平成26年5月23日 | |
平成25年度電波の医療機器等への影響に関する調査結果及び
|
|
|
|
1 経緯
総務省は、安全で安心な電波利用環境の整備・維持のため、平成12年度から毎年度、新たに導入された各種電波利用機器を対象に、それら機器から発射される電波が植込み型医療機器(心臓ペースメーカ及び除細動器)に与える影響について調査を実施し、調査結果に基づき指針を策定しています。
現在、携帯電話端末については、過去の調査において一部の植込み型医療機器が最長で3cmの離隔距離で影響を受けることがあったことから、指針では、植込み型医療機器の装着部位から15cm程度離すこと等としています。
一方、近年利用が拡大しているスマートフォン等の無線端末の中には、一台の端末内に携帯電話と無線LANなどの複数種類の電波を備え、同時に放射する機能を有するものが少なくありません。
このため、平成25年度においては、携帯電話(W−CDMA方式)と無線LAN(IEEE802.11n方式)の電波が同時にスマートフォン等の端末から発射されたときの植込み型医療機器に及ぼす影響について調査を行いました。
|
|
2 調査結果の概要
W−CDMA方式とIEEE802.11n方式の電波が同時に発射された場合の影響調査においては、現在使用されている植込み型医療機器の中から網羅性を確保して選定した30台(植込み型心臓ペースメーカ14台、植込み型除細動器16台)を対象に、スクリーニング測定(携帯電話端末実機よりも厳しい条件)を経た上で、携帯電話端末実機を用いた影響測定を実施しました。
スクリーニング測定では、2台の植込み型心臓ペースメーカで1.5cmの距離でカテゴリーレベル2※の影響が発生しました。これについては、W−CDMA方式の電波だけを照射しても同程度の影響が発生したことから、影響の要因はW−CDMA方式の電波が支配的であったと考えられます。
また、影響が発生した2台について携帯電話端末実機による測定を行ったところ、影響の発生はありませんでした。
※カテゴリーレベル2…1周期(2秒)以上のペーシング/センシング異常。持続的な動機、めまい等の原因になりうるが、その場から離れる等、患者自身の行動で現状を回復できるもの。
調査結果の詳細については、別添1 のとおりです。
|
|
3 指針の改定について
本調査の結果に基づき、平成26年4月17日に開催した第10回「生体電磁環境に関する検討会」 において議論したところ、スマートフォン等の無線LANを内蔵した携帯電話端末に対しても、指針の記述を適用することが適切であるという結論に達しました。総務省は、検討会の意見を踏まえ、指針を別添2のとおり改訂します。改訂後の指針は別添3のとおりです。
|
|
(関係資料)
|
|