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1.無線LANの周波数と利用可能場所

無線LANが使用する電波の周波数は大きく分けて2.4GHz帯と5GHz帯があり、5GHz帯は5.2GHz、5.3GHz、5.6GHz帯に分けられます。これまで屋外利用可能な周波数帯は2.4GHz帯と5.6GHz帯でしたが、平成30年2月に情報通信審議会からの一部答申を受け、平成30年6月から条件付で5.2GHz帯の屋外利用が可能になりました。

周波数帯 2.4GHz帯
(2400-2497MHz)
5GHz帯
5.2GHz帯
(5150-5250MHz)
5.3GHz帯
(5250-5350MHz)
5.6GHz帯
(5470-5725MHz)
屋外利用 ○条件付 × ○(上空を除く。)

※5.2GHz帯の屋外利用の条件

・人工衛星に影響を与えない(上空側へ強い電波が出ない)工夫が施された専用機器を利用する。
(「5.2GHz帯高出力データ通信システム」の技術基準適合証明等を取得した機器)

・アクセスポイント及び中継器については、事前に総合通信局に「登録局」の手続が必要。

・気象レーダーに影響を与えない場所(告示に示す「開設区域」内)でのみ利用可能

*平成30年6月29日総務省告示第223号(5150MHzを超え5250MHz以下の
周波数の電波を使用する無線局の開設区域を定める件)を示す。以下同じ。

(※ 中継器を含みます。以下同じ。)

2.5.2GHz帯の屋外利用

5.2GHz帯は、衛星通信システムのフィーダリンクと周波数を共用しています。また、隣接周波数帯に気象レーダーが使用しています。

このため、これらのシステムと共用を図りながら屋外利用を可能とするため、5.2GHz帯の屋外利用には条件が設けられています。

(1)5.2GHz帯のアクセスポイント、中継器の屋外利用

5.2GHz帯を使用するアクセスポイントや中継器を屋外で利用する場合、衛星システム及び気象レーダーに影響を与えないよう、

  • ①専用の機器
  • ②事前に総合通信局に「登録局」の手続
  • ③告示に示す「開設区域」内での利用

が必要です。

図 5.2GHz帯のアクセスポイント(AP)等の屋外利用

①専用の機器について

衛星への影響を与えないような電波の仕組みが施された、
「5.2GHz帯高出力データ通信システム」の基地局(AP)又は
陸上移動中継局(中継器)の技術基準適合証明又は工事設計
認証を取得した、専用の機器を使用する必要があります。

②事前の「登録局」の手続について

無線局の免許制度の代わりに、手続が簡素化された「登録局」制度が「デジタル簡易無線局」や「5GHz帯無線アクセスシステム」に採用されています。

5.2GHz帯高出力データ通信システムの基地局又は陸上移動中継局を使用する際は、事前に総合通信局にこの「登録局」の申請手続が必要です。

なお、「包括登録」では一度に複数の無線局の登録が可能です。包括登録では、総合通信局から「登録状」の交付を受けた後、実際に開設・運用を開始したら15日以内に「開設届」を総合通信局に提出して下さい。

なお、5.2GHz帯高出力データ通信システムの登録局の運用に際しては、「第三級陸上特殊無線技士」の「無線従事者の資格」が必要になります。

また、登録の申請手数料、電波利用料は以下の通りです。

申請手数料 個別登録 窓口申請 2,300円/1局 (再登録は1,450円/局)
電子申請 1,700円/1局 (再登録は1,050円/局)
包括登録*1 窓口申請 2,900円/1登録申請 (再登録は1,850円/登録申請)
電子申請 2,150円/1登録申請 (再登録は1,400円/登録申請)
電波利用料
(年額)
個別登録 10mW以下*2 10,400円/1局
10mW超*2 12,700円/1局
包括登録 1,980円/1局

*1 包括登録では、1登録申請で複数の無線局の登録、運用が可能です。(申請の単位は、無線局免許手続規則第25条の16によります。)

*2 空中線電力

③告示に示す「開設区域」内での利用について

前述のとおり5.2GHz帯の隣の5.3GHz帯の周波数帯には、気象レーダーが運用されています。このため、無線LANと周波数が近い、中部国際空港、大阪国際空港(伊丹空港)、福岡空港の気象レーダーに混信を与えないよう、特定の開設区域で使用する場合は、無線LANの電波のビームがこれらの空港の方を向かない、或いは、最大EIRPを200mW以下とすることが必要です。

 

なお、上記「① 無線LANの電波のビームの方向が、中部、伊丹又は福岡空港の方を向かないこと」をこちらのエクセルシートにより事前に確認の上、登録局の手続の際、この確認結果(プリントアウトしたもの等)を登録局の手続の際に参考資料としてご提出をお願いします。

(2)5.2GHz帯のアクセスポイント、中継器の高出力化

>5.2GHz帯の屋外利用に併せ、アクセスポイント(AP)等のアンテナ出力(EIRP)の高出力化を可能としています。従来、5.2GHz帯無線LANのEIRPは200mW相当までとなっていますが、登録局は1W相当まで可能としています。EIRP200mW超〜1W相当で利用する場合、屋外利用と同じ条件が必要となります(専用の機器、事前に「登録局」の手続、告示に示す「開設区域」内での利用が必要)。

図 5.2GHz帯のアクセスポイント(AP)等の高出力利用

(3)無線LAN端末(子機)の屋外利用

スマートフォン等、無線LAN端末(子機)については、上記の「登録局」と通信することを条件に、これまで流通している機器を含め、5.2GHz帯を屋外で利用可能となります。

なお、モバイルルーターやスマートフォンのテザリング機能については、5.2GHz帯を屋外で利用できません。テザリングは従来どおり屋内のみでご利用下さい。

図 5.2GHz帯の端末の屋外利用


以上をまとめた利用イメージは、次の図の通りです。

登録局は、①「5.2GHz帯高出力データ通信システム」の技術基準適合証明等を取得した専用の機器、②事前に総合通信局へ「登録局」の手続、③告示に示す「開設区域」内での利用が必要。

3.その他(登録局の制限等)

5.2GHz帯の屋外利用については、衛星システムに影響を与えないように登録局の制度を適用しています。

このため、将来的に5.2GHz帯の屋外利用等の台数が増加し、衛星システムへの影響のおそれがある場合は、新規の屋外利用等の登録の受付停止や、既に屋外利用等を運用されている機器に対し運用を制限する可能性があります。

電波法第76条の2の2

総務大臣は、登録局のうち特定の周波数の電波を使用するものが著しく多数であり、かつ、当該特定の周波数の電波を使用する登録局が更に増加することにより他の無線局の運用に重大な影響を与えるおそれがある場合として総務省令で定める場合において必要があると認めるときは、当該特定の周波数の電波を使用している登録局の登録人に対し、その影響を防止するため必要な限度において、登録に係る無線局を新たに開設することを禁止し、又は当該登録人が開設している登録局の運用を制限することができる。

また、現在ITU-R(国際電気通信連合の無線通信部門)のWRC-19(2019年世界無線通信会議)に向け、国際的な場で5.2GHz帯の屋外利用が検討中です。この検討結果によっては屋外利用の条件等が見直される可能性もあります。



【参考】

5.2GHz帯高出力データ通信システムの登録局(基地局又は陸上移動中継局)の開設区域

(H30.7現在)

開設区域 条件
北海道 札幌市、河西郡更別村
青森県 青森市、弘前市
岩手県 盛岡市、釜石市
秋田県 秋田市
宮城県 仙台市、宮城郡利府町、柴田郡村田町
山形県 尾花沢市
福島県 福島市、二本松市
栃木県 芳賀郡茂木町
茨城県 鹿嶋市、下妻市
埼玉県 さいたま市、熊谷市、所沢市、川越市、朝霞市
神奈川県 横浜市、川崎市、藤沢市
千葉県 千葉市、柏市、浦安市、船橋市、長生郡一宮町
東京都 江戸川区、大田区、江東区、品川区、渋谷区、新宿区、墨田区、世田谷区、台東区、千代田区、練馬区、港区、稲城市、多摩市、調布市、府中市
山梨県 甲府市、富士吉田市
新潟県 新潟市
静岡県 静岡市、伊豆市、磐田市、袋井市、駿東郡小山町
愛知県 豊明市、豊田市 いずれかの条件が必要
・アンテナの指向方向が中部国際空港の方向以外
・最大等価等方輻射電力が200mW以下
三重県 鈴鹿市稲生町
桑名市 最大等価等方輻射電力が200mW以下であることが必要
京都府 京都市 いずれかの条件が必要
・アンテナの指向方向が大阪国際空港(伊丹空港)の方向以外
・最大等価等方輻射電力が200mW以下
大阪府 大阪市東住吉区、岸和田市、東大阪市松原南
兵庫県 神戸市兵庫区
岡山県 美作市
広島県 広島市
徳島県 徳島市
福岡県 北九州市 いずれかの条件が必要
・アンテナの指向方向が福岡空港の方向以外
・最大等価等方輻射電力が200mW以下
佐賀県 鳥栖市
大分県 大分市、日田市
熊本県 熊本市
長崎県 佐世保市

開設区域及び条件は、利用ニーズ及び気象レーダーの周波数状況により、今後変更の可能性があります。

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