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よくある質問(Q&A)

よくある質問(Q&A)

電波の安全性について、よくある質問にお答えします。

Q1
Q2
Q3
Q4
Q5
Q6
Q7
Q8
Q9
Q10
Q11
Q12
Q13
A1
電磁波のうち周波数が3T(テラ)Hz以下のものを電波といい、我が国の電波法に規定されています。電波は人類が誕生する以前から自然界にあります。例えば、雷や摩擦電気の火花放電により電波は発生します。また、電波は電磁波の一種ですが、太陽や宇宙空間からも紫外線や可視光線のほか、さまざまな周波数の電磁波が地球に届いています。現在では、電波はテレビ、ラジオ、携帯電話をはじめ、気象衛星やGPS(位置情報システム)、ITS(高度道路交通システム)、電子レンジなどにも使用され、私たちの生活に欠かせない重要なものとなっています。
A2
電波には、X線やγ線などのように、細胞の遺伝子を傷つける作用(電離作用)はなく、人体が非常に強い電波にばく露されると、「刺激作用」や「熱作用」が起こることが分かっています。「刺激作用」とは、人体に電流が生じることにより、神経や筋の活動に影響を与える作用のことで、「熱作用」とは、人体に電波のエネルギーが吸収されることにより、体温が上昇する作用のことです。「刺激作用」は約10MHz以下の周波数、「熱作用」は約100kHz以上の周波数において起こることが確認されています。これまでの長年にわたる研究の蓄積により、このような生体への作用を及ぼす電波の強さが分かっており、それに基づいて電波の安全基準である「電波防護指針」を策定しています。総務省では、この指針がきちんと守られるよう、法令に基づいて必要な規制を行っています。
(参考)電磁波の分類と生体作用
A3
電波の強さは、電界強度や磁界強度、電力密度(電力束密度)などの物理量で表されます。それぞれ、V/m(ボルト毎メートル)、A/m(アンペア毎メートル)、mW/cm2(ミリワット毎平方センチメートル)という単位が用いられます。波源から十分に離れた場所では、電力密度(S)は、電界強度(E)と磁界強度(H)の間に、以下の関係があります。

S[mW/cm2]=E[V/m]×H[A/m]/10=E2/3770=37.7H2

また、これらの量の他に、熱作用を評価する量として、比吸収率(SAR:Specific Absorption Rate)というものがあります。SARとは、生体が電磁界にさらされることによって、単位質量あたりの組織に単位時間に吸収されるエネルギー量をいいます。単位はW/kg(ワット毎キログラム)で表されます。SARの大きさは人体の各部で異なります。熱作用を評価するためには、全身で平均した「全身平均SAR」、局所の10gの組織で平均した「局所SAR」が使われます。なお、SARは、体内に生じる物理量で示されるため、直接測定することは困難です。そのため、測定可能な物理量で示した電磁界強度指針を定めています。電磁界強度指針値は、SARを用いて評価された許容値(W/kg)を超えることのない、人体に入射する電界強度(V/m)、磁界強度(A/m)及び電力密度(mW/cm2)で示された値になっています。
A4
遠くの放送タワーや基地局からの電波に人体がばく露する場合、全身ばく露(全身加熱)の影響を考慮して基準値が定められています。全身ばく露における体温上昇により、動物の行動パターンに変化が現れる閾値は、全身平均SARで約4W/kg(長時間浴びた場合、約1℃の深部体温の上昇に相当)であることが知られています。そこで、電波防護指針では、4W/kgから10倍の安全率を考慮した全身平均SARの値として0.4W/kgを基礎指針値として定めています。なお、人間は小動物に比べて熱調整機能が発達しているため、温度上昇はより小さいことが知られています。一方で、実際にSARを測定することは難しいので、電波防護指針ではこの全身平均SAR値を超えることがない電界強度や磁界強度を管理指針として規定しています。管理指針では、職業的な環境に対しては基礎指針値である、全身平均SARが0.4W/kgを超えることがないレベルを定めており、さらに、一般環境(一般の居住環境等)においては、基礎指針値から5倍の安全率を考慮して全身平均SARが0.08W/kgに相当するレベルを定めています。
また、携帯電話等の身体に近接して使用する場合には、アンテナ近傍の人体の一部分において比較的強い電波がばく露されることから、局所ばく露(局所加熱)の影響を考慮して基準値が定められています。局所ばく露における局所的な体温上昇については、血流がなく熱に弱い組織である眼球への影響が調査されており、眼球でのSARが100W/kg以上の場合、43℃以上に温度が上昇(白内障が生じるレベル)することが報告されています。また、眼球以外の様々な組織について、局所的な温度上昇による影響を調べた結果、1℃を超えない温度上昇の場合には、健康に悪影響を及ぼすことはないと考えられています。そこで、局所での温度上昇が1℃を大きく超えることがないように、電波防護指針では局所SARについての基準値を10W/kg(管理環境)と2W/kg(一般環境)としています。この値は電磁界強度指針と同様に、眼球への影響の閾値に対して10倍・50倍の安全率を考慮したものになっています。
なお、電波防護指針における電磁界強度に関する基準値(一般環境)については、電波法施行規則第21条の3別表第2号の3の2に、局所吸収に関する基準値(一般環境)については、無線設備規則第14条の2に記載されています。
(参考)
A5
我が国の電波防護指針の基準値は、ICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)が定める国際的なガイドラインと同等です。国際的なガイドラインは、がんや非熱効果に関する報告を含む、専門家による評価を受けたすべての科学文献を評価することにより策定されており、欧州をはじめとして広く国際的に利用されています。
一方、国際的なガイドラインと異なる基準値を採用している国や地域が一部にあることから、WHO(世界保健機関)では、国際的なガイドラインを採用するよう推奨しています。
A6
実際に携帯電話基地局のアンテナから発射される電波の強さ(電力密度)がどの程度か計算により示したものが下図になります。
電波の強さは、アンテナからの距離の二乗に反比例して小さくなりますが、実際にアンテナを設置する際には、できる限り均一な品質の通話ができるようにアンテナに指向性を持たせています。下図では例として、アンテナから200m先に指向性を持たせていますが、20m先の地点よりも200m先の地点の方が高い値となっています。ただし、この場合でも電波の強さは、基準値よりもはるかに低い値となっており、携帯電話基地局の場合、基準値を超える範囲はアンテナから指向方向に60cm程度以内となっています。
具体的な算出方法については、「電波防護のための基準への適合確認の手引きリンク先PDFファイルを別ウィンドウで開きます(128KB)」を参照ください。
図.基地局から発射される電波の強さ

※携帯電話基地局のアンテナは、ある特定の方向(図の例ではアンテナから200m先の地点)に電波を発射している。建物の内部では、電波は壁や屋根によって吸収・反射されるので、電波の強さは基準値をはるかに下回る。

次に、携帯電話端末からの電波の強さについて、省令における規制値は、任意の組織10gあたり2W/kgという値になっており(Q4参照)、市販されている全ての携帯電話端末は、技術基準への適合審査の過程において、最大出力時に、この値を超えていないことが確認されています。

表1.携帯電話端末からの電波の強さ
比吸収率(SAR)
省令における規制値 10gあたり 2W/kg
市販端末の値※(最大出力時) 0.183W/kg~1.60W/kg(平均 0.693W/kg)

※平成23年6月調査時点。通信の状態によって端末からの電波の強さは大きく変わるので、公表されているSAR値の大きな端末は、それが小さな端末と比較していつも強い電波を出しているわけではない。

A7
熱作用を生じない強さの電波でもがんが発生するなど、健康への悪影響を示唆する報告があります。しかしながら、それらは別の研究者らによる再現実験等で再現されておらず、科学的に確立した証拠としては認められていません。WHOも、現在の国際ガイドラインの値を超えない強さの電波により健康に悪影響を示すという明確な証拠はないという見解を示しています。
ただし、WHOは脳のがんリスク上昇は立証されていないものの、携帯電話の使用が急激に増加したこと、発がんは長期間の経過で起こるとされるのに対し15年より長い期間の携帯電話使用についてのデータがないことを考慮し、携帯電話使用と脳腫瘍リスクについてさらなる研究が必要であるとの見解も述べていることから、総務省では、我が国の研究結果※を引き続き提供していくこと等によりWHOの活動に貢献していくとともに、WHOにおける検討状況を注視していきます。

※ヒトへの影響調査や動物実験など、生物・医学及び工学的な手法を用いた厳密かつ高精度な実験を行った結果、現時点では、安全基準を超えない強さの電波により健康に悪影響を及ぼす証拠はないことを確認。(生体電磁環境研究推進委員会(平成9年度~18年度)報告書(下記URL)より)

A8
熱作用が生じない弱いばく露レベルであっても、健康への悪影響を示唆する研究報告があることは確かですが、現在まで実験で再現されたものはなく、証拠として認められていません。WHOも、今日まで、組織の加熱を生じることがない低いレベルの電波ばく露による健康への悪影響について、研究による一貫性のある証拠は示唆されていないという見解を公表しております。
A9
総務省では、科学的な調査・研究に基づき、携帯電話端末の規制値を定めており、市販されているすべての端末はこの値以下になっています。この規制値は、国際ガイドラインと同一のものであり、現在のところ、これを下回るレベルの電波による健康への悪影響について明確に示した科学的証拠はありません。また、IARCの評価は定量的なものでも、がんのリスク上昇を立証したものでもないことから、現時点において、規制をより厳しいものとすることは適当でないと考えます。
ただし、規制値以下であっても、携帯電話を長時間使用した場合のリスクについてすべて解明されたわけではありませんので(上記Q7参照)、心配される場合には、IARCの幹部が言及しているハンズフリー機器やメールの利用など、各個人がそれぞれの事情に応じて適切と思う対策をとることが適当と考えます。
なお、WHOは、携帯電話の使用による脳腫瘍のリスクが上昇することは立証されていないものの、携帯電話の使用と脳腫瘍のリスクについての更なる研究が必要である旨の見解を記しています。
(参考)
A10
IARCは2011年5月、電波には「発がん性があるかもしれない」と評価しましたが、これは、携帯電話端末などを体の近くで使用した場合の発がん性の限定的な証拠に基づくものです。一方、IARCでの発がん性評価の過程で、基地局や放送局からの電波についての発がん性の証拠は不十分であると評価しています。今後、WHO本部がこれら電波の健康リスクを総合的に評価する予定です。
A11
複数の無線局が周辺に設置されている場合でも、基準値が満足されることが求められています。具体的には、電力密度については、それぞれの周波数の電波に対する基準値との比の和が1を超えてはならないよう、関係規則で定めています。

例えば、それぞれ900MHz、1.5GHzの周波数の電波を出す2棟の携帯電話基地局がある場合、基準値への適合性の評価は表2のようになります。

表2.2棟の携帯電話基地局がある場合の基準値への適合性評価
無線局の周波数 電波の強さ
(電力密度mW/cm2
基準値
(電力密度mW/cm2
基準値との比 比の和 適合性
例1 900MHz 0.3 0.6 0.5 1.0
1.5GHz 0.5 1 0.5
例2 900MHz 0.36 0.6 0.6 1.2 ×
1.5GHz 0.6 1 0.6
A12
携帯電話端末は、電波防護指針を遵守するように法令で義務付けられていますので、市販されている端末は全て安心して使用することができます。
端末ごとの局所SARは、事業者のホームページなどで見ることができますが、その値は、電波の出力を最大にして測定されたものです。通常、端末は、基地局と通信するために必要最低限の電波を出力するよう制御する仕組みになっており、通信の状態が良好なときのSARの値は、最大出力時の1/10以下になります。通信の状態によって電波の強さは大きく変わり、公表されている局所SARが大きな端末は、それが小さい端末と比較していつも強い電波を出しているわけではありません。
A13
携帯電話の各通信事業者のホームページで確認することができます。各通信事業者のホームページにおけるSARの掲載ページ(URL)を以下に記します。
NTTドコモ
URL:http://www.nttdocomo.co.jp/product/sar/リンク先コンテンツを別ウィンドウで開きます
au
URL:https://www.au.com/mobile/product/sar-list/リンク先コンテンツを別ウィンドウで開きます
SoftBank
URL:http://mb.softbank.jp/mb/support/sar/リンク先コンテンツを別ウィンドウで開きます
楽天モバイル
URL:https://network.mobile.rakuten.co.jp/guide/sar/リンク先コンテンツを別ウィンドウで開きます
※Ymobileブランドについては、下記のURLの製品カテゴリ-にある各々の機種名を選択していただくとSARの紹介があります。
URL:http://www.ymobile.jp/lineup/リンク先コンテンツを別ウィンドウで開きます
担当:総合通信基盤局電波部電波環境課