○令和四年総務省告示第百六十三号(電波法施行規則第三十二条の八の三の規定に基づく無線電力伝送用構内無線局の条件)
(令和四年五月二十六日)
(総務省告示第百六十三号)
電波法施行規則(昭和二十五年電波監理委員会規則第十四号)第三十二条の八の三の規定に基づき、無線電力伝送用構内無線局の条件を次のように定める。
一 九一六・七MHz以上九二〇・九MHz以下の周波数の電波を使用する無線電力伝送用構内無線局
1 電波の強度が別表第一号に掲げる値以上減衰することが明らかである壁等(窓その他の開口部を含む。)で区画された空間(室内又は閉空間内をいう。以下同じ。)で運用すること。
2 無線電力伝送用構内無線局の無線設備から発射される電波が当該無線局を運用する空間(以下「運用空間」という。)に存在する他の無線設備に影響を与えるおそれがあることについて、運用空間の管理について権原を有する者に了解されていること。
3 無線設備規則(昭和二十五年電波監理委員会規則第十八号)第四十九条の九第一号ニに規定する総務大臣が別に告示する技術的条件に適合する送信時間制限装置を備え付けていない場合にあっては、取扱者のほか容易に運用空間に出入りすることができないように措置されていること。ただし、電波を発射しない時間帯にあっては、当該措置を解除することができる。
4 無線電力伝送用構内無線局の無線設備(空中線電力が二〇ミリワット以下のものを除く。)から発射される電波の強度が電波法施行規則別表第二号の三の二に定める値を超える場所(人が通常、集合し、通行し、その他出入りする場所に限る。)に取扱者のほか容易に出入りすることができないように措置されていること。
二 二・四GHz帯の周波数の電波を使用する無線電力伝送用構内無線局
1 前項第一号に掲げる条件のほか、地下又は地上一階で運用すること。
2 空中線の最大利得の方向の俯角の値は八〇度から九〇度までの範囲内であり、輻射方向が変化する場合にあっては、最大輻射の方向の俯角の値は三〇度から九〇度までの範囲内であること。
3 等価等方輻射電力(電波のスペクトルのうち、最大の電力密度の一MHzの帯域幅における等価等方輻射電力とする。)は、水平面方向から下に一〇度までの範囲内において四七デシベル(一ミリワットを〇デシベルとする。)以下であること。
4 無線電力伝送用構内無線局の無線設備から発射される電波が運用空間及びそれに隣接する空間に存在する他の無線設備に与える影響の度合いが把握されていること。
5 取扱者のほか容易に運用空間に出入りすることができないように措置されていること。ただし、電波を発射しない時間帯にあっては、当該措置を解除することができる。この場合にあっては、電波発射前に取扱者以外の者の退出を確認しなければならない。
6 無線電力伝送用構内無線局の無線設備から発射される電波の強度が別表第二号に掲げる値を超える範囲に人が立ち入った場合には、電波の発射を停止する措置が講じられていること。ただし、電波を発射しない時間帯にあっては、当該措置を解除することができる。この場合にあっては、電波発射前に取扱者以外の者の退出を確認しなければならない。
三 五・七GHz帯の周波数の電波を使用する無線電力伝送用構内無線局
1 第一項第一号に掲げる条件
別表第一号 減衰量の値の表
周波数 | 減衰量 |
916.7MHz以上920.9MHz以下 | 10デシベル |
2.4GHz帯 | 14デシベル |
5.7GHz帯 | 16デシベル |
別表第二号 電波の強度の値の表
周波数 | 電界強度の実効値 E[V/m] | 磁界強度の実効値 H[A/m] | 電力束密度 S[mW/cm2] |
2.4GHz帯及び5.7GHz帯 | 137 | 0.365 | 5 |
注1 電界強度、磁界強度及び電力束密度は、それらの6分間における平均値とする。
注2 同一の運用空間の複数の無線局が電波を同時に発射する場合又は一の無線局が複数の電波を同時に発射する場合は、電界強度及び磁界強度については各周波数の表中の値に対する割合の自乗和の値、また電力束密度については各周波数の表中の値に対する割合の和の値がそれぞれ1を超えてはならない。