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無人航空機等における携帯電話等の端末の利用

1.背景

サービスエリアが広く、高速・大容量のデータ伝送が可能な携帯電話等の端末を無人航空機(ドローン等)に搭載し、操縦や画像・データ伝送等に利用したいとのニーズが高まっています。

携帯電話システムは、地上での利用を前提に設計されていることから、携帯電話端末を無人航空機に搭載して上空で利用した場合、通信品質が安定的に確保されない場合があり、かつ、上空で利用される携帯電話端末の台数が増加した場合は、地上の携帯電話の利用に影響を与えるおそれがあるなどの課題(下図参照)があります。そのため、平成28年7月から実用化試験局の制度を適用可能とし、これらの課題について検証を行ってきました。

その後、情報通信審議会における技術的検討を経て、令和2年12月に、高度150m未満の空域において、一定の条件に合致する携帯電話の端末については、簡素化した手続きにより無人航空機等において利用可能とする制度整備を行いました。また、令和5年4月から、高度150m以上においても、簡素化した手続による利用が可能となりました。

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携帯電話の上空利用による地上の携帯電話基地局への影響

2.制度概要

一定の技術的条件に合致する場合は、携帯電話事業者に申し込むことにより、携帯電話を無人航空機等に搭載して上空で利用することが可能です。

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携帯電話の上空利用のサービス利用イメージ
携帯電話端末の上空利用が可能となる条件
通信方式 LTE-Advanced(4G)方式 又は NR(5G)方式
周波数帯 800MHz帯、900MHz帯、1.7GHz帯、2GHz帯に限る
送信電力制御 上空で利用される移動局にあっては、移動局が上空に存在していることを前提とした基地局からの制御情報に基づく空中線電力の制御を自動的に行える機能を有すること

3.よくある質問と回答(Q&A)

Q1:
携帯電話端末を無人航空機等に搭載して上空で利用する場合(ドローンに携帯電話のSIMカードを挿入して利用するような場合を含みます。以下同じ。)には、どのような手続を行う必要がありますか。
A1:
携帯電話事業者に対して、上空利用に関する手続を行って下さい。具体的には、携帯電話事業者が提供する上空用のプラン等の利用の手続を行うことが必要です。手続の申込み方法については、携帯電話事業者にお問い合わせ下さい。
Q2:
携帯電話事業者に申し込めば、すぐ上空で使用できるのですか。
A2:
携帯電話事業者との手続に時間を要する場合もあります。詳しくは携帯電話事業者にご確認願います。
なお、飛行に関する許可等、航空法上の手続は別途必要です。
Q3:
上空利用を行う場合において、携帯電話端末を搭載する飛行体の種類(無人航空機、ヘリコプター等)に制約はありますか。
A3:
電波法上、携帯電話端末を搭載する飛行体に特段の制約はありませんが、携帯電話事業者との契約内容によっては制限されている場合もありますので、携帯電話事業者との契約内容をご確認ください。
また、ヘリコプター等に搭載する場合には、別途航空法上の手続が必要となる場合がありますので、搭載する飛行体の運航者等とも十分に調整の上で、ご利用願います。
Q4:
普段地上で利用している携帯電話端末やそのSIMカードを無人航空機等に搭載して上空で利用しても良いのですか。
A4:
通常利用されているスマートフォン等は、地上での利用を前提とした制御が行われており、そのままでは上空では利用できません。無人航空機等に搭載して上空で利用する場合には、A1に掲げる手続を行う必要があります。
Q5:
携帯電話端末を航空機内で使用しても良いのですか。
A5:
A1に掲げる上空利用に関する手続を行ったかどうかにかかわらず、航空機内における携帯電話端末等の電子機器の利用にあたっては、航空法の規定を遵守する必要があります。詳しくは、国土交通省のホームページ等を参照して下さい。
(参考)航空機の運航の安全に支障を及ぼすおそれのある電子機器の使用制限について(国土交通省ホームページ)リンク先コンテンツを別ウィンドウで開きます
Q6:
携帯電話端末を上空で使用する場合には、自分で無線局免許を取得する必要があるのですか。
A6:
携帯電話に係る無線局免許に関する手続は、携帯電話事業者が実施しています。そのため、無人航空機の運用者が携帯電話の上空利用のために無線局免許の手続を実施する必要はありませんが、携帯電話事業者に対してA1に掲げる上空利用に関する手続を行う必要があります。
Q7:
低い高度しか飛ばない場合は、手続不要で携帯電話等をドローン等に搭載して利用できますか。また、建物内であれば手続不要で利用できますか。
A7:
高度や運用場所によらず、携帯電話端末を無人航空機等に搭載して上空で使用する場合には、A1に掲げる手続を実施した上で、ご利用いただく必要があります。
Q8:
上空利用サービスを実施している携帯電話事業者や、利用料金、上空利用が可能なエリアを知りたいのですが。
A8:
各携帯電話事業者に個別にお問い合わせ下さい。
Q9:
上空利用が可能な技術的条件(2項の表)に合致しない場合、上空利用はできないのでしょうか。
A9:
実用化試験局による上空利用が可能となる場合があります。実用化試験局は個別免許となります。地上の携帯電話通信網や他の無線システムとの共用が可能かどうか等を総務省において個別に審査した結果、周波数の割当てが可能である場合は、実用化試験局として免許することが可能です。なお、実用化試験局の場合でも、無線局の免許人は携帯電話事業者となりますので、まずは携帯電話事業者にご相談願います。
Q10:
ローカル5Gは上空で利用することができますか。
A10:
現在、ローカル5Gの上空利用は認められておりません。ただし、ローカル5Gの周波数帯を上空で利用した場合における電波伝搬試験等の実験・試験目的であれば、実験試験局の免許を取得することにより、上空利用が可能となる場合があります。ローカル5Gの周波数帯を用いた実験試験局については、お近くの総合通信局等にお問合せ下さい。
Q11:
BWA(地域BWA、自営等BWAを含みます。)は上空で利用することができますか。
A11:
現在、BWAの上空利用は認められておりません。ただし、実用化試験局や実験試験局の免許を取得することにより、上空利用が可能となる場合があります。

4.参考資料

担当:総合通信基盤局電波部移動通信課