平成18年5月30日 | |||||||||||
電波の医療機器への影響に関する調査結果800MHz帯W−CDMA方式の携帯電話端末の電波が植込み型医療機器へ与える影響の確認 |
|||||||||||
|
|||||||||||
新たに実用化された800MHz帯W−CDMA方式の携帯電話サービスで用いられる携帯電話端末の代表的機種から発射される電波が、現在使用されている植込み型医療機器の代表的機種へ及ぼす影響について、その影響が一番大きくなる最悪の実験条件を設定して調査しました。
調査機種数は、次のとおりです。
(1) 携帯電話端末 携帯電話事業者の協力を得て、次の携帯電話端末について調査を実施しました。
・800MHz帯W−CDMA方式 1機種(注)
注 調査対象とした携帯電話端末は、調査実施時点において入手可能であった機種の中で電波の放射強度が最も高い機種を選定しました。
(2) 植込み型医療機器 ペースメーカ協議会の協力を得て、次の植込み型医療機器について調査を実施しました。
・植込み型心臓ペースメーカ 30機種
・植込み型除細動器 9機種
|
|||||||||||
(1) 植込み型心臓ペースメーカについては、ペーシング機能への影響(注1)を生じる場合があることが確認されました。この影響は、携帯電話端末を遠ざければ正常に復する可逆的なもので、最も遠く離れた位置でこの影響が確認されたときの距離(最大干渉距離)は3cmでした。 (2) 植込み型除細動器については、ペースメーカ機能及び除細動機能のいずれに対しても影響は確認されませんでした。 注1 ペーシング機能への影響:外部からの電波の影響により以下の状態が発生すること。
(1) 心臓ペースメーカ等が設定された周期でペーシングパルスを発生している状態において、外部からの電波の影響を受けたことによりペーシングパルスが抑圧され、又は、設定された周期からのずれが発生してしまった状態。
(2) 心臓ペースメーカ等のペーシングパルスが抑圧されている状態において、外部からの電波の影響を受けたことによりペーシングパルスが発生してしまった状態。
注2 本調査では、植込み型医療機器へ及ぼす影響が最大となるよう、携帯電話端末の送信出力を最大にするなどの厳しい条件で試験をしており、調査結果(最も遠く離れた位置で影響が確認された距離等)を通常の通信状態における携帯電話方式間の比較に用いることは適当ではありません。
|
|||||||||||
平成16年度までに実施した、各種電波利用機器(携帯電話端末、PHS端末、ワイヤレスカード(非接触ICカード)システム、電子商品監視(EAS)機器、RFID(電子タグ)機器及び無線LAN機器)を対象とした電波の植込み型医療機器への影響に関する調査の結果に基づき、平成17年8月に「各種電波利用機器の電波が植込み型医用機器へ及ぼす影響を防止するための指針」を取りまとめています。
今回の調査では、800MHz帯W−CDMA方式の携帯電話端末の電波が植込み型医療機器に影響を及ぼす最大干渉距離は、指針にある「22cm程度」に比べて十分に小さいことが認められます。しかしながら、現在使用されている携帯電話端末の機種を考慮すると、本指針における「携帯電話端末及びPHS端末の電波が植込み型医用機器へ及ぼす影響を防止するための指針」は現在でも妥当です。
・「医用電気機器への電波の影響を防止するための携帯電話端末等の使用に関する指針」 http://www.emcc-info.net/others/keitai.html(電波環境協議会のHPへのリンク)
注 このアドレスには迷惑メール防止対策を施しています。使用の際は、/atmark/を、@に置きかえてください。 ・電波の医用機器等への影響に関する調査研究報告書 ・各種電波利用機器の電波が植込み型医療機器へ及ぼす影響を防止するための指針 |
|||||||||||