○標準テレビジョン放送(デジタル放送を除く。)に関する送信の標準方式
(平成三年七月十七日)
(郵政省令第三十六号)
電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)第三十八条の規定に基づき、標準テレビジョン放送に関する送信の標準方式の全部を改正する省令を次のように定める。
標準テレビジョン放送(デジタル放送を除く。)に関する送信の標準方式
(平八郵令一四・改称)
標準テレビジョン放送に関する送信の標準方式(昭和五十八年郵政省令第二十二号)の全部を改正する。
目次
第一章 総則(第一条・第二条)
第二章 放送局の行う標準テレビジョン放送(デジタル放送を除く。)(第三条―第九条の二)
第三章 一一・七GHzを超え一二・二GHz以下の周波数の電波を使用する放送衛星局の行う標準テレビジョン放送(デジタル放送を除く。)(第十条―第二十条)
第四章 雑則(第二十一条・第二十二条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この省令は、標準テレビジョン放送(デジタル放送を除く。以下同じ。)に関する送信の標準方式を定めることを目的とする。
(平八郵令一四・一部改正)
(映像の走査等)
第二条 映像の走査は、水平方向には左から右へ、垂直方向には上から下へ一定速度で行うものとする。
2 一の映像の走査線数は、五二五本とし、かつ、一本おきに飛び越して走査するものとする。
3 映像の画面の横と縦の比は、四対三とする。
第二章 放送局の行う標準テレビジョン放送(デジタル放送を除く。)
(平一一郵令一〇二・改称)
(適用の範囲)
第三条 この章の規定は、放送局(放送試験局を含む。)の行う標準テレビジョン放送に適用があるものとする。
(周波数帯幅等)
第四条 使用する周波数帯幅は、六MHzとする。
2 映像信号搬送波の周波数は、周波数帯幅の下限より一、二五〇kHz高い周波数とする。
3 音声信号搬送波の周波数は、映像信号搬送波の周波数より四・五MHz高い周波数とする。
(映像信号搬送波の変調)
第五条 映像信号搬送波の変調の型式は、振幅変調とする。
2 映像信号(同期信号を含む。次章において同じ。)により変調された電波(以下「映像電波」という。)は、別表第一号に示す残留側波帯特性を有するものとする。
3 映像電波の輻ふく射電力は、被写体の輝度が増加するとき減少するものとする。
(音声信号搬送波の変調)
第六条 音声信号搬送波の変調の型式は、周波数変調とする。
2 音声信号による音声信号搬送波の最大周波数偏移は、(±)二五kHzとする。
3 音声信号は、七五マイクロ秒の時定数を有するインピーダンス周波数特性の回路によりプレエンファシスを行うものとする。
(映像信号)
第七条 映像信号は、被写体の輝度を表す信号(以下「輝度信号」という。)並びに被写体の色相及び彩度を表す信号(以下「色信号」という。)から成るもの又は輝度信号から成るものとし、別表第二号に掲げる方程式によるものとする。この場合において、色信号は、色信号副搬送波を被写体の色相及び彩度に従って変調したときに生ずる側波帯とする。
2 色信号副搬送波の周波数は、三・五七九五四五MHzとする。
(補強信号)
第七条の二 映像の補強信号は、垂直補強信号(垂直方向の解像度を補強する信号をいう。以下同じ。)、水平補強信号(水平方向の解像度を補強する信号をいう。以下同じ。)又はこれら二つの信号から成るものとし、補強信号を重畳する場合は、第八条第七項に定める識別制御信号も重畳するものとする。
2 垂直補強信号の条件は、別表第二号の二に示すところによるものとする。ただし、総務大臣が別に告示する場合は、この限りでない。
3 垂直補強信号の重畳位置は、別表第二号の三に示すところによるものとする。この場合において、標準テレビジョン文字多重放送に関する送信の標準方式(昭和六十年郵政省令第七十七号。以下「標準テレビジョン文字多重放送の標準方式」という。)別図第一号に示す第二三Hから第五二Hまで、第二三三Hから第二六二Hまで、第二八六Hから第三一五Hまで及び第四九六Hから第五二五Hまでの水平走査期間における補強信号が重畳される前の映像信号のレベルは、第九条に規定する黒レベルとする。
4 水平補強信号の条件は、別表第二号の四に示すところによるものとする。
5 水平補強信号は、標準テレビジョン文字多重放送の標準方式別図第一号に示す第五三Hから第二三二Hまで及び第三一六Hから第四九五Hまでの水平走査期間に重畳するものとする。この場合において、第二三Hから第五二Hまで、第二三三Hから第二六二Hまで、第二八六Hから第三一五Hまで及び第四九六Hから第五二五Hまでの水平走査期間における補強信号が重畳される前の映像信号のレベルは、第九条に規定する黒レベルとする。
(平七郵令五一・追加、平一二郵令六〇・一部改正)
(同期信号等)
第八条 同期信号は、垂直同期パルス、水平同期パルス、等化パルス及びカラーバーストから成るものとし(色信号のない場合にあっては、カラーバーストを除くことができる。)、別表第三号に示すものを基準とする。
2 水平同期パルスの周波数は、色信号副搬送波の周波数の四五五分の二とする。
3 垂直同期パルスの周波数は、水平同期パルスの周波数の五二五分の二とする。
4 カラーバーストは、その周波数が色信号副搬送波の周波数と同一の正弦波とし、その振幅の尖せん頭から尖せん頭までの値がペデスタルレベルから同期信号尖せん頭レベルまでの振幅の値と同じものとする。
5 垂直帰線消去期間における水平走査期間に重畳する信号(同期信号及びゴースト除去基準信号を除く。)は、総務大臣が別に告示するところによるものとする。
6 垂直帰線消去期間における水平走査期間にゴースト除去基準信号を重畳する場合、その信号の条件は、別表第四号に示すものを基準とする。
7 識別制御信号を標準テレビジョン文字多重放送の標準方式別図第一号に示す第二二H及び第二八五Hの水平走査期間に重畳する場合、その信号の条件は、別表第四号の二に示すところによるものとする。この場合において、この水平走査期間における識別制御信号が重畳される前の映像信号のレベルは、第九条に規定する黒レベルとする。
8 識別制御信号の構成は、総務大臣が別に告示するところによるものとする。
(平七郵令五一・平一二郵令六〇・一部改正)
(映像信号及び同期信号のレベル)
第九条 ペデスタルレベルを〇、映像信号の白レベルを(+)一〇〇とするとき、映像信号の黒レベルは〇、同期信号尖せん頭レベルは(−)四〇とする。
(準用規定)
第九条の二 標準テレビジョン音声多重放送に関する送信の標準方式(昭和五十八年郵政省令第二十三号。以下「標準テレビジョン音声多重放送の標準方式」という。)第三条から第七条まで、標準テレビジョン文字多重放送の標準方式第二条から第十八条まで並びに標準テレビジョン・データ多重放送及び高精細度テレビジョン・データ多重放送に関する送信の標準方式(平成六年郵政省令第四十七号。以下「標準テレビジョン・データ多重放送等の標準方式」という。)第一条の三から第一条の十一まで及び第一条の十三から第一条の十六までの規定は、放送局の行う標準テレビジョン放送の補完放送について準用する。
(平九郵令六八・追加)
第三章 一一・七GHzを超え一二・二GHz以下の周波数の電波を使用する放送衛星局の行う標準テレビジョン放送(デジタル放送を除く。)
(平八郵令一四・改称)
(適用の範囲)
第十条 この章の規定は、一一・七GHzを超え一二・二GHz以下の周波数の電波を使用する放送衛星局(放送試験衛星局を含む。第四十七条を除き、以下同じ。)の行う標準テレビジョン放送に適用があるものとする。
(平八郵令一四・一部改正)
(周波数帯幅等)
第十一条 使用する周波数帯幅は、二七MHzとする。
2 主搬送波の周波数は、周波数帯幅の中央の周波数とする。
(主搬送波の変調)
第十二条 主搬送波の変調の型式は、周波数変調とする。
2 主搬送波を変調する信号は、映像信号、多重副搬送波(音声信号又はデータを伝送するための副搬送波をいう。以下同じ。)及び電力拡散信号とする。
3 映像信号による主搬送波の周波数偏移は、その周波数偏移の尖せん頭から尖せん頭までの最大値が一七MHzとなるものとする。
4 多重副搬送波による主搬送波の周波数偏移は、(±)三・二五MHzとする。
5 電力拡散信号による主搬送波の周波数偏移は、その周波数偏移の尖せん頭から尖せん頭までの値が六〇〇kHzとなるものとする。
6 主搬送波の周波数は、被写体の輝度が増加するとき高い周波数へ偏移するものとする。
(映像信号の周波数帯域等)
第十三条 映像信号の周波数帯域は、〇ヘルツから四・五MHzまでとする。
2 映像信号は、〇・八五〇八マイクロ秒分の一に零点及び〇・一八一九マイクロ秒分の一に極を有する伝達関数によって表される周波数特性の回路によりプレエンファシスを行うものとする。
(多重副搬送波)
第十四条 多重副搬送波の周波数は、五・七二七二七二MHzとする。
2 多重副搬送波の変調の型式は、四相位相変調とする。
3 多重副搬送波を変調する信号は、別表第五号に示す回路によって非周期化された二値の符号系列とする。
4 多重副搬送波を変調する信号の伝送速度は、毎秒二、〇四八キロビットとする。
5 多重副搬送波の相対位相偏位は、変調信号の時系列順に表した連続する符号が「〇〇」のとき〇度、「一〇」のとき(+)九〇度、「〇一」のとき(−)九〇度及び「一一」のとき(+)一八〇度とする。
6 多重副搬送波のスペクトルは、別表第六号に示す特性を有するものとする。
(符号系列のフレーム)
第十五条 別表第五号に示す回路に入力される信号は、フレーム(三十二行六十四列の行列(以下「フレーム行列」という。)として構成される二、〇四八ビットの符号系列をいう。以下同じ。)の集まりとする。
2 フレーム行列への符号の書き込みは、各行の第一列から順に第六十四列まで行番号順に行うものとする。
3 フレーム行列からの符号の読み出しは、各列の第一行から順に第三十二行まで列番号順に行うものとする。
4 フレーム行列の構成及び制御手順は、総務大臣が別に告示するところによるものとする。
(平一二郵令六〇・一部改正)
(音声信号)
第十六条 音声信号は、五〇マイクロ秒分の一に零点及び一五マイクロ秒分の一に極を有する伝達関数によって表される周波数特性の回路によりプレエンファシスを行うものとする。
2 音声信号の標本化周波数は、三二kHz又は四八kHzとする。
3 音声チャネル(フレーム行列のうち音声信号の伝送のために使用する領域をいう。)は、標本化周波数を三二kHzとする場合にあっては、第一音声チャネル、第二音声チャネル、第三音声チャネル及び第四音声チャネル、四八kHzとする場合にあっては第一音声チャネル及び第二音声チャネルから構成されるものとする。
4 音声信号の送出には、第一音声チャネルを使用するものとする。
5 音声信号の送出手順は、総務大臣が別に告示するところによるものとする。
(平一二郵令六〇・一部改正)
(データチャネル)
第十七条 データチャネル(フレーム行列のうちデータの伝送のために使用する領域をいう。以下同じ。)は、スーパーフレーム(連続する九のフレームから成る符号系列をいう。)ごとに、データパケット(データの伝送のための符号系列及びその種別の識別のための符号系列の組をいう。以下同じ。)から構成されるものとする。
2 データパケットの構成は、別表第七号に示すとおりとする。
3 データパケットの送出手順は、総務大臣が別に告示するところによるものとする。
(平一二郵令六〇・一部改正)
(スクランブル等)
第十八条 有料放送(放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第五十二条の四第一項に規定する有料放送をいう。以下同じ。)を行う場合にあっては、次の各号によるものとする。
一 映像信号のスクランブル(国内受信者(放送法第五十二条の四第一項に規定する国内受信者をいう。以下同じ。)が設置する受信装置によらなければ受信することができないようにするために、信号波を電気的にかくはんすることをいう。以下同じ。)の方式は、走査線内信号切替方式(疑似乱数符号系列(疑似的に非周期化された二値の符号系列をいう。以下同じ。)により指定された点で一走査線内の映像を切り替え、その配列を入れ替える方式をいう。以下同じ。)、走査線転移方式(疑似乱数符号系列により走査線の順序を転移させる方式をいう。以下同じ。)又は両者の併用であること。ただし、併用する場合は、走査線転移方式によるスクランブルを行った映像信号に走査線内信号切替方式によるスクランブルを行うものであること。
二 音声信号のスクランブルの方式は、疑似乱数符号重畳方式(量子化された音声信号の標本値の符号系列に疑似乱数符号系列を重畳する方式をいう。以下同じ。)であること。
三 国内受信者が有料放送の役務の提供を受け、又はその対価として放送事業者が料金を徴収するために必要な情報(以下「関連情報」という。)を当該有料放送の電波に重畳する場合は、データチャネルを使用するものであること。
2 走査線内信号切替方式又は走査線転移方式による映像信号のスクランブルの手順、疑似乱数符号重畳方式による音声信号のスクランブルの手順、疑似乱数符号系列の生成方法、スクランブルに関するタイミング並びに関連情報の構成及び送出手順は、総務大臣が別に告示するところによるものとする。
(平八郵令一四・平一二郵令六〇・一部改正)
(電力拡散信号)
第十九条 電力拡散信号は、垂直同期パルスに同期した対称三角波とする。
2 電力拡散信号の周波数は、垂直同期パルスの周波数の四分の一とする。
(準用規定)
第二十条 第七条、第八条第一項から第六項まで及び第九条の規定は、一一・七GHzを超え一二・二GHz以下の周波数の電波を使用する放送衛星局の行う標準テレビジョン放送について準用する。
2 標準テレビジョン音声多重放送の標準方式第九条から第十二条まで、標準テレビジョン文字多重放送の標準方式第二条から第十八条まで並びに標準テレビジョン・データ多重放送等の標準方式第三条から第六条まで及び第六条の三の規定は、一一・七GHzを超え一二・二GHz以下の周波数の電波を使用する放送衛星局の行う標準テレビジョン放送(デジタル放送を除く。)の補完放送について準用する。
(平七郵令五一・平九郵令六八・一部改正)
第四章 雑則
(平一〇郵令八二・旧第五章繰上)
(放送試験局等に適用する規定)
第二十一条 標準テレビジョン放送を行う放送試験局、放送衛星局(放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第二条第二号の二の三に規定する受託内外放送を行うものに限る。)及び放送試験衛星局の送信の方式のうちこの省令の規定を適用することが困難又は不合理であるため総務大臣が別に告示するものについては、この省令の規定によらないことができる。
(平八郵令一四・一部改正、平一〇郵令八二・旧第四十七条繰上、平一二郵令六〇・一部改正)
(緊急警報信号に適用する規定)
第二十二条 標準テレビジョン放送により緊急警報信号を送る場合は、緊急警報信号を音声信号とみなし、この省令の音声信号に関する規定(スクランブルに係る音声信号に関する規定を除く。)を適用する。
(平一〇郵令八二・旧第四十八条繰上)
附 則 抄
1 この省令は、公布の日から施行する。
2 改正前の第三条第八項、第十四条第四項、第十五条第五項、第十六条第三項及び第十七条第二項に基づく告示は、それぞれ改正後の第八条第五項、第十五条第四項、第十六条第五項、第十七条第三項及び第十八条第二項の規定に基づく告示とする。
附 則 (平成七年七月四日郵政省令第五一号)
この省令は、公布の日から施行する。
附 則 (平成七年八月八日郵政省令第六五号)
この省令は、公布の日から施行する。
附 則 (平成八年二月二八日郵政省令第一四号)
この省令は、公布の日から施行する。
附 則 (平成九年九月二四日郵政省令第六八号)
この省令は、放送法及び有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律(平成九年法律第五十八号)の施行の日から施行する。
(施行の日=平成九年一〇月一日)
附 則 (平成一〇年一〇月一日郵政省令第八二号)
この省令は、公布の日から施行する。
附 則 (平成一一年一二月二一日郵政省令第一〇二号) 抄
(施行期日)
1 この省令は、公布の日から施行する。
附 則 (平成一二年九月二七日郵政省令第六〇号) 抄
(施行期日)
第一条 この省令は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日(平成十三年一月六日)から施行する。

別表第一号(第5条第2項関係)
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別表第二号(第7条第1項関係)
映像信号方程式
EM=EY'+{EQ'sin(ωt+33°)+EI'cos(ωt+33°)}
EQ'=0.41(EB'−EY')+0.48(ER'−EY')
EI'=−0.27(EB'−EY')+0.74(ER'−EY')
EY'=0.30ER'+0.59EG'+0.11EB'
1 EMは、映像信号の電圧とする。
2 EY'は、輝度信号の電圧とする。
3 { }の中は、色信号の電圧とする。
4 ER'、EG'及びEB'は、それぞれ絵素を走査したときに生ずる赤、緑及び青の各信号電圧をガンマ補正(受像管の赤、緑及び青に対する輝度は、格子に印加されるそれぞれの信号電圧のガンマ乗に比例するので、被写体の輝度が正しく再現されるよう送信側においてそれぞれの信号電圧ER、EG及びEBをそれぞれの値のガンマ分の1乗に補正することをいう。)した電圧であって、CIE表色系(国際照明委員会において制定した平面座標による色彩の定量的表示法をいう。)において次に掲げるx及びyの値を有する赤、緑及び青を三原色とし、かつ、ガンマの値を2.2とする受像管に適合するものとする。
 
x
y
0.67
0.33
0.21
0.71
0.14
0.08
5 色信号の電圧は、注4によるほか、白色の被写体に対して零になるものとする。
6 ωは、色信号副搬送波の周波数の2π倍とする。この場合、πは、円周率を表す。
7 sin(ωt+0°)の位相は、第8条第1項のカラーバーストの位相に対して180度とする。
8 EQ′及びEI′は、次に掲げる周波数特性によって帯域制限を受けたものとする。
EQ′の場合 400kHzにおいて 2デシベル未満の減衰
500kHzにおいて 6デシベル未満の減衰
600kHzにおいて 6デシベル以上の減衰
EI′の場合 1,300kHzにおいて 2デシベル未満の減衰
3,600kHzにおいて 20デシベル以上の減衰
9 EY′は、輝度信号と色信号とを別々の撮像管から取り出す方式の場合には、映像信号方程式によらないことができる。
10 EY′は、次に掲げる定輝度化信号処理回路及び適応的エンファシス回路によって補償することができる。
(1) 定輝度化信号処理回路
ガンマ補正前における振幅値が50%の信号に振幅値が20%の3.58MHzの正弦波信号を重畳した赤信号を入力したとき、出力信号が補償しない場合に比べて、次に掲げる補償特性を持つ回路。
飽和度が50%の赤信号において 2デシベル
飽和度が100%の赤信号において 10デシベル
この場合、赤信号の飽和度は、赤信号の電圧をC、緑信号及び青信号の電圧をKとするとき、
((C−K)/C)×100(%)によって与えられる値とする。
(2) 適応的エンファシス回路
輝度信号の低域成分の量にしたがって、出力信号が、入力信号に対して次に掲げる補償特性を持つ回路。
低域成分が0%において 次図に示す周波数特性
低域成分が100%において 0デシベル
この場合、低域成分は、0.5MHz以下の周波数成分とする。
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別表第二号の二(第7条の2第2項関係)
(平7郵令51・追加、平12郵令60・一部改正)
(1) 垂直解像度補強信号は、480本のラインで構成される輝度信号に対して次に示す高域通過特性による帯域制限を行い、ラインの始まりから交互に極性が正負(波形が変わらないとき極性が正であるといい、波形の正負が逆転しているとき極性が負であるという。以下同じ。)をとるようにしたものを、480本のラインから360本のラインに変換した後、順次走査(映像を順次に走査する方式をいう。以下同じ。)から飛越走査(映像を一本おきに飛び越して走査する方式をいう。以下同じ。)に変換した信号とする。
360 1phにおいて 1dB未満の減衰
180 1phにおいて 20dB以上の減衰
注 1phは、垂直方向における輝度変化の画面高当たりの振動数を表す単位の2分の1の単位とする。
(2) 垂直時間解像度補強信号は、360本のラインで構成される輝度信号に対して次の係数を重みに持つ垂直空間周波数フィルタによる帯域制限を行い、順次走査から飛越走査に変換した信号とする。
ライン番号
係数
n−1
−1/4
n
2/4
n+1
−1/4
注 ライン番号は、走査の順に各ラインに対して番号を付したものとする(nは、1から360までの整数とする。)。
(3) 垂直解像度補強信号を、水平走査方向に3分の1に圧縮した後、圧縮前の3ライン分を走査順に1ライン上に配列し、ラインの始まりから交互にラインの極性を反転させると同時に、前のフレームの同じ位置のラインとも極性が反転するように処理した後、振幅を2分の1にした信号と、垂直時間解像度補強信号を水平走査方向に3分の1に圧縮した後、圧縮前の3ライン分を走査順に1ライン上に配列した信号を加算した信号で、垂直補強信号副搬送波を搬送波抑圧振幅変調した信号を垂直補強信号とする。
1 垂直補強信号は、垂直解像度補強信号又は垂直時間解像度補強信号のどちらか1のみでも構成できるものとする。
2 垂直解像度補強信号及び垂直時間解像度補強信号は、それぞれ水平走査方向に圧縮される前に、次に示す低域通過特性によって帯域制限を受けたものとする。
0.8MHzにおいて 6dB未満の減衰
1.0MHzにおいて 6dB以上の減衰
1.2MHzにおいて 20dB以上の減衰
3 順次走査から飛越走査に変換する際、垂直解像度補強信号は、主画部信号(標準テレビジョン文字多重放送の標準方式別図第一号に示す第53Hから第232Hまで及び第316Hから第495Hまでの水平走査期間に対応する映像信号をいう。以下同じ。)と同一のラインをとるものとし、垂直時間解像度補強信号は、主画部信号を補間するラインをとるものとする。
4 垂直補強信号は、総務大臣が別に告示する妨害低減(重畳した垂直補強信号による画面上での視覚的な妨害を低減することをいう。)の技術的条件により妨害低減を行うものとする。
5 極性反転は、最初のフィールドの第nHの水平走査期間に重畳されるラインと次のフィールドの第(n+263)Hの水平走査期間に重畳されるラインの極性が一致するように行われるものとする。この場合において、基準フレーム(補強信号の位相の基準となるフレームをいい、基準フレームと他のフレームは交互に繰り返されるものとする。以下同じ。)の最初のフィールドの第23Hの水平走査期間に重畳されるラインの極性を正とする。
6 垂直補強信号副搬送波の周波数は、色信号副搬送波と同じ周波数、位相は、カラーバーストの位相に対して147度遅れたものとし、振幅は、1とする。
7 垂直補強信号は、変調後振幅を2倍とした後、次に示す特性を持つナイキストフィルタにより、帯域が制限されるものとする。この場合において、色信号副搬送波の周波数におけるナイキストフィルタの利得は、0.5を基準とする。
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(4) 垂直補強信号を重畳する場合、主画部信号は、480本のラインで構成される輝度信号を360本のラインに変換した後、順次走査から飛越走査に変換した信号とする。
1 垂直解像度補強信号を含む垂直補強信号を重畳する場合、480本のラインで構成される輝度信号に対して次に示す低域通過特性による帯域制限を行った後、360本のラインに変換するものとする。
180 1phにおいて 1dB未満の減衰
360 1phにおいて 20dB以上の減衰
2 垂直時間解像度補強信号を含む垂直補強信号を重畳する場合、順次走査の信号に対して次の係数を重みに持つ垂直空間周波数フィルタによる帯域制限を行った後、飛越走査に変換するものとする。
ライン番号
係数
n−2
−1/8
n−1
2/8
n
6/8
n+1
2/8
n+2
−1/8

別表第二号の三(第7条の2第3項関係)
(平7郵令51・追加)
垂直補強信号を重畳する位置
53≦M≦142、316≦M≦405のとき、
m=INT[(M−53−263(P−1))/3]+23+263(P−1)
143≦M≦232、406≦M≦495のとき、
m=INT[(M−143−263(P−1))/3]+233+263(P−1)
N=3L+5(Lは正の整数)のとき、
n=INT[(N−7)/3]+7+252((M−53−263(P−1))−3INT[(M−53−263(P−1))/3])
1 mは、標準テレビジョン文字多重放送の標準方式別図第一号に示す第MHの水平走査期間の輝度信号に対応する垂直補強信号を重畳する水平走査期間の番号を示す。
2 nは、第MHの水平走査期間の第N番目の画素(色信号副搬送波の4倍の周波数でカラーバーストに対して57度遅れた位相と同期したクロックにより水平走査期間を標本化したものをいう。ただし、別表第四号の二に示すB1後縁の立ち下がりにおける振幅値の50%点直後の画素を第35番目の画素とする。以下同じ。)に対応する垂直補強信号を重畳する第mHの水平走査期間中の画素の番号を示す。
3 INT[A]は、実数Aの整数部分を表す。
4 Pは、最初のフィールドのとき、P=1、次のフィールドのとき、P=2とする。
5 Nは、6から762までの整数とする。

別表第二号の四(第7条の2第4項関係)
(平7郵令51・追加)
水平補強信号は、第5条で規定する映像電波の周波数帯域幅で制限される水平帯域以上の水平周波数高域成分により、水平補強信号副搬送波を搬送波抑圧振幅変調したもののうち下側波帯とした信号を、走査するラインごとにラインの始まりから交互に極性を反転させると同時に、前のフレームの同じ位置のラインとも極性が反転するように処理した信号とする。
1 水平補強信号副搬送波の周波数は、色信号副搬送波の7分の16の周波数とし、振幅は、1とする。
2 別表第四号の二に示すB1後縁の立ち下がりにおける振幅値の50%点直後の、カラーバーストの位相に対して57度遅れた位相の色信号副搬送波の振幅が最大となる位置において、水平補強信号副搬送波は、立ち上がりの零クロスとする。
3 極性反転は、最初のフィールドの標準テレビジョン文字多重放送の標準方式別図第一号に示す第nHの水平走査期間に重畳されるラインと次のフィールドの第(n+263)Hの水平走査期間に重畳されるラインの極性が一致するように行われるものとする。この場合において、基準フレームの最初のフィールドの第53Hの水平走査期間に重畳されるラインの極性を正とする。

別表第三号(第8条第1項関係)
(1) 最初のフィールド
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(2) 次のフィールド
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(3) 水平同期パルス及びカラーバースト
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注 Hは、一つの走査線の初めから次の走査線の初めまでの時間とする。

別表第四号(第8条第6項関係)
(平7郵令51・一部改正)
(1) ゴースト除去基準信号は、ゴースト除去基準波形とペデスタル波形から成り、次図に示すものとする。
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1 振幅値は、ペデスタルレベルを0、映像信号の白レベルを+100としたときの値とする。
2 時間軸は、水平同期パルスの立ち下がりにおける振幅値の50%点を基準とする。
3 scは、(1/3.579545)μsとする。
4 ゴースト除去基準波形の立ち上がりは、sinX/Xを積分した特性とし、そのナイキスト周波数は、4.177447MHzとする。
5 ゴースト除去基準波形の立ち下がりは、sin2X特性とし、振幅値の90%点から10%点までの時間は、0.25μsとする。
(2) ゴースト除去基準信号は、標準テレビジョン文字多重放送の標準方式別図第一号に示す垂直帰線消去期間における第18H及び第281Hの水平走査期間に重畳するものとし、その重畳方法は、次表のとおりとする。
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別表第四号の二(第8条第7項関係)
(平7郵令51・追加)
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1 振幅値は、ペデスタルレベルを0、映像信号の白レベルを+100としたときの値とする。
2 SCは、(1/3.579545)μsとする。
3 水平走査期間に、7SC時間幅を基準として27ビットの領域を設け、それぞれのビットをBnとする(nは、1から27までの整数とする。)。
4 水平同期信号の前縁の立ち下がりにおける振幅値の50%点からB1後縁の立ち下がりにおける振幅値の50%点までの時間は、40SCを基準とする。ただし、B1後縁の立ち下がりにおける振幅値の50%点は、カラーバーストの位相と同位相の色信号副搬送波の零クロス点と一致することを基準とする。
5 Bnの開始及び終了位置は、B1後縁の立ち下がりにおける振幅値の50%点を基準として、それぞれ、(7n−14)SC、(7n−7)SCを基準とする。
6 B1からB5まで及びB24は、セットアップレベル0、振幅40の2値NRZパルスとする。その波形の立ち上がり及び立ち下がりは、sin2X特性とし、振幅値の10%点から90%点までの期間は145nsを基準とする。
7 B6からB23までは、セットアップレベル0、振幅±20の色信号副搬送波と同じ周波数の正弦波とし、その位相は、識別制御信号の内容が「0」のときカラーバーストの位相と同相、「1」のとき逆相とする。その正弦波の立ち上がり及び立ち下がりにおける包絡線はsin2X特性とし、包絡線の10%点から90%点までの時間は290nsを基準とする。
8 B25からB27までは、セットアップレベル0、振幅±15の色信号副搬送波の7分の4の周波数の正弦波とし、第680番目の画素の位置において、立ち上がりの零クロスとする。その正弦波の立ち上がり及び立ち下がりにおける包絡線はsin2X特性とし、包絡線の10%点から90%点までの時間は、290nsを基準とする。

別表第五号(第14条第3項関係)
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1 Dは、1ビット遅延素子を表す。
2  イメージ は、排他的論理和の演算素子を表す。
3 スイッチは、フレーム行列の第1列の第1行から第16行までの符号を入力するときは上側に、その他のときは下側に接続するものとする。
4 フレーム行列の第17行第1列の符号が読み出されるとき、すべての1ビット遅延素子の符号は「1」とする。

別表第六号(第14条第6項関係)
周波数(MHz)
スペクトルの相対振幅
−0.35RS<f≦0.35RS
1
−0.65RS<f≦−0.35RS
0.35RS<f≦0.65RS
√(0.5(1+cos(π(|f|/RS−0.35)/0.3)))
f≦−0.65RS
f>0.65RS
0
1 fは、音声信号副搬送波周波数からの差の周波数とする。
2 RSは、音声信号副搬送波を変調する信号の伝送速度の2分の1(単位Mb/s)とする。
3 πは、円周率を表す。

別表第七号(第17条第2項関係)
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1 bはビットを示し、フレーム行列への書き込み順に1から288までのビット番号を付す。
2 ヘッダ部は、データパケットの種別の識別のために使用するものとする。
3 データ部は、データの伝送のために使用するものとする。