○昭和六十二年郵政省告示第三百二号(無線設備規則第四十九条の十第二号の規定に基づく地域防災無線通信を行う無線局が装置する制御装置の制御信号の構成及び制御の手順)
(昭和六十二年四月二十五日)
(郵政省告示第三百二号)
無線設備規則(昭和二十五年電波監理委員会規則第十八号)第四十九条の十第二号の規定に基づき、地域防災無線通信を行う無線局が装置する制御装置の制御信号の構成及び制御の手順を次のように定める。
一 制御信号の構成
1 回線接続信号
(一) 回線接続信号の構成は、別図第一号のとおりとする。
(二) ビツト同期信号は、「一」と「〇」が交互に並んだ五〇ビツトの符号から成るものとし、回線接続信号が連続して送信される場合の二回目以降は一六ビツトとする。
(三) フレーム同期信号は、「一一一一〇一一〇〇一〇一〇〇〇〇」とする。
(四) データは、別図第二号のとおり並べられたコードから成る符号を次の生成式によりハーゲルバーガー符号に変換したものとする。
ただし、Xiは第i番目の符号、Y2i―1、Y2iはそれぞれ第2i―1番目、第2i番目のハーゲルバーガー符号とする。
2 中継局選択信号
(一) 中継局選択信号の構成は、別図第三号のとおりとする。
(二) ビツト同期信号は、「一」と「〇」が交互に並んだ五〇ビツトの符号から成るものとする。
(三) フレーム同期信号は、「一一一一〇一一〇〇一〇一〇〇〇〇」とする。
(四) データは、別図第四号のとおり並べられたコードから成る符号を次の生成式によりハーゲルバーガー符号に変換したものとする。
ただし、Xiは第i番目の符号、Y2i―1、Y2iはそれぞれ第2i―1番目、第2i番目のハーゲルバーガー符号とする。
3 送信局識別信号
(一) 送信局識別信号の構成は、別図第五号のとおりとする。
(三) データは、別図第六号のとおり並べられたコードから成る符号を次の生成式によりハーゲルバーガー符号に変換したものとする。
ただし、Xiは第i番目の符号、Y2i―1、Y2iはそれぞれ第2i―1番目、第2i番目のハーゲルバーガー符号とする。
4 制御信号は、別図第七号に示すタイミングにより送信するものとする。
二 基地局の制御の手順
接続の動作は、次に掲げるものであること。
1 電源投入動作
制御用チヤネルに設定し、待受動作に入る。
2 待受動作
(一) 受信要求(フレーム同期信号が一六ビツトのうち一五ビツト以上が一致した状態をいう。以下同じ。)があつた場合は、コード検定動作に入る。
(二) 発呼要求があつた場合は、発呼動作に入る。
3 コード検定動作
システムコード及び選択呼出コードが、あらかじめ設定されているものに一致する場合は、コマンドコードの指定に従い、緊急連絡受信動作又は一般通信受信動作に入る。
4 緊急連絡受信動作
直ちに応答を行う場合は、発呼を行つた者にACK信号を返送し、統制通信等発呼動作に入る。それ以外の場合は、発呼を行つた者にNAK信号を返送し、待受動作に戻る。
5 一般通信受信動作
次のいずれかに該当する場合は、待受動作に戻る。それ以外の場合は、一般通信動作に入る。
(一) 通話用チヤネルに空きチヤネル(受信機入力電圧がしきい値(〇・一七八マイクロボルトから一・七八マイクロボルトまでの範囲で任意に設定された値をいう。)以下のチヤネルをいう。以下同じ。)がないとき。
(二) 再発呼信号を受信できない状態が五秒(偏差は(+)〇・五秒から(-)〇秒)継続したとき。
6 発呼動作
一斉通報又は統制通信の要求があつた場合は、統制通信等発呼動作に入る。それ以外の場合は、一般通信発呼動作に入る。
7 統制通信等発呼動作
(一) 一斉通報用チヤネルを使用する捕捉信号の送信時間は、二五秒(偏差は(±)二秒)又は一八五秒(偏差は(±)二秒)とする。
(二) 通信していない状態が一七〇秒(偏差は(±)二秒)継続した場合は、送信局識別信号を送信する。
(三) 終了要求があつた場合は、終了信号を送信し、待受動作に戻る。
8 一般通信発呼動作
次のいずれかに該当する場合は、待受動作に戻る。それ以外の場合は、一般通信動作に入る。
(一) 空きチヤネルの選定中に発呼中止要求があるとき。
(二) 応答なしの状態が五秒(偏差は(+)〇・五秒から(-)〇秒)継続したとき。
(三) 通話用チヤネルに空きチヤネルがないとき。
9 一般通信動作
次のいずれかに該当する場合は、待受動作に戻る。
(一) 通話用チヤネル又は中継用チヤネルに設定後、通信が三〇秒(偏差は(±)二秒)以内に開始されないとき。
(二) 通信開始後、通信していない状態が一〇秒(偏差は(±)二秒)継続したとき(自系の個別通信に限る。)。
(三) 通信状態が一八〇秒(偏差は(±)二秒)継続したとき。
(四) 終了要求があつたとき又は終了信号を受信したとき。
10 1から9までの一連の制御のフローチヤートは、別図第八号及び別図第九号に示すものと同等のものであること。
三 陸上移動局の制御の手順
接続の動作は、次に掲げるものであること。
1 電源投入動作
制御用チヤネルに設定し、待受動作に入る。
2 待受動作
(一) 受信要求があつた場合は、コード検定動作に入る。
(二) 発呼要求があつた場合は、発呼動作に入る。
3 コード検定動作
システムコード及び選択呼出コードが、あらかじめ設定されているものに一致する場合は、コマンドコードの指定に従い、統制通信等受信動作又は一般通信受信動作に入る。
4 統制通信等受信動作
次のいずれかに該当する場合は、待受動作に戻る。
(一) 通信していない状態が一八〇秒(偏差は(±)二秒)継続するとき。
(二) 終了信号を受信したとき。
5 一般通信受信動作
次のいずれかに該当する場合は、待受動作に戻る。それ以外の場合は、一般通信動作に入る。
(一) 通話用チヤネルに空きチヤネルがないとき。
(二) 再発呼信号を受信できない状態が五秒(偏差は(+)〇・五秒から(-)〇秒)継続したとき。
6 発呼動作
緊急連絡の要求があつた場合は、緊急連絡発呼動作に入る。それ以外の場合は、一般通信発呼動作に入る。
7 緊急連絡発呼動作
次のいずれかに該当する場合は、待受動作に戻る。
(一) ACK信号又はNAK信号を受信したとき。
(二) (一)以外で、発呼信号の送信を十一回行つたとき。
8 一般通信発呼動作
次のいずれかに該当する場合は、待受動作に戻る。それ以外の場合は、一般通信動作に入る。
(一) 空きチヤネルの選定中に発呼中止要求があるとき。
(二) 応答なしの状態が五秒(偏差は(+)〇・五秒から(-)〇秒)継続したとき。
(三) 通話用チヤネルに空きチヤネルがないとき。
9 一般通信動作
(一) 指定のチヤネルに設定後又はモニタ動作から復帰後、二〇秒以内にモニタ動作に入る(音声通信に限る。)。
(二) 次のいずれかに該当する場合は、モニタ動作に入る。
(1) 通信開始後、通信していない状態が一〇秒(偏差は(±)二秒)継続するとき(自系の個別通信に限る。)。
(2) 通信状態が一八〇秒(偏差は(±)二秒)継続したとき。
(3) 終了要求があつたとき又は終了信号を受信したとき。
10 モニタ動作
システムコード、選択呼出コード及びコマンドコードが、あらかじめ設定されたものに一致する場合は、統制通信等受信動作に入る。それ以外の場合は、一般通信動作又は待受動作に戻る。
11 1から10までの一連の制御のフローチヤートは、別図第十号及び別図第十一号に示すものと同等のものであること。
四 陸上移動中継局の制御の手順
1 制御用チヤネル及び中継制御用チヤネルにおける接続の動作は、次に掲げるものであること。
(一) 電源投入動作
待受動作に入る。
(二) 待受動作
受信要求があつた場合は、コード検定動作に入る。
(三) コード検定動作
システムコード、中継受信コード、中継行先コード及び識別コードがあらかじめ設定されているものに一致する場合は、コマンドコードの指定に従い、統制通信等中継動作、緊急連絡中継動作又は一般通信中継動作に入る。それ以外の場合は、待受動作に戻る。
(四) 統制通信等中継動作
指定の中継用チヤネルを割り当てた場合は、待受動作に戻る。
(五) 緊急連絡中継動作
次のいずれかに該当する場合は、待受動作に戻る。
(1) 発呼信号を送信後、ACK信号又はNAK信号を受信したとき。
(2) 応答なしの状態が二秒(偏差は(+)〇・五秒から(-)〇秒)継続したとき。
(六) 一般通信中継動作
次のいずれかに該当する場合は、待受動作に戻る。
(1) 中継用チヤネルに空きチヤネルがないとき。
(2) 応答なしの状態が二秒(偏差は(+)〇・五秒から(-)〇秒)継続したとき。
(3) 中継用チヤネルを割り当てたとき。
(七) (一)から(六)までの一連の制御のフローチヤートは、別図第十二号、別図第十三号及び別図第十四号に示すものと同等のものであること。
2 一斉通報用チヤネルにおける接続の動作は、次に掲げるものであること。
(一) 電源投入動作
待受動作に入る。
(二) 待受動作
捕捉信号送信要求があつた場合は、通信動作に入る。
(三) 通信動作
捕捉信号を二五秒(偏差は(±)二秒)又は一八五秒(偏差は(±)二秒)送信し、待受動作に戻る。
(四) (一)から(三)までの一連の制御のフローチヤートは別図第十五号に示すものと同等のものであること。
3 中継用チヤネル及びリンク用チヤネルにおける接続の動作は、次に掲げるものであること。
(一) 電源投入動作
待受動作に入る。
(二) 待受動作
中継用チヤネルが割り当てられた場合は、通信動作に入る。
(三) 通信動作
次のいずれかに該当する場合は、待受動作に戻る。それ以外の場合は、中継動作に入る。
(1) 通信の開始が三〇秒(偏差は(±)二秒)以内に行われないとき。
(2) 通信していない状態が一〇秒(偏差は(±)二秒)継続したとき(自系の個別通信に限る。)。
(3) 通信していない状態が一八〇秒(偏差は(±)二秒)継続したとき(自系の個別通信を除く。)。
(4) 中継局選択信号の中継受信コード及び中継行先コードが、あらかじめ設定された組合せと一致しないとき。
(四) 中継動作
(1) 送信の最後に送信局識別信号を受信した場合は、各チヤネルの中継を停止し、通信動作に戻る。
(2) 次のいずれかに該当する場合は、待受動作に戻る。
ア 通信状態が一八〇秒(偏差は(±)二秒)継続したとき(一斉通報又は統制通信を除く。)。
イ 終了信号を受信したとき。
(五) (一)から(四)までの一連の制御のフローチヤートは、別図第十六号に示すものと同等のものであること。
別図第一号 回線接続信号の構成
別図第二号 回線接続信号のデータの構成
区分 | システムコード | 信号長コード | 制御コード | 選択呼出コード | チヤネル指定コード | 中継受信コード | 中継行先コード | 識別コード | コマンドコード | 自局コード | 地域コード | 検定コード |
ビット数 | 16 | 4 | 4 | 12 | 12 | 8 | 8 | 8 | 16 | 12 | 4 | 8 |
注1 各コードは、左側を二進数の上位のけたとする。
注2 「システムコード」は、JIS―C6260による2けたの都道府県コードを万の位及び千の位とし、JIS―C6261による3けたの市区町村コードを百の位、十の位及び一の位として並べた5けたの数字を二進数で表したものとする。
注3 「信号長コード」は、ハーゲルバーガー処理を行う前の信号長のバイト数を二進数で表したものとする。
注4 「制御コード」は、制御の項目によつて次の表に示すとおりとし、これ以外のパターンは予備とする。
制御の項目 | パターン | 制御の項目 | パターン | 制御の項目 | パターン |
発呼 | 0000 | 再発呼 | 0100 | 開始(通信開始) | 0111 |
捕捉(1) (捕捉モード1) | 0001 | ACK(肯定応答) | 0101 | 終了(通信終了) | 1000 |
捕捉(2) (捕捉モード2) | 0010 | NAK(否定応答) | 0110 | 監視要求 | 1011 |
捕捉(3) (捕捉モード3) | 0011 |
|
注5 「選択呼出コード」は12ビツト構成とする。発信局送出信号の場合は一斉、グループ又は個別番号とし、受信局送出の場合は発信局の個別番号とする。
注6 「チヤネル指定コード」は、次のとおり構成する。
チャネル指定コード | |||||||||||
11 | 10 | 9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | 0 |
予備ビット | 帯域指定ビット | チャネルビット |
(1) 予備ビットは、「00」とする。
(2) 帯域指定ビットは、帯域指定番号Sを二進数で表したものとする。Sの値は、ローバンド指定のときは1とし、ハイバンド指定のときは2とする。
(3) チャネルビットは、チャネル番号Nを二進数で表したものとする。Nの値は、中継用チャネルのときは0~31、一斉通報用チャネルのときは32~39、通信用チャネルのときは40~69とする。
(4) 基地局及び陸上移動局の送信周波数Ft及び受信周波数Frは、次式により与えられる。
(5) 陸上移動中継局に対する発呼又は緊急連絡を行う場合は、全ビットを「0」とする。
注7 「中継受信コード」及び「中継行先コード」は、それぞれ8ビツトずつを割り当て、各ビツトを中継局番号に対応させる。各ビツトは「1」のときは対象局とし、「0」のときは非対象局とする。直接通信の場合は、「中継受信コード」及び「中継行先コード」の全ビツトを「0」とする。
中継受信コード | 中継行先コード | ||||||||||||||
7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | 0 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | 0 |
No.8 | No.7 | No.6 | No.5 | No.4 | No.3 | No.2 | No.1 | No.8 | No.7 | No.6 | No.5 | No.4 | No.3 | No.2 | No.1 |
注8 「識別コード」は、次のとおり構成する。
識別コード | |||||||
7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | 0 |
予備ビット | *1 | *2 | *3 | *4 |
*1 基地局制御識別ビット
*2 他系通信識別ビット
*3 中継局送信識別ビット
*4 リンク中継識別ビット
(1) 予備ビットは、「000」とする。
(2) 基地局制御識別ビットは、通常モードのときは「00」とし、帯域指定解除を行うときは「10」とし、帯域指定解除後に通常モードに戻すときは「01」とする。陸上移動局の基地局制御識別ビットは、常時「00」とする。
(3) 他系通信識別ビットは、他系通信のときは「1」とし、自系通信のときは「0」とする。
(4) 中継局送信識別ビットは、中継局送信のときは「1」とし、基地局又は陸上移動局送信のときは「0」とする。
(5) リンク中継識別ビットは、リンク中継区間のときは「1」とし、リンク中継区間以外のときは「0」とする。
注9 「コマンドコード」は、次のとおり構成する。
コマンド | |||||||||||||||
15 | 14 | 13 | 12 | 11 | 10 | 9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | 0 |
パスワード | 通信種別 |
(1) パスワードは、一般通信のときは12ビツトすべてを「0」とし、統制通信、緊急連絡及び一斉通報のときは、システムごとに任意に設定された特定パターンとする。
(2) 通信種別は、次のとおりとし、これ以外のパターンは予備とする。
通信種別 | パターン | 通信種別 | パターン | 通信種別 | パターン |
音声通信 | 0000 | データ通信 | 0001 | ファクシミリ通信 | 0010 |
注10 「自局コード」は、送信局の個別番号とし、BCD3けた(12ビツト)で構成する。
注11 「地域コード」は、システムごとに割り当てられる周波数ブロック番号Kを二進数で表したものとする。なお、一斉通報用チャネル周波数FC1は、次式により与えられる。
FC1=848-(33+K)×0.025MHz (0≦K≦7)
FC1=848+(25+K)×0.025MHz (8≦K≦15)
注12 「検定コード」は、8ビツトのCRCコードとし、その生成多項式G(X)は次のとおりとする。
G(X)=X8+X4+X3+X2+1
別図第三号 中継局選択信号の構成
別図第四号 中継局選択信号のデータの構成
区分 | システムコード | 信号長コード | 制御コード | 中継受信コード | 中継行先コード | 検定コード |
ビツト数 | 16 | 4 | 4 | 8 | 8 | 8 |
注1 別図第二号注1、2、3、7及び12によること。
注2 「制御コード」は、「1001」とする。
別図第五号 送信局識別信号の構成
別図第六号 送信局識別信号のデータの構成
区分 | システムコード | 信号長コード | 制御コード | 自局コード | 呼出名称コード | 検定コード |
ビット数 | 16 | 4 | 4 | 12 | 28 | 8 |
注1 別図第二号注1、2、3、10及び12によること。
注2 「制御コード」は、「1010」とする。
注3 「呼出名称コード」は、無線設備規則第9条の2の規定により装置した呼出名称記憶装置に書き込まれた呼出名称とする。
別図第七号 制御信号の送信タイミング
1 回線接続信号
ただし、中継用チャネルにより開始信号又は終了信号を送信する場合は、次のとおりとする。
2 中継局選択信号(中継用チャネルを使用する場合に限る。)
3 送信局識別信号
別図第八号 基地局の接続の動作のフローチャート
別図第九号 基地局の接続の動作のフローチャート
別図第十号 陸上移動局の接続の動作のフローチャート
別図第十一号 陸上移動局の接続の動作のフローチャート
別図第十二号 陸上移動中継局の制御用チャネル及び中継制御用チャネルにおける接続の動作のフローチャート
別図第十三号 陸上移動中継局の制御用チャネル及び中継制御用チャネルにおける接続の動作のフローチャート
別図第十四号 陸上移動中継局の制御用チャネル及び中継制御用チャネルにおける接続の動作のフローチャート
別図第十五号 陸上移動中継局の一斉通報用チャネルにおける接続の動作のフローチャート
別図第十六号 陸上移動中継局の中継用チャネル及びリンク用チャネルにおける接続の動作のフローチャート