○昭和六十三年郵政省告示第八百七十四号(無線設備規則第四十五条の十二の六第三号イ(7)及び第五号の規定に基づくATCRBSの無線局の無線設備の技術的条件)

(昭和六十三年十二月二十一日)

(郵政省告示第八百七十四号)

無線設備規則(昭和二十五年電波監理委員会規則第十八号)第四十五条の十二の六第二号(7)及び第三号の規定に基づき、ATCRBSの無線局の無線設備の技術的条件を次のように定め、昭和六十四年一月一日から施行する。

なお、昭和五十一年郵政省告示第二百三十二号(ATCRBSの無線局の無線設備の技術的条件を定める件)は、廃止する。

一 SSRは次の技術的条件に適合するものであること。

1 他のSSRの質問信号に対する応答信号による妨害をなるべく除去できるものであること。

2 連続波の強度は、なるべく(-)七六デシベル(一ワツトを〇デシベルとする。)以下であること。

3 受信装置の条件

区別

条件

感度

水平面における空中線の絶対利得が二一デシベルであつて、かつ、給電線の損失が三デシベルの場合において、入力端子に応答信号を加えたとき、タンジエンシヤル信号出力(パルス変調をされた信号を受信装置の入力端子に加えたときの出力であつて、当該受信装置の検波器の入力を二乗特性を有する測定用検波器で検波し、その出力をAスコープで測定したとき、当該出力の雑音のせん頭包絡線とパルスのせん頭包絡線(当該パルスの初期に起こる過渡的な部分を除く。)とが一致するときのものをいう。以下同じ。)となるときの当該応答信号のせん頭電力は、次に掲げる式により求められる値以下

-85+20log(370.4/R)デシベル(1ミリワツトを0デシベルとする。)

Rは、当該SSRの最大距離レンジ(単位キロメートル)とする。

一信号選択度

通過帯域幅

受信装置の最大感度の点に比して三デシベル高い値の応答信号を入力端子に加えた場合において、タンジエンシヤル信号出力となるときの幅が一、〇九〇MHzから(±)三MHz以上

 

減衰量

モードA又はモードCの質問信号等を送信することができるSSRにあつては、一、〇九〇MHzから(±)一二MHzの周波数の応答信号を入力端子に加えた場合において、タンジエンシヤル信号出力となるときの当該応答信号のせん頭電力が受信装置の最大感度の点に比して四〇デシベル以上

 

スプリアス・レスポンス

なるべく六〇デシベル以上

感度抑圧の特性

モードA又はモードCの質問信号等を送信することができるSSRにあつては、感度は、モードA又はモードCの質問信号のパルスP3の発射後一五・三六マイクロ秒を経過した時刻において、受信装置の最大感度の点に比して一〇デシベル以上五〇デシベル以下に抑圧されること。この場合において、抑圧された感度の回復の割合は、なるべく時間の二乗に比例すること。

4 質問信号を送信する空中線は、水平面における主ふく射の角度の幅がなるべく四度以下となるものであり、かつ、主ふく射以外の最大ふく射が主ふく射方向の最大値よりなるべく二四デシベル以下となるものであること。

5 監視装置は次の条件に合致すること。ただし、一次レーダー(決定しようとする位置から反射される無線信号と基準信号との比較を基礎とする無線測位の設備をいう。)と組み合わせて使用する場合にあつては、(一)については当該一次レーダーにより監視することができる。

(一) 距離及び方位の精度を監視することができること。

(二) 発射されたパルスのパルス間隔及び相対的振幅がそれぞれの許容値を超える場合は、なるべくその旨を表示することができること。

6 モードS、モードA/C一括及びモードA/C/S一括の質問信号等を送信することができるSSRにあつては、モードSの質問信号のデータブロツクの様式は、別図第一号に示すものであること。

二 ATCトランスポンダは、その航空機の航行中における通常の状態において、次のいずれかの技術的条件に適合するものであること。

1 モードSの質問信号に対して応答できないもの

(一) 動作試験のための信号の特性は、次の表に定める条件に合致すること(動作試験装置を有する場合に限る。)。

区別

条件

パルスの特性

無線設備規則別図第七号の質問信号の特性(モードA及びモードCの質問信号に係るものに限る。)に同じ。

送信回数

毎秒二四〇回以下

せん頭電力

空中線の入力端子において(-)四〇デシベル(一ミリワツトを〇デシベルとする。)以下

(二) 受信装置の条件

区別

条件

一信号選択度

減衰量

一、〇三〇MHzから(±)二五MHzの周波数のモードA又はモードCの質問信号を入力端子に加えた場合において、応答率が九〇パーセントとなるときの当該質問信号のパルスP1せん頭電力が受信装置の最大感度の点に比して六〇デシベル以上

 

スプリアス・レスポンス

六〇デシベル以上

干渉抑圧の特性

干渉抑圧機能を有するものにあつては、次のとおりであること。

一 干渉抑圧信号(航空機に設置された他の無線設備から受ける干渉を抑圧するための信号をいう。以下同じ。)を当該信号の入力端子に加えた場合において、低下した感度が当該受信装置の最大感度の点に比して三デシベル高い値に回復するまでの時間は、当該信号を加えたときから一五マイクロ秒以内

二 干渉抑圧信号(衝撃係数(パルス幅とパルス周期との比をいう。)は、〇・〇四五とする。)を一の入力端子に加えた場合において、干渉抑圧時間が二、五〇〇マイクロ秒以下

(三) 空中線の指向特性は、地平面上にある四分の一波長の単一型の空中線の指向性とほぼ等価であること。

2 モードSの質問信号に対して応答できるもの

(一) 次のいずれかの条件に適合するものであること。

(1) 質問信号に応答するほか、〇・八秒以上一・二秒以下の間隔において一回、無線設備規則別図第八号の二に示す信号を送信すること。この場合において、ダイバシティを有するものにあつては、当該信号を二の空中線から交互に送信すること。

(2) 航空機内の機器から機体識別、位置、速度及び経路に関する情報を得た場合においては、(1)の条件に適合するほか、無線設備規則別図第八号の二に示す信号を一秒間の平均で六・二回以下送信するものであること。この場合において、ダイバシティを有するものにあつては、次のいずれかの条件に適合するものであること。

ア 航空機が飛行中の場合は、同図に示す信号を二の空中線から交互に送信すること。

イ 航空機が地上にある場合は、同図に示す信号を機体の上部に取り付けられた空中線から送信すること。ただし、使用する空中線についてSSRから指示があつた場合は当該指示に従うこと。

(二) モードSの質問信号に対する応答信号のデータブロツクの様式は、別図第二号に示すものであること。

(三) モードSの質問信号に対する応答能力は、別表に掲げるレベル1からレベル5までのいずれかのものであること。ただし、国際航空に従事する航空機の航空機局のATCトランスポンダについては、レベル2からレベル5までのいずれかのものであること。

(四) ACASを合わせて装備する場合にあつては、無線設備規則第四十五条の十二の六第三号ロ(2)に掲げるモードSの質問信号に対する応答回数のうち、毎秒三回以上を別図第二号に掲げる様式番号0又は16の様式を用いた応答信号による応答とすることが可能であること。

(五) 動作試験の条件

(1) 動作試験のための信号の特性は、次の表に定める条件に合致すること(動作試験装置を有する場合に限る。)。

区別

条件

パルスの特性

無線設備規則別図第七号の質問信号の特性(モードA/C一括及びモードSの質問信号に係るものに限る。)に同じ。

送信回数

モードA/C一括の質問信号の場合、毎秒二四〇回以下

せん頭電力

空中線の入力端子において(-)四〇デシベル(一ミリワツトを〇デシベルとする。)以下

(2) 動作試験中における不要応答の発生は、一〇秒間の平均で一回以下であること。

(六) 受信装置の条件

区別

条件

一信号選択度

減衰量

モードA又はモードCの質問信号に対する減衰量の特性は二の1に同じ。

 

スプリアス・レスポンス

なるべく六〇デシベル以上

(七) 空中線の条件

(1) 空中線の指向特性は、地平面上にある四分の一波長の単一型の空中線の指向性とほぼ等価であること。

(2) ダイバシテイを有するものは、次の条件に適合すること。

ア 空中線は、航空機の機体の上部及び下部に取り付けること。

イ 機体の上部に取り付けられた空中線と機体の下部に取り付けられた空中線との間の水平距離は、七・六メートル以下であること。

ウ 空中線は、なるべく機体の中心線に近い位置に取り付けること。

エ 水平面内における電界の障害が最小になるような位置に取り付けること。

オ 二の空中線が同時に質問信号を受信した場合には、その信号の強度が強い方を選択することとし、当該質問信号に対する応答信号を送信する場合には、同一の空中線を用いること。

カ 選択されなかつた空中線の入力端子における応答信号は、選択された空中線の入力端子における応答信号より二〇デシベル以上小さいこと。

キ 給電線の損失がそれぞれ三デシベルの場合において、それぞれの空中線の入力端子に、モードSの質問信号(質問信号のせん頭電力は、当該受信装置の最大感度から六デシベル高い点から(-)一八デシベル(一ミリワツトを〇デシベルとする。)までの範囲とする。)を加えたとき、応答遅延差は、〇・〇八マイクロ秒以下であること。

3 国際民間航空条約第十附属書第八十五改訂の条件を満足する無線設備にあつては、モードA及びモードCの質問信号P1の二・〇±〇・一五マイクロ秒以前にS1パルスが検出されたときは次の条件を満足すること。

(一) 信号検出しきい値を上回るパルスS1及びパルスP1の場合、ATCトランスポンダの応答動作が抑圧されること。

(二) 信号検出しきい値と同等のパルスP1及び信号検出しきい値と同等のパルスS1の場合、モードA及びモードCの質問に対する応答が十パーセントを超えないよう、ATCトランスポンダの応答動作が抑圧されること。

(三) 信号検出しきい値と同等のパルスP1及び信号検出しきい値から三デシベル低下した値のパルスS1の場合、ATCトランスポンダはモードA及びモードCの質問に対して少なくとも七十パーセント以上応答すること。

(四) 信号検出しきい値と同等のパルスP1及び信号検出しきい値から六デシベル低下した値のパルスS1の場合、ATCトランスポンダはモードA及びモードCの質問に対して少なくとも九十パーセント以上応答すること。

注1 抑圧動作は、パルスS1及びパルスP1の検出によるものであり、パルスP2又はパルスP3の検出は必要としない。

注2 パルスS1の振幅は、パルスP1の振幅よりも小さいものであること。

注3 この条件は、パルスS1がインターモード質問の前に配置される場合、モードA及びモードCのみに対応するトランスポンダに対しても適用する。

三 前各項に定めるもののほか、ATCRBSの無線局の無線設備の技術的条件については、国際民間航空条約第十附属書第四巻の定めるところによる。

(平二〇総省告二九〇・平二二総省告三一五・平二三総省告二〇三・一部改正)

別図第一号 SSRの質問信号のデータブロツクの様式

(平2郵告565・一部改正)

画像画像

別図第二号 モードSの質問信号に対して応答できるATCトランスポンダの応答信号のデータブロツクの様式

(平2郵告565・平20総省告290・平22総省告315・平23総省告203・一部改正)

画像画像

別表 応答能力の種類

(平22総省告315・平23総省告203・一部改正)

種類

応答能力

レベル 1

1 モードAの質問信号に対して応答可能であること。

2 モードCの質問信号に対して応答可能であること。

3 モードA/C/S一括の質問信号に対して応答可能であること。

4 モードSの質問信号に対して、別図第二号に掲げる様式番号4、5及び11の様式を用いた応答信号により応答可能であること。

5 モードSの質問信号に対して、データブロツクが56ビツトの長さの応答信号により、1.6ミリ秒間において4回以上、当該1.6ミリ秒間を含む25ミリ秒間において8回以上及び当該25ミリ秒間を含む100ミリ秒間において18回以上応答可能であること。

レベル 2

1 レベル1に示す応答能力(5を除く。)を有すること。

2 モードSの質問信号に対して、別図第二号に掲げる様式番号20及び21の様式を用いた応答信号により応答可能であること。

3 モードSの質問信号に対して、データブロツクが56ビツト又は112ビツトの長さの応答信号により、1.6ミリ秒間において4回以上(うちデータブロツクが112ビツトの長さの応答信号による応答(以下「ロング応答」という。)は2回以上)、当該1.6ミリ秒間を含む25ミリ秒間において8回以上(うちロング応答は4回以上)及び当該25ミリ秒間を含む100ミリ秒間において18回以上(うちロング応答は6回以上)応答可能であること。

4 無線設備規則第45条の12の6第3号ロ(2)に掲げるモードSの質問信号に対する応答回数のうち、毎秒16回以上をロング応答とすることが可能であること。

レベル 3

1 レベル2に示す応答能力を有すること。

2 モードSの質問信号に対して、別図第二号に掲げる様式番号24の様式を用いた応答信号により応答可能であること。ただし、拡張メツセージ(注1)による応答は行わないこと。

レベル 4

1 レベル3に示す応答能力を有すること。

2 拡張メツセージ(注1)による応答が可能であること。

レベル 5

1 レベル4に示す応答能力(レベル2の項応答能力の欄の3及び4を除く。)を有すること。

2 モードSの質問信号に対して、別図第二号に掲げる様式番号20、21及び24の様式を用いた応答信号により、最大16の相手に対し個別かつ同時に通信できること。

3 モードSの質問信号に対して、データブロツクが56ビツト又は112ビツトの長さの応答信号により、1.6ミリ秒間において4回以上(うちロング応答は2回以上)、当該1.6ミリ秒間を含む25ミリ秒間において8回以上(うちロング応答は6回以上)及び当該25ミリ秒間を含む100ミリ秒間において18回以上(うちロング応答は9回以上)応答可能であること。

4 無線設備規則第45条の12の6第3号ロ(2)に掲げるモードSの質問信号に対する応答回数のうち、毎秒24回以上をロング応答とすることが可能であること。

注1 拡張メツセージとは、様式番号24のデータブロツクを2以上連続したものをいう。

注2 SI能力を有するATCトランスポンダの応答能力には、接尾辞として「s」を付すこと。

無線設備規則第四十五条の十二の六第三号イ(7)及び第五号の規定に基づくATCRBSの無線...

昭和63年12月21日 郵政省告示第874号

(平成23年5月31日施行)

体系情報
第1編 法  令(令和5年1月1日現在)/第11章 情報通信/第2節 
沿革情報
昭和63年12月21日 郵政省告示第874号
平成2年9月18日 郵政省告示第565号
平成20年5月12日 総務省告示第290号
平成22年8月26日 総務省告示第315号
平成23年5月31日 総務省告示第203号