平成25年12月25日 | |
平成24年度電波の医療機器等への影響に関する調査結果及び
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1 経緯
総務省は、安全で安心な電波利用環境の整備・維持のため、平成12年度から毎年度、新たに導入された各種電波利用機器を対象に、それら機器から発射される電波が植込み型医療機器(心臓ペースメーカ及び除細動器)に与える影響について調査を実施しています。
近年、スマートフォン等の無線端末によって高速かつ大容量通信を可能とするサービスが開始されており、LTEと呼ばれる新たな無線通信方式による無線サービスが急速に普及しています。また、それら近年利用が拡大している電波利用機器の中には、無線LANと携帯電話などの複数種類の電波を1台の端末で同時に放射する機能を有するものが少なくありません。
このため、平成24年度においては、LTE方式の携帯電話端末から発射される電波が植込み型医療機器に及ぼす影響について調査を行いました。また、複数種類の電波を同時に植込み型医療機器に照射した場合の影響については、本格的な調査を行うための試験方法が確立していなかったことから、予備調査として適切な試験方法の検討を行いました。
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2 調査結果の概要
LTE方式の携帯電話端末から発射される電波の影響調査においては、現在使用されている植込み型医療機器の中から選定した25機種(植込み型心臓ペースメーカ13機種、植込み型除細動器12機種)を対象に、スクリーニング測定を経た上で携帯電話端末実機を用いた影響測定を実施したところ、影響の発生はありませんでした。
また、複数種類の電波が植込み型医療機器に与える影響の調査に向けた基礎調査においては、平面型広帯域アンテナを用いた測定系を構築し、複数種類の電波による影響調査が実施可能であることを確認しました。なお、本調査で確立した試験方法に基づき、平成25年度の「電波の医療機器等への影響に関する調査」において、複数種類の電波が植込み型医療機器に与える影響の調査を実施しています。
調査結果の詳細については、別添1 のとおりです。
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3 指針の改定について
携帯電話端末から発射された電波が植込み型医療機器に与える影響を防止するための指針は以下のとおりです。
本調査の結果に基づき、平成25年10月8日に開催した第9回「生体電磁環境に関する検討会」 において議論したところ、LTE方式の携帯電話端末に対しても上記の指針ア、イを適用することが適切であるという結論に達しました。総務省は、検討会の意見を踏まえ、指針の参考2「調査対象及び調査実施時期」の「1 携帯電話端末及びPHS端末」の表に「LTE(800MHz、1.7GHz、2GHz)」を追加する改訂を行います。
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(関係資料)
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