○平成十五年総務省告示第百五十四号(無線設備規則第四十五条の十二の三の規定による同規則第六条等の規定によることが適当でない航空機用携帯無線機の技術的条件)
(平成十五年二月二十五日)
(総務省告示第百五十四号)
無線設備規則(昭和二十五年電波監理委員会規則第十八号)第四十五条の十二の三の規定により、同規則第六条、第七条、第十四条、第四十五条の五第一項、第四十五条の八、第四十五条の十及び第四十五条の十二の規定によることが適当でない航空機用携帯無線機の技術的条件を次のように定める。
昭和五十四年郵政省告示第四百三十二号(航空機用携帯無線機の技術的条件)は廃止する。
一 一般的条件
1 小型かつ軽量であって、携帯して使用するのに適した形状であること。
2 水密であること。
3 筐体の見やすい箇所に、取扱方法その他注意事項を簡明に、かつ、容易に消えないように表示してあること。
4 取扱いについて特別な知識又は技能を有しない者にも容易に操作できること。
5 不注意による動作を防ぐ措置が施されていること。
6 電波が発射されていることを警告音、警告灯等により示す機能を有すること。
7 通常起こり得る温度の変化又は振動若しくは衝撃があった場合において、支障なく作動すること。
二 送信設備の条件
1 一二一・五MHz又は二四三MHzの周波数の電波を使用する送信装置は、次に掲げる条件に適合すること。
(1) 使用する電波の型式はA三Xであること。ただし、A三E電波を併せて具備することを妨げない。
(2) 空中線は、専用の単一型のものであって、その指向特性が水平面無指向性であり、かつ、その発射する電波の偏波面が垂直となるものであること。
(3) 空中線電力は二十五ミリワツト以上で二十四時間の期間以上連続して運用できるものであること。
(4) A三X電波を使用する場合の変調周波数は、三〇〇ヘルツから一、六〇〇ヘルツまでの間の任意の七〇〇ヘルツ以上の範囲を毎秒二ないし四回の割合で低い方に変化するものであること。
2 四〇六MHzから四〇六・一MHzまでの周波数の電波を使用する送信装置は、次に掲げる条件に適合すること。
(1) 前号に掲げる一二一・五MHz又は二四三MHzの周波数の電波を発射することができること。
(2) 使用する電波の型式はG一Bであること。
(3) 空中線電力は五ワツトとし、その許容偏差は(±)二デシベル以内であること。
(4) 無線設備規則第四十五条の二第一項第二号イ及び同項第三号イに規定する条件に適合すること。
(5) 送信信号の構成は、別表に示すところによるものであること。
(6) スプリアス発射の強度の許容値は、別図に示す曲線の値とする。
(7) 送信信号誤り検定符号はBCH符号とし、その生成多項式は次のとおりとする。
ア 八六から一〇六までの二十一ビツト
G1(X)=1+X3+X7
G3(X)=G1(X)・(1+X+X2+X3+X7)
G5(X)=G3(X)・(1+X2+X3+X4+X7)
イ 一三三から一四四までの十二ビツト
G(X)=(1+X+X6)(1+X+X2+X4+X6)
=(1+X3+X4+X5+X8+X10+X12)
(8) 送信信号の伝送速度は、毎秒四〇〇ビツト(許容偏差は、一パーセントとする。)であること。
三 電源に関する条件
電池の有効期限を明示していること。
別表 406MHzから406.1MHzを使用する航空機用携帯無線機の信号の構成
無変調波160ミリ秒 | 同期符号(24)注1 | 通報形式の区分(1)注2 | 個体識別コード | 誤り検定符号1(21) | 通報 | |||||
識別表示の種類(1)注3 | 国籍コード(10)注4 | データの種類(3)注5 | データ(44)注6 | 誘導装置の種類(2)注7 | (6)注8 | (38)注9 | ||||
ビツトの位置 | 1~24 | 25 | 26 | 27~36 | 37~39 | 40~83 | 84~85 | 86~106 | 107~112 | 107~144 |
( )内の数字はビツト数である。
注1 同期符号は、ビツト同期信号「111111111111111」とフレーム同期信号「000101111」の構成であること。
注2 通報形式の区分のビツトが「0」の場合は注8が、「1」の場合は注9が適用されること。
注3 識別表示の種類は、「1」であること。
注4 搭載航空機の国籍を、無線通信規則に定める海上識別と同一の数字で表すこと。
注5 「011」であること。
注6 データの内容は以下のとおりであること。
ア 40番目から42番目までのビツトは「110」であること。
イ 43番目のビツトは「1」とし、74番目から83番目までのビツトは航空機用携帯無線機のCOSPAS―SARSAT型式承認証明番号を表すこと。
ウ 44番目から63番目までのビツトは、航空機用携帯無線機の製造番号を表すこと。
エ 64番目から73番目までのビツトは、すべて「0」であること。
注7 誘導装置の種類は、次のとおりであること。
ア 誘導装置なし :00
イ 121.5MHzの送信機を有するもの :01
ウ その他の誘導装置を有するもの :11
注8 通報のビツトは、次のとおり使用されること。
ビツトの位置 | 内容 |
107 | 0:109番目から112番目までのビツトが非常コードを意味しないことを示す。 1:109番目から112番目までのビツトが非常コードを意味することを示す。 |
108 | 0:航空機携帯無線機が手動起動型であることを示す。 1:航空機携帯無線機が手動及び自動起動型であることを示す。 |
109 | 0:火災が発生していないことを示す。 1:火災が発生していることを示す。 |
110 | 0:医療救助が不要であることを示す。 1:医療救助が必要であることを示す。 |
111 | 0:移動可能の状態であることを示す。 1:移動不能の状態であることを示す。 |
112 | 「0」であること。 |
注9 通報のビツトは、次のとおり使用されること。
ビツトの位置 | 内容 |
107 | 0:位置データが外部の航法装置によって提供される。 1:位置データが内部の航法装置によって提供される。 |
108 | 0:北緯を示す。 1:南緯を示す。 |
109~115 | 1度単位増加の度(0度から90度)を示す。 |
116~119 | 4分単位増加の分(0分から56分)を示す。 |
120 | 0:東経を示す。 1:西経を示す。 |
121~128 | 1度単位増加の度(0度から180度)を示す。 |
129~132 | 4分単位増加の分(0分から56分)を示す。 |
133~144 | 誤り検定符号2(BCH符号) |
別図 406MHzから406.1MHzまでの周波数帯におけるスプリアス発射の強度の許容値