○超短波放送に関する送信の標準方式
(昭和四十三年七月一日)
(郵政省令第二十六号)
超短波放送に関する送信の標準方式を次のように定める。
超短波放送に関する送信の標準方式
目次
第一章 総則(第一条)
第二章 放送局の行う超短波放送(第二条―第五条の二)
第三章 放送衛星局の行う超短波放送(第六条―第十一条)
第四章 雑則(第十二条・第十三条)
附則
第一章 総則
(平二郵令四〇・章名追加)
(目的)
第一条 この省令は、超短波放送(デジタル放送を行う場合にあってはF七W電波を使用するものに限る。以下同じ。)に関する送信の標準方式を定めることを目的とする。
(平二郵令四〇・平八郵令一二・一部改正)
第二章 放送局の行う超短波放送
(平二郵令四〇・章名追加)
(適用の範囲)
第二条 この章の規定は、放送局の行う超短波放送に適用があるものとする。
(平二郵令四〇・全改)
(主搬送波の変調)
第三条 主搬送波の変調の型式は、周波数変調とする。
2 主搬送波の最大周波数偏移は、(±)七五kHzとする。
3 主搬送波を変調する信号は、モノホニツク放送を行う場合にあつては音声信号とし、ステレオホニツク放送を行う場合にあつては主チヤネル信号(左側信号と右側信号の和の信号をいう。以下同じ。)、副チヤネル信号(左側信号と右側信号との差の信号により副搬送波を振幅変調したときに生ずる側波帯をいう。以下同じ。)及びパイロツト信号(ステレオホニツク放送の受信の補助のために伝送する信号をいう。以下同じ。)からなるものであつて、別図第一号に示す周波数配列及び方程式によるものとする。
(平二郵令四〇・全改)
(音声信号)
第四条 音声信号の最高周波数は、一五、〇〇〇ヘルツとする。
2 音声信号は、五〇マイクロ秒の時定数を有するインピーダンス周波数特性の回路によりプレエンフアシスを行うものとする。
(平二郵令四〇・追加)
(ステレオホニツク放送)
第五条 ステレオホニツク放送を行う場合にあつては、第三条及び第四条の規定によるほか、次のとおりとする。
一 副搬送波の変調の型式は、振幅変調とし、当該副搬送波は、抑圧するものとする。
二 左側信号又は右側信号の入力端子に信号を加えた場合の主チヤネル信号による主搬送波の周波数偏移及び副チヤネル信号による主搬送波の周波数偏移は、同一の値とし、かつ、その最大値が第三条第二項に規定する最大周波数偏移の四五パーセントとする。
三 パイロツト信号による主搬送波の周波数偏移は、第三条第二項に規定する最大周波数偏移の一〇パーセントとする。
四 パイロツト信号の周波数は一九kHz、副搬送波の周波数は三八kHzとし、パイロツト信号の周波数と副搬送波の周波数とは、相互に低調波と高調波の関係にあるものとする。
五 副搬送波は、パイロツト信号が時間軸と交わるとき、同時に正傾斜で時間軸と交わるものとする。
(平二郵令四〇・追加)
(準用規定)
第五条の二 超短波音声多重放送及び超短波文字多重放送に関する送信の標準方式(昭和六十三年郵政省令第二十五号)第二条から第七条までの規定は、放送局の行う超短波放送の補完放送について準用する。
(平九郵令六七・追加)
第三章 放送衛星局の行う超短波放送
(平二郵令四〇・追加)
(適用の範囲)
第六条 この章の規定は、放送衛星局の行う超短波放送に適用があるものとする。
(平二郵令四〇・追加)
(周波数帯幅等)
第七条 使用する周波数帯幅は、二七MHzとする。
2 搬送波の周波数は、周波数帯幅の中央の周波数とする。
(平二郵令四〇・追加)
(搬送波の変調)
第八条 搬送波の変調の型式は、周波数変調とし、当該搬送波は、別図第二号に示す回路によつて変調するものとする。
2 搬送波を変調する信号は、別図第三号に示す回路によつて符号化された二軸の二値の符号系列とする。
3 別図第三号に示す回路に入力される信号は、別図第四号に示す回路によつて非周期化された二値の符号系列とする。
4 搬送波を変調する各軸の信号の伝送速度は、毎秒一二・二八八メガビットとする。
(平二郵令四〇・追加)
(多重フレーム行列)
第九条 別図第四号に示す回路に入力される信号は、多重フレーム(六行二千四十八列の行列(以下「多重フレーム行列」という。)として構成される一二、二八八ビットの符号系列をいう。)の集まりとする。
2 多重フレーム行列の各行に書き込まれる符号系列は、別図第五号に示す回路によつて非周期化されたフレーム(三十二行六十四列の行列(以下「フレーム行列」という。)として構成される二、〇四八ビットの符号系列をいう。以下同じ。)とし、行番号順に第一フレームから第六フレームまでの番号を付す。
3 多重フレーム行列の各行への符号の書き込みは、第一列から第二千四十八列まで列番号順に行うものとする。
4 多重フレーム行列からの符号の読み出しは、各列の第一行から順に第六行まで列番号順に行うものとする。
5 多重フレーム行列に書き込まれる各フレームの伝送速度は、毎秒二、〇四八キロビットとする。
6 多重フレーム行列の同期符号及び制御手順は、総務大臣が別に告示するところによるものとする。
(平二郵令四〇・追加、平一二郵令六〇・一部改正)
(フレーム行列の構成等)
第十条 フレーム行列の構成及び制御手順、音声信号の送出手順並びにデータパケット(データの伝送のための符号系列及びその種類の識別のための符号系列の組をいう。)の送出手順は、総務大臣が別に告示するところによるものとする。
2 疑似乱数符号重畳方式(標準テレビジョン放送(デジタル放送を除く。)に関する送信の標準方式(平成三年郵政省令第三十六号)第十八条第一項第二号に規定する疑似乱数符号重畳方式をいう。)による音声信号のスクランブル(標準テレビジョン放送(デジタル放送を除く。)に関する送信の標準方式第十八条第一項第一号に規定するスクランブルをいう。以下同じ。)の手順、疑似乱数符号系列の生成方法、スクランブルに関するタイミング並びに関連情報(標準テレビジョン放送(デジタル放送を除く。)に関する送信の標準方式第十八条第一項第三号に規定する関連情報をいう。)の構成及び送出手順は、総務大臣が別に告示するところによるものとする。
(平二郵令四〇・追加、平三郵令一四・平三郵令三六・平八郵令一二・平一二郵令六〇・一部改正)
(準用規定)
第十一条 標準テレビジョン放送(デジタル放送を除く。)に関する送信の標準方式第十五条第二項及び第三項、第十六条第一項から第三項まで、第十七条第一項及び第二項並びに第十八条第一項(第一号を除く。)の規定は、放送衛星局の行う超短波放送について準用する。
2 超短波データ多重放送に関する送信の標準方式(平成七年郵政省令第十七号)第二条から第四条までの規定は、放送衛星局の行う超短波放送の補完放送について準用する。
(平三郵令三六・全改、平八郵令一二・平九郵令六七・一部改正)
第四章 雑則
(平二郵令四〇・章名追加)
(放送試験局等に適用する規定)
第十二条 超短波放送を行なう放送試験局、放送衛星局(放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第二条第二号の二の三に規定する受託内外放送を行うものに限る。)及び放送試験衛星局の送信の方式のうちこの規則の規定を適用することが困難又は不合理であるため総務大臣が別に告示するものについては、この規則の規定によらないことができる。
(昭四六郵令三一・追加、平二郵令四〇・旧第四条繰下・一部改正、平八郵令一二・平一二郵令六〇・一部改正)
(緊急警報信号に適用する規定)
第十三条 超短波放送により緊急警報信号を送る場合は、緊急警報信号を音声信号とみなし、この省令の音声信号に関する規定(第四条第一項及びスクランブルに係る音声信号に関する規定を除く。)を適用する。
(昭六〇郵令四六・追加、平二郵令四〇・旧第五条繰下・一部改正)
附 則
この省令は、公布の日から施行する。
附 則 (昭和四六年一二月二四日郵政省令第三一号) 抄
1 この省令は、公布の日から施行する。
附 則 (昭和四七年七月一日郵政省令第二五号) 抄
1 この省令は、公布の日から施行する。
2 この省令の施行前にされた電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)に基づく告示、処分、手続その他の行為のうち、周波数の計量単位として、サイクル毎秒若しくはサイクル、キロサイクル、メガサイクル、ギガサイクル又はテラサイクルを用いたものは、この省令の施行の日以降においては、それぞれ、ヘルツ、キロヘルツ、メガヘルツ、ギガヘルツ又はテラヘルツを用いたものとみなす。
附 則 (昭和六〇年六月一日郵政省令第四六号)
この省令は、公布の日から施行する。
附 則 (平成二年七月二三日郵政省令第四〇号)
この省令は、公布の日から施行する。
附 則 (平成三年三月一日郵政省令第一四号) 抄
1 この省令は、公布の日から施行する。
附 則 (平成三年七月一七日郵政省令第三六号) 抄
1 この省令は、公布の日から施行する。
附 則 (平成八年二月二八日郵政省令第一二号)
この省令は、公布の日から施行する。
附 則 (平成九年九月二四日郵政省令第六七号)
この省令は、放送法及び有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律(平成九年法律第五十八号)の施行の日から施行する。
(施行の日=平成九年一〇月一日)
附 則 (平成一二年九月二七日郵政省令第六〇号) 抄
(施行期日)
第一条 この省令は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日(平成十三年一月六日)から施行する。

別図第一号(第3条第3項関係)
(昭47郵令25・一部改正、平2郵令40・旧別図・一部改正)

1 ステレオホニツク放送を行なう場合の変調信号の周波数配列

  イメージ

2 ステレオホニツク放送を行なう場合の変調信号の方程式

  A=M+S+P

   M=L+R

   S=(L−R)sinωt

   P=psin( イメージt+θ)

 注1 Aは、主搬送波を変調する信号の電圧とする。

  2 Mは、主チヤネル信号の電圧とする。

  3 Sは、副チヤネル信号の電圧とする。

  4 Pは、パイロツト信号の電圧とする。

  5 Lは左側信号の電圧とし、Rは右側信号の電圧とする。

  6 ωは、副搬送波の周波数の2π倍とする。

  7 Pはパイロツト信号の電圧の振幅とし、θは当該信号の位相とする。

  8 tは、時間とする。

別図第二号(第8条第1項関係)
(平2郵令40・追加)

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 注1 D/2は、1/2ビット遅延素子を表す。

  2 〜は、発振器を表す。

  3 ×は、乗算器を表す。

  4 +は、合成器を表す。

  5 ωは、搬送波の角周波数とする。

  6 fsは、12.288MHzとする。

  7 πは、円周率を表す。

別図第三号(第8条第2項関係)
(平2郵令40・追加)

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 注1 Dは、1ビット遅延素子を表す。

  2 +は、排他的論理和の演算素子を表す。

別図第四号(第8条第3項関係)
(平2郵令40・追加)

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 注1 Dは、1ビット遅延素子を表す。

  2 +は、排他的論理和の演算素子を表す。

  3 スイッチは、多重フレーム行列の第1列の第1行から第6行まで、第2列の第1行から第6行まで及び第3列の第1行から第4行までの符号を入力するときは上側に、その他のときは下側に接続するものとする。

  4 多重フレーム行列の第5行第3列の符号が読み出されるとき、すべての1ビット遅延素子の符号は「1」とする。

別図第五号(第9条第2項関係)
(平2郵令40・追加)

イメージ

 注1 Dは、1ビット遅延素子を表す。

  2 +は、排他的論理和の演算素子を表す。

  3 スイッチは、フレーム行列の第1列の第1行から第16行までの符号を入力するときは上側に、その他のときは下側に接続するものとする。

  4 フレーム行列の第17行第1列の符号が読み出されるとき、すべての1ビット遅延素子の符号は「1」とする。