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太陽光発電システムを原因とする無線通信の妨害について

1.概要

最近、太陽光発電システムからの不要電波の発射による無線通信への妨害が全国で多発しております。
大規模な太陽光発電所からだけでなく、一般の住宅に設置されている太陽光発電システムからの不要電波によって、防災行政無線等の人命に関わる無線通信が妨害をうけた事例も把握しております。
不要発射の発生の影響とその原因を理解し、妨害電波が発生しないよう注意しましょう。

2.影響と原因

こうした妨害が発生した場合、近隣の無線局の通信ができなくなる可能性があります。
特に、防災行政無線の通信ができなくなった場合、屋外拡声器や戸別受信機を介して防災情報や行政情報を受信できなくなってしまいます。

太陽光発電から不要電波が発射される原因として、パワーコンディショナー(パワコン)が主要な原因となっています。パワコンが直接発する電波だけでなく、パワコンから交流線や直流線に高い周波数の電流が流れることで副次的に不要電波を発するケースも考えられます。

3.確認された事例

総務省では疑わしい事例を含め、令和元年以降約100件の事例を把握しております。以下に代表的な事例を紹介します。

事例1

約770m離れた太陽光発電所からの不要電波によって、漁業指導用の無線局において通信にノイズが入り受信できなくなった。不要電波を発している系統を特定し、EMIフィルタを挿入することで障害は解消した。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000737767.pdfリンク先PDFファイルを別ウィンドウで開きます

事例2

約150m離れた家庭用太陽光発電システムからの不要電波によって、放送受信所において通信にノイズが入るようになった。家庭用太陽光発電システムのパワコンの直流線に高周波のフェライトコアを挿入したところ、放射ノイズが低減され、放送受信所への影響はなくなった。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000936230.pdfリンク先PDFファイルを別ウィンドウで開きます

4.対策

こうした妨害を防ぐために「太陽光発電システムの導入者」及び「太陽光発電システムの施工者」がそれぞれ対策すべき点についてご説明します。

【太陽光発電システムの導入者】

太陽光発電システムを導入する際には、不要電波の発射が弱い機種を選定するようにすることでこうした妨害の発生の可能性を抑えることができます。
特に国際規格であるCISPR 11第6.2版以降の基準に適合したパワコンであれば、不要電波の強度が一定値以下となることが確認されているため、妨害を発生させるおそれが低くなります(これまでの障害事例で該当はありません)。

また、導入した太陽光発電システムが無線通信に妨害を与えることが明らかになった場合には、施工業者等にご連絡いただき、追加の対策を行っていただきますようお願いいたします。

【太陽光発電システムの施工業者】

太陽光発電システムを施工する場合には、不要電波の発射が弱い機種を選定するようにすることでこうした妨害の発生の可能性を抑えることができます。
特に国際規格であるCISPR 11第6.2版以降の基準に適合したパワコンであれば、不要電波の強度が一定値以下となることが確認されているため、妨害を発生させるおそれが低くなります(これまでの障害事例で該当はありません)。

また、上記の基準に適合していない機器を設置する場合でも、施工時にシールドケーブルを利用するなどの工夫をすることでもこうした妨害を防ぐことが可能です。施工する機器製造者が提供する設置マニュアルやガイドラインにしたがって施工を行うことも重要です。

施工した太陽光発電システムが仮に無線通信に妨害を与えることが明らかになった場合には、ノイズフィルタを追加するなど、速やかに障害の原因の除去を行っていただくようお願いいたします。

5.障害発生時の連絡先

障害の発生を認知した場合にはお住まいの地域の総合通信局(沖縄県の場合は沖縄総合通信事務所)の混信・妨害などに関する窓口までご連絡ください。

担当:総合通信基盤局電波部電波環境課