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ITU-R

1.ITU-Rの概要

電気通信分野における国際連合の専門機関である国際電気通信連合(ITU: International Telecommunication Union)の無線通信部門(ITU-R: ITU Radiocommunication Sector)で、無線通信に関する国際的規則である無線通信規則(RR: Radio Regulations)の改正、無線通信の技術・運用等の問題の研究、 勧告の作成及び周波数の割当て・登録等を行っている。

ITUの概要は、次のとおり。

[ITUの概要]

  1. 加盟国 193か国(2016年4月現在)
  2. 本部 ジュネーブ(スイス)
  3. 職員 約800名(2016年4月現在)
  4. 任務
    1. 無線周波数スペクトラムの分配
      無線周波数割当(わりあて)及び静止衛星軌道の登録
    2. 混信の除去、電波の利用改善のための取組みの調整
    3. 電気通信の世界的な標準化の促進
    4. 発展途上国への技術援助の促進
    5. 宇宙技術利用など電気通信手段の調和のとれた発展に向けた取組みの調整
    6. できる限り低廉な通信料金を設定するための国際協力の促進
    7. 電気通信に関する、研究の実施、規則の改定、決議の採択、勧告及び意見の作成 等

2.ITU-Rの構成

  1. 世界無線通信会議(WRC: World Radiocommunication Conference):

    周波数の国際的な分配、衛星軌道の利用方法、無線局の運用に関する各種規定、技術基準等の検討を行う。

  2. 地域無線通信会議(RRC: Regional Radiocommunication Conference):

    ある特定の地域における無線通信に関する協定等について審議を行う。

  3. 無線通信総会(RA: Radiocommunication Assemblies):

    無線通信技術・運用等の問題について勧告の承認等を行う。

  4. 無線通信規則委員会(RRB: Radio Regulations Board):

    無線通信規則及び世界無線通信会議の決定に適合した手続き規則の承認、現行の手続き規則で解決できない事項の検討を行う。

  5. 無線通信研究委員会(SG: Study Group):

    無線通信技術・運用等の問題の研究及び勧告の作成を行う。テーマ毎に以下の7つの委員会が設置されている。

    • SG1:周波数管理
    • SG3:電波伝搬
    • SG4:衛星業務
    • SG5:地上業務
    • SG6:放送業務
    • SG7:科学業務
  6. 無線通信アドバイザリーグループ(RAG: Radiocommunication Advisory Group):

    ITU-Rにおける計画、戦略等について無線通信局長に助言すると共に、 各無線通信研究委員会の作業指針等を示す。

  7. 会議準備会合(CPM: Conference for Preparatory Meeting):

    世界無線通信会議の準備のため無線通信研究委員会の成果等のとりまとめを行う。

3.ITU無線通信総会(RA-15)の結果概要

  1. 日時等
    • 日時:
      平成27年10月26日(月)から30日(金)
    • 開催場所:
      スイス・ジュネーブ国際会議場
    • 参加国:
      107か国の情報通信関係省庁、電気通信事業者、メーカーなど459名が参加。日本からは、総務省、電気通信事業者を始め30名が参加。また、我が国の橋本明氏(NTTドコモ)が会合全体の議長を務めた。
  2. 主な結果
    1. 研究委員会(SG)から提出された勧告案の承認

      4件の新規勧告及び3件の改訂勧告が承認された。主な勧告は以下のとおり。

      「VHF海上移動周波数帯におけるVHFデータ通信システムの技術特性に関する新規勧告」
      主に船舶の安全運航に関する通信に使用されているVHF帯の海上通信をそれ以外の通信にも利用できるようにするために、新たなデータ通信方式VDES(VHF Data Exchange System)を導入するための技術特性を定めるもの。
    2. 提出された決議案の承認

      6件の新規決議、22件の改訂決議及び5件の決議削除が承認された。主な決議は以下のとおり。

      「2020年以降のIMT(International Mobile Telecommunication)の将来開発プロセスに関する原則に関する新規決議」
      2020年以降の移動通信システムの無線インターフェース勧告等の開発作業工程、進め方等に関する原則について規定するもの。
    3. 次期研究会期における研究課題案の承認

      次期研究会期(2016年~2019年)における各SGの200件の研究課題が承認された。主な研究課題は以下のとおり。

      「放送のための高ダイナミックレンジテレビ(HDR-TV)システムに関する研究課題」
      映像のピーク輝度を従来よりも高め、表現できる明暗幅を拡大させることで映像をより鮮明に表現するHDR(High Dynamic Range)について、現行TVサービスから将来のHDR-TVサービスへの移行に伴う技術的条件(システムパラメータ、既存システムとの互換性等)について研究する。
    4. SG議長・副議長の任命

      我が国から推薦していた以下の3名全員が次期研究会期の議長及び副議長に任命された。

      • SG6(放送業務) 議 長 西田 幸博(NHK)
      • SG4(衛星業務) 副議長 河合 宣行(KDDI)
      • SG5(地上業務) 副議長 新 博行(NTTドコモ)
    5. 次回RAの予定

      次回RAは2019年に開催予定。

担当:総合通信基盤局電波部電波政策課国際周波数政策室