アマチュア無線の教育・研究活動での活用に係る基本的な考え方
本資料は、あくまでも現時点での一般的な考え方等を示すものであり、個別事案に対する考え方等は、当該事案における事実関係を前提にし、事案ごとに法令の趣旨を踏まえて実質的に判断されるものであることに御留意ください。
本資料における記載は、すべてを網羅的に記載したものではなく、将来における総務省の考え方等や解釈を保証するものではありません。
また、必要に応じて、随時更新することとしています。
制度の趣旨について
アマチュア無線が教育活動や研究活動で活用できるようになりますが、制度改正の概要を教えてください。
教育や研究の場でアマチュア無線が活用できることを明確化するため、アマチュア業務の定義に「教育又は研究活動のために行う無線通信業務」を明記しました。
教育活動や研究活動によるアマチュア無線の使用は、いずれもアマチュア局免許人個人が、その意思により「個人的な興味」によって自発的にその活動に携わり無線通信を行うものであり、その無線通信業務がアマチュア業務に含まれることを定義の改正により明確化するものです。
(令和5年3月22日公布・施行)
教育活動、研究活動について
本制度の教育活動、研究活動とは、どのような活動でしょうか。
教育活動や研究活動によるアマチュア無線の使用は、一般に、例えば、①学校の授業中や課外活動(クラブ活動)等でアマチュア無線を利用した実演、実習、実験等を行うこと、②大学等の研究室等での各種の研究への利用などが考えられるとともに、③学校行事(運動会、学園祭)や研究活動時において連絡に使用することが考えられます。
一方、学校や研究施設であるからといって、教育又は研究活動に直接関わらない学校や研究施設の運営(施設運営管理等)での連絡に使用することは、アマチュア業務には含まれません。
(注)アマチュア業務の範囲については、個々の案件ごとに、反復・継続性、営利性、組織的利用、通信内容などについて総合的に判断し、対応しております。
本制度の教育活動、研究活動に該当しない活動には、どのようなものがあるでしょうか。教育活動や研究活動であれば、企業等の営利法人等の営利活動のために行う通信であっても、アマチュア無線の使用が認められるでしょうか。
アマチュア無線は仕事(企業等の営利法人等の営利活動)に使うことはできません。
教育活動や研究活動であっても、企業等の営利法人等の営利活動のためにアマチュア無線を使用することは認められません。なお、教育又は研究活動を行う指導者等が、所属機関から給与の支払を受けていること、企業等から研究費を受けていることのみをもっては、金銭上の利益のために当該無線通信が行われているものとは考えておりません。
なお、アマチュア業務の範囲については、個々の案件ごとに、反復・継続性、営利性、組織的利用、通信内容などについて総合的に判断されるものです(なお、営利性は、有償か無償かで判断するものではありません。)。
アマチュア無線局の免許は、個人又は社団(アマチュア無線従事者により構成。根本基準第6条の2第1号⑶)でなければ受けることができません。当然ながら、アマチュア無線の使用に当たっては、アマチュア無線に係る法令を遵守する必要があります。
(注)アマチュア業務の範囲については、個々の案件ごとに、反復・継続性、営利性、組織的利用、通信内容などについて総合的に判断し、対応しております。
アマチュア無線の使用にあたって
アマチュア無線を使用するために必要な資格はありますか。
アマチュア無線を使用するためには、①アマチュア無線従事者免許、②アマチュア無線局免許が必要です。
なお、アマチュア無線局は、個人又はアマチュア業務の健全な普及発達を図ることを目的とする社団※でなければ、免許人となることができません。
※「無線局(基幹放送局を除く。)の開設の根本的基準」第6条の2参照
アマチュア無線を教育活動や研究活動で使用する場合に、総務省(総合通信局等)への申請や届出等の手続は必要ですか。
既にアマチュア無線局を開局されている方であれば、総務省(総合通信局等)への手続は必要ありません。無線従事者資格、無線局免許状の範囲で御活用ください。
教育活動や研究活動によるアマチュア無線の使用にあたり、どのようなルールがあるでしょうか。
教育活動や研究活動に使用する場合であっても、アマチュア無線に係る法令を遵守してください。電波法令に違反すると、罰則があります。(以下の「代表的なルールの例」を参照。)
アマチュア無線は、多数の人が同じ周波数を共同で利用しています。その通信には秘匿性がなく、他のアマチュア無線局にも聞かれている場合があります。
なお、教育活動や研究活動によるアマチュア無線の使用が、他のアマチュア無線の使用に優先されるなど、アマチュア無線同士での通信の優先順位はありません。
(代表的なルールの例)
- アマチュア無線を使用するためには、無線従事者免許と無線局免許が必要です。
- コールサイン(呼出符号)は必ず言いましょう。
- 周波数の使用区別(バンドプラン)を守りましょう。
- 他のアマチュア無線局の利用を妨げないように心がけましょう。
- 無線局免許状の範囲で運用しましょう。
教育活動や研究活動において、アマチュア無線が適さないものはありますか。
アマチュア無線は仕事(企業等の営利法人等の営利活動)に使うことはできません。
また、アマチュア局は多数の免許人で周波数を共用してお互いに譲り合いながら電波を使用して国内外の他者との通信を行うことを目的とするものです。このため、暗語を使用してはならないこととされており(電波法第58条)、アマチュア局の送信装置は秘匿性を与える機能については有してはならない(設備規則第18 条)とされており、また、同一人が開設するアマチュア局の間の通信も認められないものです。暗号通信や免許人単独での通信については、実験等無線局を開設することが適当と考えます。