基地局の開設とは、次に掲げるときとする。

(一) 第二項第一号に規定する周波数のみを使用する特定基地局を開設するとき。

(二) 第二項第一号に規定する周波数と当該周波数とは異なる周波数を併せて使用する特定基地局を開設するとき。

(三) 既に開設している無線局について第二項第一号に規定する周波数の追加又は当該周波数への変更に係る電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)第十九条の規定による周波数の指定の変更を受けた特定基地局を開設するとき。

2 開設計画の認定の申請は、次に定めるところにより行うものとする。

(一) 申請することができる周波数の帯域幅は、三十MHzとする。

(二) 開設計画の認定の申請に当たっては、無線局免許手続規則(昭和二十五年電波監理委員会規則第十五号)に定めるところによるほか、別表第一に規定する事項について開設計画に記載しなければならない。

3 開設計画の認定は、前各項、前号及び別表第二に規定する要件並びに次に掲げる事項をすべて満たしている申請の数が一又は二の場合は当該申請に対して認定するものとし、三以上の場合はそれぞれの申請について別表第三の基準により比較審査を行い、当該申請のうち当該基準への適合の度合いが高い二の申請に対して認定するものとする。なお、当該認定に係る電波法第二十七条の十三第三項の規定により公示された期間内に提出された開設計画の認定の申請については、前後なく受け付けたものとして、同等に扱い審査を行う。

(一) 申請者が無線設備規則第四十九条の六第四十九条の六の四第四十九条の六の五又は第四十九条の六の六に規定する無線設備を使用する無線局(実験試験局を除く。以下同じ。)の免許を取得している者(以下「第三世代移動通信事業者」という。)ではないこと。

(二) 申請者が本開設指針に係る開設計画の認定の申請を行っている法人又は団体の役員(組合その他これに準ずる事業体にあっては、役員に相当する者を含む。以下同じ。)ではないこと。

(三) 申請者が法人又は団体である場合にあっては、申請者が議決権の三分の一以上を保有する者、申請者の議決権の三分の一以上を保有する者及び申請者の議決権の三分の一以上を保有する者が議決権の三分の一以上を保有する者(申請者を除く。)が第三世代移動通信事業者ではないこと。この場合において、一の者が議決権の三分の一以上を保有する者が議決権の三分の一以上を保有する者は申請者が議決権の三分の一以上を保有する者と、一の者の議決権の三分の一以上を保有する者の議決権の三分の一以上を保有する者は申請者の議決権の三分の一以上を保有する者とみなす。

(四) 申請者が法人又は団体である場合にあっては、一の第三世代移動通信事業者、当該第三世代移動通信事業者が議決権の三分の一以上を保有する者、当該第三世代移動通信事業者の議決権の三分の一以上を保有する者及び当該第三世代移動通信事業者の議決権の三分の一以上を保有する者が議決権の三分の一以上を保有する者(当該第三世代移動通信事業者を除く。)が所有する申請者の議決権の合計が三分の一を超えないこと。この場合において、一の者が議決権の三分の一以上を保有する者が議決権の三分の一以上を保有する者は当該一の第三世代移動通信事業者が議決権の三分の一以上を保有する者と、一の者の議決権の三分の一以上を保有する者の議決権の三分の一以上を保有する者は当該一の第三世代移動通信事業者の議決権の三分の一以上を保有する者とみなす。

(五) 申請者が法人又は団体である場合にあっては、申請者が議決権の三分の一以上を保有する者、申請者の議決権の三分の一以上を保有する者及び申請者の議決権の三分の一以上を保有する者が議決権の三分の一以上を保有する者(申請者を除く。)が本開設指針に係る開設計画の認定の申請を行っていないこと。この場合において、一の者が議決権の三分の一以上を保有する者が議決権の三分の一以上を保有する者は申請者が議決権の三分の一以上を保有する者と、一の者の議決権の三分の一以上を保有する者の議決権の三分の一以上を保有する者は申請者の議決権の三分の一以上を保有する者とみなす。

4 本開設指針に係る開設計画の認定を受けた者は、毎年度の四半期ごとに、開設計画に基づく事業の進捗の状況を示す書類を総務大臣に提出しなければならない。

(平二〇総省告一六七・平二三総省告四四七・平二四総省告四三四・一部改正)

改正文 (平成二〇年三月二六日総務省告示第一六七号) 抄

平成二十年四月一日から施行する。

改正文 (平成二三年一〇月二五日総務省告示第四四七号) 抄

平成二十三年十一月一日から施行する。

別表第一 開設計画に記載すべき事項

一 特定基地局の整備計画に関する事項

総合通信局の管轄区域内における、毎年度ごと、市町村ごと及び無線局の種別ごとの特定基地局の開設数並びにカバー率に関する今後の計画

二 開設計画に従って円滑に特定基地局を整備するための能力に関する事項

1 特定基地局の無線設備、端末設備、中継回線その他の必要な電気通信設備(電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第二条第二号に定める電気通信設備をいう。以下同じ。)の確保に関する実績及び今後の計画

2 特定基地局の設置場所の確保に関する実績及び今後の計画

3 特定基地局の開設に対する地域住民の合意形成に向けた取組の実績及び今後の計画

4 特定基地局の円滑な整備のための工事業者その他の業者との協力体制の確保に関する実績及び今後の計画

三 電気通信設備の設置及び運用を円滑に行うための技術的能力に関する事項

1 申請者が設置しようとする無線設備に関する技術的な検討、実験、標準化の活動等の実績

2 電気通信設備の設置、運用及び保守管理のために必要な技術要員の確保に関する実績及び今後の計画

3 電気通信主任技術者の配置に関する実績及び今後の計画

四 財務的基礎に関する事項

1 業務開始の日から五年後の日を含む年度までの毎年度における収益の見通し及びその根拠

2 業務開始の日から五年後の日を含む年度までの毎年度における費用の見通し及びその根拠

3 開設計画に基づく事業に必要な資金の確保(出資、借入れ、リース等)に関する計画

4 申請者及び申請者に対する主な出資者の財務諸表(財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和三十八年大蔵省令第五十九号)第一条第一項に規定する財務諸表をいう。)その他の前号の計画に従って必要な資金を確保できることを証する書類

五 法令遵守その他の業務執行体制の整備に関する事項

1 法令遵守のための体制の整備に関する実績及び今後の計画(法令遵守に係る社内規定等がある場合は、別紙により添付すること。)

2 個人情報保護のための体制の整備に関する実績及び今後の計画(個人情報保護に係る社内規定等がある場合は、別紙により添付すること。)

3 顧客からの苦情及び問い合わせに対応するための体制の整備に関する実績及び今後の計画

六 混信の防止等に関する事項

1 基地局及び陸上移動局の送信バースト長

2 無線設備へのフィルタの追加、サイトエンジニアリングの実施等による干渉の改善の計画

七 電波の能率的な利用を確保するための技術の導入に関する事項

小セル化及び空間多重技術の導入による収容効率の向上に資する技術その他の電波の能率的な利用を確保するための技術の導入に関する計画

八 電気通信事業の健全な発達と円滑な運営への寄与に関する事項

本開設指針に基づく開設計画の認定を受けていない電気通信事業者(電気通信事業者になる見込みのある者を含む。以下同じ。)に対する電気通信役務(電気通信事業法第二条第三号に定める電気通信役務をいう。以下同じ。)の提供又は事業者間の接続に関する条件の設定に関する計画その他の無線設備の利用を促進するための計画

九 申請者の条件に関する事項

申請者が第五項第三号の(一)から(五)までに規定する要件に適合していることを証する書類

十 一から九までに定めるもののほか、本開設指針に定められた事項に関する申請者のこれまでの取組の実績及び今後の計画

別表第二 開設計画の認定の要件

一 開設計画の適切性、計画実施の確実性

1 広範な地域において電気通信役務の提供を可能とするための合理的かつ具体的な特定基地局の整備計画を有していること。

2 開設計画に従って円滑に特定基地局を整備するための能力を有すること。

3 電気通信設備の設置及び運用を円滑に行うための技術的能力を有すること。

4 特定基地局の運用による電気通信事業(電気通信事業法第二条第四号に定める電気通信事業をいう。以下同じ。)を確実に開始し、かつ、継続的に運営するために必要な財務的基礎を有すること。

5 電気通信設備の保守及び管理体制並びに障害時の対応体制を整備すること。

6 関係法令の規定に基づき無線従事者を適切に配置すること。

7 電波法、電気通信事業法その他の関係法令を遵守するとともに利用者の利益を確保して適切な方法により業務を行う体制を整備すること。

二 混信の防止

1 既設の無線局(予備免許を受けているものを含む。)若しくは電波法第五十六条第一項に規定する指定を受けている受信設備(以下「既設の無線局等」という。)の運用又は電波の監視を阻害する混信を防止するための技術の導入について合理的かつ具体的な計画を有すること。

2 既設の無線局等の運用又は電波の監視を阻害する混信を防止するための対策を適切に講ずるための合理的かつ具体的な計画を有すること。

三 電気通信事業の健全な発達と円滑な運営への寄与

1 本開設指針が対象とする特定基地局による電気通信役務の多様化と電波の有効利用の促進に資するため、本開設指針に基づく開設計画の認定を受けていない電気通信事業者による無線設備の利用を促進するための計画を有すること。

2 1のほか、特定基地局を開設して電気通信事業を行うことが、電気通信事業の健全な発達と円滑な運営に寄与すること。

別表第三 開設計画の認定の比較審査基準

一 開設計画の適切性、計画実施の確実性

1 より広範な地域においてより早期に電気通信役務を提供するための特定基地局を配置する計画を有していること。

2 開設計画に従って円滑に特定基地局を整備するための能力がより充実していること。

3 電気通信設備の設置及び運用を円滑に行うための技術的能力がより充実していること。

4 特定基地局の運用による電気通信事業を確実に開始し、かつ、継続的に運営するために必要な財務的基礎がより充実していること。

5 電気通信設備の保守及び管理体制並びに障害時の対応体制がより充実していること。

6 電波法、電気通信事業法その他の関係法令を遵守するとともに利用者の利益を確保して適切な方法により業務を行う体制がより充実していること。

二 混信の防止等

1 既設の無線局等の運用又は電波の監視を阻害する混信を防止するためのより優れた技術を導入すること。

2 既設の無線局等の運用又は電波の監視を阻害する混信を防止するための対策がより充実していること。

3 小セル化及び空間多重技術の導入による収容効率の向上に資する技術その他の電波の能率的な利用を確保するためのより優れた技術の開発及び導入をする計画を有していること。

三 電気通信事業の健全な発達と円滑な運営への寄与

1 本開設指針に基づく開設計画の認定を受けていない電気通信事業者による無線設備の利用を促進するためのより具体的な計画を有していること。

2 1のほか、特定基地局を開設して電気通信事業を行うことが、電気通信事業の健全な発達と円滑な運営により寄与すること。

電波法第二十七条の十二第一項の規定に基づく二・五GHz帯の周波数を使用する特定基地局の開...

平成19年8月10日 総務省告示第457号

(平成24年12月5日施行)

体系情報
第1編 法  令(令和5年1月1日現在)/第11章 情報通信/第2節 
沿革情報
平成19年8月10日 総務省告示第457号
平成20年3月26日 総務省告示第167号
平成23年10月25日 総務省告示第447号
平成24年12月5日 総務省告示第434号