○平成二十三年総務省告示第三百八号(超短波音声多重放送及び超短波文字多重放送に関する送信の標準方式第五条第一項第五号及び第六条第四号の規定に基づくフレーム行列の構成及び音声信号の送出手順)
(平成二十三年六月二十九日)
(総務省告示第三百八号)
超短波音声多重放送及び超短波文字多重放送に関する送信の標準方式(平成二十三年総務省令第八十九号)第五条第一項第五号及び第六条第四号(いずれも超短波放送に関する送信の標準方式(平成二十三年総務省令第八十六号)第七条において準用する場合を含む。)の規定に基づき、フレーム行列の構成及び音声信号の送出手順を次のように定め、平成二十三年六月三十日から施行する。
なお、平成十年郵政省告示第三百九十六号(超短波音声多重放送及び超短波文字多重放送に関するフレーム行列の構成及び音声信号の送出手順を定める等の件)は、平成二十三年六月二十九日限り廃止する。
一 フレーム行列の構成
1 フレーム行列の第一列の第一行から第十八行までは、フレーム同期符号の送出のために使用するものとし、その値は、フレーム行列からの読み出し順に「〇一〇〇〇一〇〇一一〇一〇一一一一〇」とする。
2 フレーム行列の第一列の第十九行から第三十四行までは、制御符号(当該フレームの受信を補助するために送出する符号をいう。)の送出のために使用するものとし、その構成は、別表第一号に示すとおりとする。
3 フレーム行列の第百八十四列から第百九十一列までの構成は、別表第二号に示すとおりとする。
4 フレーム行列の第二列から第二百七十三列までの各行を単位とする二七二ビットの構成は、別表第三号に示すとおりとする。
二 音声信号の送出手順
1 音声信号の量子化
(一) 音声信号の標本値は、十四桁の二進数字によって表示される等間隔の音声レベル(以下「音声量子化レベル」という。)に量子化するものとする。
(二) 音声量子化レベルは、その二進数字の最上位の桁が「〇」でその他の全ての桁が「一」のとき正の最大値、全ての桁が「〇」のとき〇及び最上位の桁が「一」でその他の全ての桁が「〇」のとき負の最大値とする。
(三) 音声量子化レベルは、次の式で求められる範囲にあるものとする。
-2P-1≦Q≦2P-1-1
Pは音声量子化レベルを表す二進数字の桁数、Qは音声量子化レベルを表すものとする。
2 音声標本語
音声標本語は、1により量子化された音声信号を別表第四号に示す符号器により符号化した四桁の二進数字とする。
別表第一号
B15 B14 B13 B12 B11 B10 B9 R8 R7 R6 R5 R4 R3 R2 R1 R0 |
注
1 B15からB11までの符号の値は、「10000」とする。
2 B10の値は、音声信号を送出しているときは「1」、送出していないときは「0」とする。
3 B9の値は、文字信号を送出しているときは「1」、送出していないときは「0」とする。
4 R8からR1までの符号の値は、B15からB9までの7ビットの各符号の値を各項の係数値とした多項式B15X14+B14X13+B13X12+・・・+B9X8を生成多項式G(X)=X8+X7+X6+X4+1で除した剰余の多項式R8X7+R7X6+R6X5+・・・R2X1+R1の各項の係数値とする。
5 R0の値は、B15からR1までの各符号において「1」の数が偶数であるときは「0」、奇数であるときは「1」とする。
6 B15からR0までの符号は、B15から順に、フレーム行列の第1列の第19行から行番号順に書き込むものとする。
別表第二号
注 T81からT0までの符号の値は、D271からD82までの190ビットの各符号の値を各項の係数値とした多項式D271X271+D270X270+…+D82X82を生成多項式G(X)=X82+X77+X76+X71+X67+X56+X52+X48+X40+X36+X34+X24+X22+X18+X10+X4+1で除した剰余の多項式T81X81+T80X80+・・・+T0の各項の係数値とする。
別表第三号
注 S81からS0までの符号の値は、C271からC82までの190ビットの各符号の値を各項の係数値とした多項式C271X271+C270X270+…+C82X82を生成多項式G(X)=X82+X77+X76+X67+X66+X56+X52+X48+X40+X36+X24+X22+X18+X10+X4+1で除した剰余の多項式S81X81+S80X80+…+S0の各項の係数値とする。
別表第四号
第1 符号器の構成
符号器の構成は、次のとおりとする。
第2 符号器の各部の機能
1 符号器の入力信号及び出力信号
| 入力信号又は出力信号 | 記号 | 1語のビット数 |
入力信号 | 量子化された音声信号 | SL | 14 |
| リセット信号 | R | 1 |
出力信号 | 音声標本語 | I | 4 |
注 リセット信号は、符号器の内部の記憶装置等をあらかじめ定めた値に設定するために使用する。
2 機能の説明に使用する演算記号
機能の説明に使用する演算記号は、次のとおりとする。
<<n nビットの左シフトを示す(シフトにより空になったビットには「0」を入れる。)。
>>n nビットの右シフトを示す(シフトにより空になったビットには「0」を入れる。)。
&…論理積を示す。 +…加算を示す。 -…減算を示す。
*…乗算を示す。 **…排他的論理和を示す。
3 機能の説明に使用する変数
変数名 | ビット数 (注1、2、3) | 2進数表示 (注4、5、6、7) | リセット信号により設定される値 |
A1,A2 | 16TC | S,0,・・・・,-14 | 0 |
A1P,A2P | 16TC | S,0,・・・・,-14 |
|
A1R,A2R | 16TC | S,0,・・・・,-14 |
|
A1T | 16TC | S,0,・・・・,-14 |
|
A2T | 16TC | S,0,・・・・,-14 |
|
AL | 7SM | 0,・・・・,-6 |
|
AP | 10SM | 1,・・・・,-8 | 0 |
APP | 10SM | 1,・・・・,-8 |
|
APR | 10SM | 1,・・・・,-8 |
|
AX | 1SM | 1 |
|
B1,・・・・・,B6 | 16TC | S,0,・・・・,-14 | 0 |
B1P,・・・・,B6P | 16TC | S,0,・・・・,-14 |
|
B1R,・・・・,B6R | 16TC | S,0,・・・・,-14 |
|
D | 16TC | S,14,・・・・,0 |
|
DL | 11SM | 3,・・・・,-7 |
|
DLN | 12TC | S,3,・・・・,-7 |
|
DML | 14SM | 2,・・・・,-11 | 0 |
DMLP | 14SM | 2,・・・・,-11 |
|
DMS | 12SM | 2,・・・・,-9 | 0 |
DMSP | 12SM | 2,・・・・,-9 |
|
DQ | 15SM | S,13,・・・・,0 |
|
DQ0 | 11FL | S,4e,6m |
|
DQ1,・・・・,DQ6 | 11FL | S,4e,6m | 32 |
DQL | 12TC | S,3,・・・・,-7 |
|
DQLN | 12TC | S,3,・・・・,-7 |
|
DQS | 1TC | S |
|
DS | 1TC | S |
|
FI | 3SM | 2,・・・・,0 |
|
PK0 | 1TC | S |
|
PK1,PK2 | 1TC | S | 0 |
SE | 15TC | S,13,・・・・・,0 |
|
SEZ | 15TC | S,13,・・・・・,0 |
|
SIGPK | 1TC | 0 |
|
SL | 14TC | S,12,・・・・・,0 |
|
SR | 16TC | S,14,・・・・・,0 |
|
SR0 | 11FL | S,4e,6m |
|
SR1,SR2 | 11FL | S,4e,6m | 32 |
TD | 1TC | 0 | 0 |
TDP | 1TC | 0 |
|
TDR | 1TC | 0 |
|
TR | 1TC | 0 |
|
U1,・・・・・,U6 | 1TC | S |
|
WA1,WA2 | 16TC | S,13,・・・・,-1 |
|
WB1,・・・・,WB6 | 16TC | S,13,・・・・,-1 |
|
WI | 12TC | S,6,・・・・,-4 |
|
Y | 13SM | 3,・・・・,-9 |
|
YL | 19SM | 3,・・・・,-15 | 34816 |
YLP | 19SM | 3,・・・・,-15 |
|
YU | 13SM | 3,・・・・,-9 | 544 |
YUP | 13SM | 3,・・・・,-9 |
|
YUT | 13SM | 3,・・・・,-9 |
|
注
1 TCは、2の補数表示であることを示す。
2 SMは、符号付の絶対値表示であることを示す。
3 FLは、浮動小数点表示であることを示す。
4 eは、指数部のビット数を示す。
5 mは、仮数部のビット数を示す。
6 Sは、符号ビットを示す。
7 i,・・・,i-jの数字の列は、2iから2i-jまでのj+1桁の2進数字であることを示す。
4 差分信号計算器
差分信号計算器は、SL及び適応予測器から出力されたSEを入力して次に示す計算によりDを出力し、これを適応量子化器に入力する。
SLS=SL>>13
SES=SL>>14
D=(SLI+65536-SEI)&65535
5 適応量子化器
適応量子化器は、次の図に示す回路から構成され、差分信号計算器から出力されたD及び量子化スケールファクタ適応器から出力されたYを入力して次に示す計算によりIを出力し、これを逆適応量子化器、量子化スケールファクタ適応器及び適応速度制御器にそれぞれ入力する。
(1) LOG
LOGは、差分信号計算器から出力されたDを入力して次に示す計算によりDS及びDLを出力し、DSをQUANに、DLをSUBTBにそれぞれ入力する。
DS=D>>15
MANT=((DQM<<7)>>EXP)&127
DL=(EXP<<7)+MANT
(2) SUBTB
SUBTBは、LOGから出力されたDL及び量子化スケールファクタ適応器から出力されたYを入力して次に示す計算によりDLNを出力し、これをQUANに入力する。
DLN=(DL+4096-(Y>>2))&4095
(3) QUAN
QUANは、SUBTBから出力されたDLN及びLOGから出力されたDSを入力して次に示す表によりIを出力し、これを逆適応量子化器、量子化スケールファクタ適応器及び適応速度制御器に入力する。
DS | DLN | I(注) | |||
|
| V0 | V1 | V2 | V3 |
0 | 400―2047 | 0 | 1 | 1 | 1 |
0 | 349―399 | 0 | 1 | 1 | 0 |
0 | 300―348 | 0 | 1 | 0 | 1 |
0 | 246―299 | 0 | 1 | 0 | 0 |
0 | 178―245 | 0 | 0 | 1 | 1 |
0 | 80―177 | 0 | 0 | 1 | 0 |
0 | 0―79 | 0 | 0 | 0 | 1 |
0 | 3972―4095 | 0 | 0 | 0 | 1 |
0 | 2048―3971 | 1 | 1 | 1 | 1 |
1 | 2048―3971 | 1 | 1 | 1 | 1 |
1 | 3972―4095 | 1 | 1 | 1 | 0 |
1 | 0―79 | 1 | 1 | 1 | 0 |
1 | 80―177 | 1 | 1 | 0 | 1 |
1 | 178―245 | 1 | 1 | 0 | 0 |
1 | 246―299 | 1 | 0 | 1 | 1 |
1 | 300―348 | 1 | 0 | 1 | 0 |
1 | 349―399 | 1 | 0 | 0 | 1 |
1 | 400―2047 | 1 | 0 | 0 | 0 |
注 Iは、V0、V1、V2及びV3の4ビットからなり、V0から順番に出力される。
6 逆適応量子化器
逆適応量子化器は、次の図に示す回路から構成され、適応量子化器から出力されたI及び量子化スケールファクタ適応器から出力されたYを入力して次に示す計算によりDQを出力し、これを再生信号計算器、適応予測器及びトーン・変化点検出器に入力する。
(1) RECONST
RECONSTは、適応量子化器から出力されたIを入力して次に示す表によりDQS及びDQLNを出力し、DQSをANTILOGに、DQLNをADDAにそれぞれ入力する。
I(注) | DQS | DQLN | |||
V0 | V1 | V2 | V3 |
|
|
0 | 1 | 1 | 1 | 0 | 425 |
0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 373 |
0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 323 |
0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 273 |
0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 213 |
0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 135 |
0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 4 |
0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2048 |
1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 2048 |
1 | 1 | 1 | 0 | 1 | 4 |
1 | 1 | 0 | 1 | 1 | 135 |
1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 213 |
1 | 0 | 1 | 1 | 1 | 273 |
1 | 0 | 1 | 0 | 1 | 323 |
1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 373 |
1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 425 |
注 5の(3)の注を参照
(2) ADDA
ADDAは、RECONSTから出力されたDQLN及び量子化スケールファクタ適応器から出力されたYを入力して次に示す計算によりDQLを出力し、これをANTILOGに入力する。
DQL=(DQLN+(Y>>2))&4095
(3) ANTILOG
ANTILOGは、ADDAから出力されたDQL及びRECONSTから出力されたDQSを入力して次に示す計算によりDQを出力し、これを再生信号計算器、適応予測器及びトーン・変化点検出器に入力する。
DS=DQL>>11
DEX=(DQL>>7)&15
DMN=DQL&127
DQT=(1<<7)+DMN
DQ=(DQS<<14)+DQMAG
7 量子化スケールファクタ適応器
量子化スケールファクタ適応器は、次の図に示す回路から構成され、適応量子化器から出力されたI及び適応速度制御器から出力されたALを入力して次に示す計算によりY及びYLを出力し、Yを適応速度制御器、適応量子化器及び逆適応量子化器に、YLをトーン・変化点検出器にそれぞれ入力する。
(1) FUNCTW
FUNCTWは、適応量子化器から出力されたIを入力して次に示す計算によりWIを出力し、これをFILTDに入力する。
IS=I>>3
(2) FILTD
FILTDは、FUNCTWから出力されたWI及びMIXから出力されたYを入力して次に示す計算によりYUTを出力し、これをLIMBに入力する。
DIF=((WI<<5)+131072-Y)&131071
DIFS=DIF>>16
YUT=(Y+DIFSX)&8191
(3) LIMB
LIMBは、FILTDから出力されたYUTを入力して次に示す計算によりYUPを出力し、これをDELAY#1に入力する。
GEUL=((YUT+11264)&16383)>>13
GELL=((YUT+15840)&16383)>>13
(4) FILTE
FILTEは、LIMBから出力されたYUP及びDELAY#2から出力されたYLを入力して次に示す計算によりYLPを出力し、これをDELAY#2に入力する。
DIF=(YUP+((1048576-YL)>>6))&16383
DIFS=DIF>>13
YLP=(YL+DIFSX)&524287
(5) DELAY#1
DELAY#1は、入力した信号を一旦記憶し、入力時から125sec後に、R=0の時はこの記憶した信号を、R=1の時は3の表に示すリセット信号により設定される信号を出力する。
(6) DELAY#2
(5)に示すDELAY#1と同等の機能を有する。
(7) MIX
MIXは、適応速度制御器から出力されたAL、DELAY#1から出力されたYU及びDELAY#2から出力されたYLを入力して次に示す計算によりYを出力し、これを適応量子化器、逆適応量子化器、適応速度制御器、トーン・変化点検出器及びFILTDに入力する。
DIF=(YU+16384-(YL>>6))&16383
DIFS=DIF>>13
PRODM=(DIFM*AL)>>6
Y=((YL>>6)+PROD)&8191
8 適応速度制御器
適応速度制御器は、次の図に示す回路から構成され、適応量子化器から出力されたI、量子化スケールファクタ適応器から出力されたY並びにトーン・変化点検出器から出力されたTDP及びTRを入力して次に示す計算によりALを出力し、これを量子化スケールファクタ適応器に入力する。
(1) FUNCTF
FUNCTFは、適応量子化器から出力されたIを入力して次に示す計算によりFIを出力し、これをFILTA及びFILTBに入力する。
IS=I>>3
(2) FILTA
FILTAは、FUNCTFから出力されたFI及びDELAY#3から出力されたDMSを入力して次に示す計算によりDMSPを出力し、これをSUBTC及びDELAY#3に入力する。
DIF=((FI<<9)+8192-DMS)&8191
DIFS=DIF>>12
DMSP=(DIFSX+DMS)&4095
(3) FILTB
FILTBは、FUNCTFから出力されたFI及びDELAY#4から出力されたDMLを入力して次に示す計算によりDMLPを出力し、これをSUBTCに入力する。
DIF=((FI<<11)+32768-DML)&32767
DIFS=DIF>>14
DMLP=(DIFSX+DML)&16383
(4) DELAY#3
7の(5)に示すDELAY#1と同等の機能を有する。
(5) DELAY#4
7の(5)に示すDELAY#1と同等の機能を有する。
(6) SUBTC
SUBTCは、FILTAから出力されたDMSP、FILTBから出力されたDMLP、トーン・変化点検出器から出力されたTDP及び量子化スケールファクタ適応器から出力されたYを入力して次に示す計算によりAXを出力し、これをFILTCに入力する。
DIF=((DMSP<<2)+32768-DMLP)&32767
DIFS=DIF>>14
DTHR=DMLP>>3
(7) FILTC
FILTCは、SUBTCから出力されたAX及びDELAY#5から出力されたAPを入力して次に示す計算によりAPPを出力し、これをTRIGAに入力する。
DIF=((AX<<9)+2048-AP)&2047
DIFS=DIF>>10
APP=(DIFSX+AP)&1023
(8) TRIGA
TRIGAは、トーン・変化点検出器から出力されたTR及びFILTCから出力されたAPPを入力して次の計算によりAPRを出力し、これをDELAY#5に入力する。
(9) DELAY#5
7の(5)に示すDELAY#1と同等の機能を有する。
(10) LIMA
LIMAは、DELAY#5から出力されたAPを入力して次に示す計算によりALを出力し、これを量子化スケールファクタ適応器に入力する。
9 再生信号計算器
再生信号計算器は、逆適応量子化器から出力されたDQ及び適応予測器から出力されたSEを入力して次に示す計算によりSRを出力し、これを適応予測器に入力する。
DQS=DQ>>14
SES=SE>>14
SR=(DQI+SEI)&65535
10 適応予測器
適応予測器は、次の図に示す回路から構成され、逆適応量子化器から出力されたDQ及び再生信号計算器から出力されたSRを入力して次に示す計算によりSE及びA2Pを出力し、SEを再生信号計算器及び差分信号計算器に、A2Pをトーン・変化点検出器にそれぞれ入力する。
(1) XOR#1
XOR#1は、DELAY#21から出力されたDQ1及び逆適応量子化器から出力されたDQを入力して次に示す計算によりU1を出力し、これをUPB#1に入力する。
DQS=DQ>>14
DQ1S=DQ1>>10
U1=DQS**DQ1S
(2) UPB#1
UPB#1は、XOR#1から出力されたU1、DELAY#11から出力されたB1及び逆適応量子化器から出力されたDQを入力して次に示す計算によりB1Pを出力し、これをTRIGB#11に入力する。
DQMAG=DQ&16383
B1S=B1>>15
UB1=(UGB1+ULB1)&65535
B1P=(B1+UB1)&65535
(3) TRIGB#11
TRIGB#11は、再生信号計算器から出力されたTR、UPB#1から出力されたB1Pを入力して次に示す計算によりB1Rを出力し、これをDELAY#11に入力する。
(4) DELAY#11
7の(5)に示すDELAY#1と同等の機能を有する。
(5) FMULT#11
FMULT#11は、DELAY#11から出力されたB1及びDELAY#21から出力されたDQ1を入力して次に示す計算によりWB1を出力し、これをACCUMに入力する。
B1S=B1>>15
DQ1S=DQ1>>10
DQ1EXP=(DQ1>>6)&15
DQ1MANT=DQ1&63
WB1S=DQ1S**B1S
WB1EXP=DQ1EXP+B1EXP
WB1MANT=((DQ1MANT*B1MANT)+48>>4
(6) XOR#2
XOR#2は、(1)において、「DELAY#21」を「DELAY#22」に、「DQ1」を「DQ2」に、「U1」を「U2」に、及び「UPB#1」を「UPB#2」にそれぞれ読み替えたものと同等の機能を有する。
(7) UPB#2
UPB#2は、(2)において、「XOR#1」を「XOR#2」に、「U1」を「U2」に、「DELAY#11」を「DELAY#12」に、「B1」を「B2」に、「B1P」を「B2P」に、及び「TRIGB#11」を「TRIGB#12」にそれぞれ読み替えたものと同等の機能を有する。
(8) TRIGB#12
TRIGB#12は、(3)において、「UPB#1」を「UBP#2」に、「B1P」を「B2P」に、「B1R」を「B2R」に、及び「DELAY#11」を「DELAY#12」にそれぞれ読み替えたものと同等の機能を有する。
(9) DELAY#12
7の(5)に示すDELAY#1と同等の機能を有する。
(10) FMULT#12
FMULT#12は、(5)において、「DELAY#21」を「DELAY#22」に、「DQ1」を「DQ2」に、「DELAY#11」を「DELAY#12」に、「B1」を「B2」に、及び「WB1」を「WB2」にそれぞれ読み替えたものと同等の機能を有する。
(11) XOR#3
XOR#3は、(1)において、「DELAY#21」を「DELAY#23」に、「DQ1」を「DQ3」に、「U1」を「U3」に、及び「UPB#1」を「UPB#3」にそれぞれ読み替えたものと同等の機能を有する。
(12) UPB#3
UPB#3は、(2)において、「XOR#1」を「XOR#3」に、「U1」を「U3」に、「DELAY#11」を「DELAY#13」に、「B1」を「B3」に、「B1P」を「B3P」に、及び「TRIGB#11」を「TRIGB#13」にそれぞれ読み替えたものと同等の機能を有する。
(13) TRIGB#13
TRIGB#13は、(3)において、「UPB#1」を「UPB#3」に、「B1P」を「B3P」に、「B1R」を「B3R」に、及び「DELAY#11」を「DELAY#13」にそれぞれ読み替えたものと同等の機能を有する。
(14) DELAY#13
7の(5)に示すDELAY#1と同等の機能を有する。
(15) FMULT#13
FMULT#13は、(5)において、「DELAY#21」を「DELAY#23」に、「DQ1」を「DQ3」に、「DELAY#11」を「DELAY#13」に、「B1」を「B3」に、及び「WB1」を「WB3」にそれぞれ読み替えたものと同等の機能を有する。
(16) XOR#4
XOR#4は、(1)において、「DELAY#21」を「DELAY#24」に、「DQ1」を「DQ4」に、「U1」を「U4」に、及び「UPB#1」を「UPB#4」にそれぞれ読み替えたものと同等の機能を有する。
(17) UPB#4
UPB#4は、(2)において、「XOR#1」を「XOR#4」に、「U1」を「U4」に、「DELAY#11」を「DELAY#14」に、「B1」を「B4」に、「B1P」を「B4P」に、及び「TRIGB#11」を「TRIGB#14」にそれぞれ読み替えたものと同等の機能を有する。
(18) TRIGB#14
TRIGB#14は、(3)において、「UPB#1」を「UPB#4」に、「B1P」を「B4P」に、「B1R」を「B4R」に、及び「DELAY#11」を「DELAY#14」にそれぞれ読み替えたものと同等の機能を有する。
(19) DELAY#14
7の(5)に示すDELAY#1と同等の機能を有する。
(20) FMULT#14
FMULT#14は、(5)において、「DELAY#21」を「DELAY#24」に、「DQ1」を「DQ4」に、「DELAY#11」を「DELAY#14」に、「B1」を「B4」に、及び「WB1」を「WB4」にそれぞれ読み替えたものと同等の機能を有する。
(21) XOR#5
XOR#5は、(1)において、「DELAY#21」を「DELAY#25」に、「DQ1」を「DQ5」に、「U1」を「U5」に、及び「UPB#1」を「UPB#5」にそれぞれ読み替えたものと同等の機能を有する。
(22) UPB#5
UPB#5は、(2)において、「XOR#1」を「XOR#5」に、「U1」を「U5」に、「DELAY#11」を「DELAY#15」に、「B1」を「B5」に、「B1P」を「B5P」に、及び「TRIGB#11」を「TRIGB#15」にそれぞれ読み替えたものと同等の機能を有する。
(23) TRIGB#15
TRIGB#15は、(3)において、「UPB#1」を「UPB#5」に、「B1P」を「B5P」に、「B1R」を「B5R」に、及び「DELAY#11」を「DELAY#15」にそれぞれ読み替えたものと同等の機能を有する。
(24) DELAY#15
7の(5)に示すDELAY#1と同等の機能を有する。
(25) FMULT#15
FMULT#15は、(5)において、「DELAY#21」を「DELAY#25」に、「DQ1」を「DQ5」に、「DELAY#11」を「DELAY#15」に、「B1」を「B5」に、及び「WB1」を「WB5」にそれぞれ読み替えたものと同等の機能を有する。
(26) XOR#6
XOR#6は、(1)において、「DELAY#21」を「DELAY#26」に、「DQ1」を「DQ6」に、「U1」を「U6」に、及び「UPB#1」を「UPB#6」にそれぞれ読み替えたものと同等の機能を有する。
(27) UPB#6
UPB#6は、(2)において、「XOR#1」を「XOR#6」に、「U1」を「U6」に、「DELAY#11」を「DELAY#16」に、「B1」を「B6」に、「B1P」を「B6P」に、及び「TRIGB#11」を「TRIGB#16」にそれぞれ読み替えたものと同等の機能を有する。
(28) TRIGB#16
TRIGB#16は、(3)において、「UPB#1」を「UPB#6」に、「B1P」を「B6P」に、「B1R」を「B6R」に、及び「DELAY#11」を「DELAY#16」にそれぞれ読み替えたものと同等の機能を有する。
(29) DELAY#16
7の(5)に示すDELAY#1と同等の機能を有する。
(30) FMULT#16
FMULT#16は、(5)において、「DELAY#21」を「DELAY#26」に、「DQ1」を「DQ6」に、「DELAY#11」を「DELAY#16」に、「B1」を「B6」に、及び「WB1」を「WB6」にそれぞれ読み替えたものと同等の機能を有する。
(31) FLOATA
FLOATAは、逆適応量子化器から出力されたDQを入力して次に示す計算によりDQ0を出力し、これをDELAY#21に入力する。
DQS=DQ>>14
MAG=DQ&16383
DQ0=(DQS<<10)+(EXP<<6)+MANT
(32) DELAY#21
7の(5)に示すDELAY#1と同等の機能を有する。
(33) DELAY#22
7の(5)に示すDELAY#1と同等の機能を有する。
(34) DELAY#23
7の(5)に示すDELAY#1と同等の機能を有する。
(35) DELAY#24
7の(5)に示すDELAY#1と同等の機能を有する。
(36) DELAY#25
7の(5)に示すDELAY#1と同等の機能を有する。
(37) DELAY#26
7の(5)に示すDELAY#1と同等の機能を有する。
(38) ADDC
ADDCは、逆適応量子化器から出力されたDQ及びACCUMから出力されたSEZを入力して次に示す計算によりPK0及びSIGPKを出力し、PK0をDELAY#31に、SIGPKをUPA1及びUPA2にそれぞれ入力する。
DQS=DQ>>14
SEZS=SEZ>>14
DQSEZ=(DQI+SEZI)&65535
PK0=DQSEZ>>15
(39) DELAY#31
7の(5)に示すDELAY#1と同等の機能を有する。
(40) DELAY#32
7の(5)に示すDELAY#1と同等の機能を有する。
(41) FLOATB
FLOATBは、再生信号計算器から出力されたSRを入力して次に示す計算によりSR0を出力し、これをDELAY#41に入力する。
SRS=SR>>15
SR0=(SRS<<10)+(EXP<<6)+MANT
(42) DELAY#41
7の(5)に示すDELAY#1と同等の機能を有する。
(43) DELAY#42
7の(5)に示すDELAY#1と同等の機能を有する。
(44) UPA1
UPA1は、ADDCから出力されたPK0、DELAY#31から出力されたPK1及びDELAY#51から出力されたA1を入力して次に示す計算によりA1Tを出力し、これをLIMDに入力する。
PKS=PK0**PK1
A1S=A1>>15
UA1=(UGA1+ULA1)&65535
A1T=(A1+UA1)&65535
(45) LIMD
LIMDは、UPA1から出力されたA1T及びLIMCから出力されたA2Pを入力して次に示す計算によりA1Pを出力し、これをTRIGB#21に入力する。
OME=15360
A1UL=(OME+65536-A2P)&65535
A1LL=(A2P+65536-OME)&65535
(46) TRIGB#21
TRIGB#21は、(3)において、「UPB#1」を「LIMD」に、「B1P」を「A1P」に、「B1R」を「A1R」に、及び「DELAY#11」を「DELAY#51」にそれぞれ読み替えたものと同等の機能を有する。
(47) DELAY#51
7の(5)に示すDELAY#1と同等の機能を有する。
(48) FMULT#21
FMULT#21は、(5)において、「DELAY#21」を「DELAY#41」に、「DQ1」を「SR1」に、「DELAY#11」を「DELAY#51」に、「B1」を「A1」に、及び「WB1」を「WA1」にそれぞれ読み替えたものと同等の機能を有する。
(49) UPA2
UPA2は、ADDCから出力されたSIGPK及びPK0、DELAY#31から出力されたPK1、DELAY#32から出力されたPK2、DELAY#51から出力されたA1及びDELAY#52から出力されたA2を入力して次に示す計算によりA2Tを出力し、これをLIMCに入力する。
PKS1=PK0**PK1
PKS2=PK0**PK2
A1S=A1>>15
もしA1S=0であるなら、
もしA1S=1であるなら、
UGA2B=(UGA2A+FA)&131071
UGA2S=UGA2B>>16
A2S=A2>>15
UA2=(UGA2+ULA2)&65535
A2T=(A2+UA2)&65535
(50) LIMC
LIMCは、UPA2から出力されたA2Tを入力して次に示す計算によりA2Pを出力し、これをTRIGB#22及びトーン・変化点検出器に入力する。
A2UL=12288
A2LL=53248
(51) TRIGB#22
TRIGB#22は、(3)において、「UPB#1」を「LIMC」に、「B1P」を「A2P」に、「B1R」を「A2R」に、及び「DELAY#11」を「DELAY#52」にそれぞれ読み替えたものと同等の機能を有する。
(52) DELAY#52
7の(5)に示すDELAY#1と同等の機能を有する。
(53) FMULT#22
FMULT#22は、(5)において、「DELAY#21」を「DELAY#42」に、「DQ1」を「SR2」に、「DELAY#11」を「DELAY#52」に、「B1」を「A2」に、及び「WB1」を「WA2」にそれぞれ読み替えたものと同等の機能を有する。
(54) ACCUM
ACCUMは、FMULT#21から出力されたWA1、FMULT#22から出力されたWA2、FMULT#11から出力されたWB1、FMULT#12から出力されたWB2、FMULT#13から出力されたWB3、FMULT#14から出力されたWB4、FMULT#15から出力されたWB5及びFMULT#16から出力されたWB6を入力して次に示す計算によりSE及びSEZを出力し、SEを再生信号計算器及び差分信号計算器に、SEZをADDCにそれぞれ入力する。
SEZI=(((((((((WB1+WB2)&65535)+WB3)&65535)+WB4)&65535)+WB5)&65535)+WB6)&65535
SEI=(((SEZI+WA2)&65535)+WA1)&65535
SEZ=SEZI>>1
SE=SEI>>1
11 トーン・変化点検出器
トーン・変化点検出器は、次の図に示す回路から構成され、適応予測器から出力されたA2P、逆適応量子化器から出力されたDQ、量子化スケールファクタ適応器から出力されたYLを入力して次に示す計算によりTR及びTDPを出力し、これらを適応速度制御器に入力する。
(1) TONE
TONEは、適応予測器から出力されたA2Pを入力して次に示す計算によりTDPを出力し、これをTRIGB#31及び適応速度制御器に入力する。
(2) TRIGB#31
TRIGB#31は、10の(3)において、「UPB#1」を「TONE」に、「B1P」を「TDP」に、「B1R」を「TDR」に、及び「DELAY#11」を「DELAY#61」にそれぞれ読み替えたものと同等の機能を有する。
(3) DELAY#61
7の(5)に示すDELAY#1と同等の機能を有する。
(4) TRANS
TRANSは、DELAY#61から出力されたTD、量子化スケールファクタ適応器から出力されたYL及び逆適応量子化器から出力されたDQを入力して次に示す計算によりTRを出力し、これを適応速度制御器に入力する。
DQMAG=DQ&16383
YLINT=YL>>15
YLFRAC=(YL>>10)&31
THR1=(32+YLFRAC)<<YLINT
DQTHR=(THR2+(THR2>>1))>>1