発 表 日 : 2001年5月16日(水) タイトル : 人体側頭部のそばで使用する携帯電話端末等に対する電波防護規制の導入
− 無線設備規則等の一部改正に係る電波監理審議会答申及び携帯電話端末等に対する電波防護規制の導入に係る意見の募集結果 −
総合通信基盤局
総務省は、人体側頭部のそばで使用する携帯電話端末等に対する電波防護規制の導入のため、無線設備規則及び特定無線設備の技術基準適合証明に関する規則の一部改正について、本日、電波監理審議会(会長、辻井 重男 中央大学理工学部教授・研究開発機構長)から、諮問のとおり改正することが適当とする旨の答申を受けました。
1 改正の背景
無線設備の電波が人体に好ましくない影響を及ぼさないように、その強度等に関し、電気通信技術審議会から「電波防護指針」が答申されており、それに基づき携帯電話基地局及び放送局等については、すでに電波防護規制が導入されているところです。
今回、人体側頭部のそばで使用する携帯電話端末等の無線設備に対しても電波防護に関する統一的な測定方法が定まったことから当該設備に対しても、電波防護規制を導入するため、平成13年3月21日に電波監理審議会に関係省令の改正を諮問したところ、本日、諮問のとおり改正することが適当とする旨の答申を受けたものです。
なお、平成13年3月21日から平成13年4月17日まで本件改正案について意見の募集を行いました。主な意見及びそれに対する総務省の考え方は別紙のとおりです。
総務省としては、本件答申及び意見の募集結果を踏まえ、改正案のとおり省令を改正することとします。
2 主な改正点
- (1) 無線設備規則
- 携帯電話端末等の人体頭部における許容値を規定(第14条の2)
- (2) 特定無線設備の技術基準適合証明に関する規則
- 技術基準適合証明の特性試験の試験項目に比吸収率を追加(別表第3号)
- (3) その他
- 公布の日から一年を経過した日から施行、その他所要の経過措置を設ける。
関係報道資料
「安心して電波を利用できる環境を整備するために」(1997年4月24日)
「人体側頭部の側で使用する携帯電話端末等に対する比吸収率の測定方法の策定」(2000年11月27日)
「人体側頭部のそばで使用する携帯電話端末等に対する電波防護規制の導入について」(2001年3月21日)
「人体側頭部のそばで使用する携帯電話端末等に対する電波防護規制の導入に係る、無線設備規則及び特定無線設備の技術基準適合証明に関する規則の改正案に対する意見の募集」(2001年3月21日)
連絡先: 総合通信基盤局電波部電波環境課 担 当: 矢島課長補佐、上川生体電磁環境係長 電 話: 03−5253−5907
参考
人体に対する電波防護に関する取組状況
別紙
人体側頭部のそばで使用する携帯電話端末等に対する電波防護規制の導入に係る、無線設備規則及び特定無線設備の技術基準適合証明に関する規則の改正案に対する意見の募集結果
総務省は、人体側頭部のそばで使用する携帯電話端末等に対する電波防護規制の導入に係る、無線設備規則及び特定無線設備の技術基準適合証明に関する規則の改正案について、平成13年3月21日から同年4月17日までの期間、意見を募集したところ以下のような意見が提出されました。
- 意見提出者
・個人26名
・団体 1団体
- 主な意見
本件改正案に関係する意見の概要は次のとおりです。
意 見 概 要 考 え 方 10g組織当たり2W/kgではなく1g組織当たり1.6W/kgにすべき
(同趣旨意見1件)電波防護規制値は、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)の指針値と同様の指針値を採用しています。また、世界保健機関(WHO)が2000年6月に発表したファクトシートに「健康面に基づいたガイドラインを遵守すること」とあり、国際ガイドラインを遵守することを推奨しております。なお、本規制値には、現在、世界に2つの基準値がありますが、世界保健機関(WHO)においてこの基準値の国際調和を図るための調整作業が行われているところです。総務省としてはこのような状況を踏まえ平成9年電気通信技術審議会答申を尊重し、原案通りの基準値とします。 比吸収率の表示の義務づけを行うこと 電波法上、通信機器の周波数等の個別具体的な性能を無線機器に表示させることを義務づけていないことから、比吸収率についても同じ位置づけとし、メーカ及び事業者の自主的な取り組みに期待します。 比吸収率の周知徹底を図ること 本制度の導入のほか、比吸収率について正しい理解が得られるように周知徹底を図っていくこととします。
なお、携帯電話基地局に関する意見が提出されましたが、一部改正案とは直接関係ありませんでした。