○平成九年郵政省告示第百二十一号(無線設備規則第十四条第三項及び第四十九条第三号の規定に基づく衛星測位誤差補正情報を提供する無線航行陸上局の無線設備の技術的条件)
(平成九年三月二十四日)
(郵政省告示第百二十一号)
無線設備規則(昭和二十五年電波監理委員会規則第十八号)第十四条第三項及び第四十八条の三第三号の規定に基づき、衛星測位誤差補正情報を提供する無線航行陸上局の無線設備の技術的条件を次のように定める。
一 一般的条件
1 次の情報を送信できるものであること。
(一) GPS(全地球的衛星航法システムをいう。以下同じ。)の衛星の電波を受信して得られる測位誤差を測定する地点の位置
(二) GPSの衛星の状態に関する情報
(三) GPSのヌル情報(送信すべき情報がないとき又は情報の送信の開始を調整するときに送る情報をいう。以下同じ。)
(四) 無線航行陸上局のアルマナックデータ(近隣の無線航行陸上局の位置、周波数、状態に関するデータをいう。以下同じ。)
(五) GPSの衛星の電波を受信して得られる測位誤差の補正に関する情報
(六) 特別情報
種別 | 種別番号 |
GPSの衛星の電波を受信して得られる測位誤差を測定する地点の位置 | 三 |
GPSの衛星の状態に関する情報 | 五 |
GPSのヌル情報 | 六 |
無線航行陸上局のアルマナックデータ | 七 |
GPSの衛星の電波を受信して得られる測位誤差の補正に関する情報 | 九 |
特別情報 | 十六 |
3 試験又は調整のための情報を送信できるものであること。
二 電気的条件
1 送信信号の構成は、別図第一号から別図第六号までに示すところによるものであること。
2 空中線電力の許容値は上限一〇パーセント、下限二〇パーセントとする。
別図第一号 GPSの衛星の電波を受信して得られる測位誤差を測定する地点の位置の信号の構成(第1信号及び第2信号により構成すること。)
第1信号
注1 衛星測位誤差補正情報の種別は、次表のとおりであること。
種別番号 | 種別 | ビット表示 |
三 | GPSの衛星の電波を受信して得られる測位誤差を測定する地点の位置 | 000011 |
五 | GPSの衛星の状態に関する情報 | 000101 |
六 | GPSのヌル情報 | 000110 |
七 | 無線航行陸上局のアルマナックデータ | 000111 |
九 | GPSの衛星の電波を受信して得られる測位誤差の補正に関する情報 | 001001 |
十六 | 特別情報 | 010000 |
注2 国際航路標識協会(IALA)の分配による識別番号を使用すること。
注3 衛星誤差補正情報の基準時間を示す。各GPS時間の始めに0の値から始まり、最大値は、3,599.4秒、分解能は0.6秒であること。他の時間計算と同様に、利用者の受信装置においてGPS時間の計算に使用するものであること。
注4 衛星測位誤差補正情報の送信ごとに1増加するものとし、同期化のために使用するものであること。
注5 第2語に引き続いて「N」語が送信されることを表すものであること。
注6 「111」は正常に動作していないことを、「110」は無線航行陸上局の送信が監視されていないことを表すものであること。
第2信号
注 「ECEF」は、WGS―84座標系における地球中心・地球固定直交座標系を示すものであること。
別図第二号 GPSの衛星の状態に関する情報の信号の構成(第1信号及び第2信号により構成すること。)
第1信号
別図第一号の第1信号と同じものであること。
第2信号
各衛星につき、次のとおり1語で構成すること(各信号の条件は別表のとおりとする。)。
注 N1は、衛星の数を表すものであること。
別表 各信号の条件
信号 | ビット番号 | 条件 |
予備 | 1 | 将来、衛星の数が32個を超えたときのために使用すること。 |
衛星識別番号 | 2から6まで | 標準書式で1から32(32は全ビット「0」)を表すこと。 |
データ発行番号リンク | 7 | 「0」のとき、別図第五号の信号のエフェメリスデータ(個々の衛星の軌道情報等のデータをいう。以下同じ。)の発行番号の航法データを参照することを表すこと。 |
状態データ | 8から10まで | 衛星の航法データの状態を示すものであること。「000」のとき、全てのデータが正常であることを表し、いずれかが「1」のとき、全部又は一部が異常であることを表すこと。 |
C/N0 | 11から15まで | 基準設備で測定した衛星信号の信号対雑音比であること。単位は1〔dB-Hz〕であり、25から55〔dB―Hz〕の範囲を表す。「00000」は衛星信号を捕捉していないことを表し、「00001」は最低値の25〔dB―Hz〕、「11111」は最高値の55〔dB―Hz〕を表すこと。 |
強制的正常衛星扱い | 16 | 「1」のとき、衛星の航法データが異常を示してもDGPS利用装置は、これを無視して同データを正常とみなして良いことを表すこと。 |
新航法データ入手 | 17 | 「1」のとき、衛星の新航法データを基準設備が入手し擬似距離補正値の生成過程であることを表すこと。別図第五号の信号の順次番号を更新する予定であることを表すこと。 |
異常状態予定警報 | 18 | 「1」のとき、衛星の航法データの状態が異常となる予定であることを表すこと。正常である時間の概略は次桁からの4ビットで表すこと。 |
異常状態への時間 | 19から22まで | 18ビット参照。単位は5分であり、0から75分の範囲を表すこと。「0000」は直ちに異常となることを、「1111」は約75分後に異常となることを表すこと。 |
別図第三号 GPSのヌル情報の信号の構成(第1信号及び第2信号により構成すること。)
第1信号
別図第一号の第1信号と同じものであること。
第2信号
本信号は、何もパラメータを含まず、必要に応じて、送信を連続させ、回線の維持に使用するものであること。この信号を送信する目的は、無線航行陸上局が送信すべき情報を用意できていないとき、又は、情報の送信の開始時期を調整したいときに用いるものであること。
本信号は、他の送信信号の構成と同様に、送信語数を偶数にするか奇数にするかにより、送付予定語数をN=「0」又は「1」とした最初の2語を含むものであること。N=「1」のとき、最初の2語に続く語の中の24桁のデータビットは「1」、「0」の交互のデータでなければならない。誤り検定符号は他の送信信号の構成と同様に、正常に動作するものでなければならない。
別図第四号 無線航行陸上局のアルマナックデータの信号の構成(第1信号及び第2信号により構成すること。)
第1信号
別図第一号の第1信号と同じものであること。
第2信号
注1 ”+”の値は、緯度の場合は北緯を、経度の場合は東経を示すものであること。
注2 単位は100Hzであること。
注3 無線航行陸上局の状態は、次表のとおりであること。
ビット表示 | 番号 | 状態 |
「00」 | (0) | 正常運用 |
「01」 | (1) | 非完全監視運用 |
「10」 | (2) | 提供情報無し |
「11」 | (3) | 使用不可 |
注4 国際航路標識協会(IALA)の分配による識別番号を使用すること。
注5 送信速度は、次表のとおりであること。
ビット表示 | 番号 | 送信速度 |
「001」 | (1) | 50ビット/秒 |
「010」 | (2) | 100ビット/秒 |
「101」 | (5) | 200ビット/秒 |
注6 Nbは、アルマナックデータに含まれる無線航行陸上局の数を示すものであること。
別図第五号 GPSの衛星の電波を受信して得られる測位誤差の補正に関する情報の信号の構成(第1信号から第3信号までにより構成すること。)
第1信号
別図第一号の第1信号と同じものであること。
第2信号
注1 「1000000000000000」のビット表示は、問題が発生していることを示すものであること。
注2 「10000000」のビット表示は、問題が発生していることを示すものであること。
第3信号
衛星の数N1、が3で割り切れない場合は、衛星誤差の補正に関する情報を完成させるため、次の2語の内、どちらかの語で補完すること。
注 「10101010」のビット表示によること。
別図第六号 GSPの特別情報の構成(第1信号及び第2信号により構成すること。)
第1信号
別図第一号の第1信号と同じものであること。
第2信号
注1 Nは1から28までとすること。
注2 アスキーコードによること。