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暗語使用の禁止・通信に秘匿性を与える機能について

暗語使用の禁止・通信に秘匿性を与える機能について

暗語使用の禁止について

アマチュア局は、多数の免許人で周波数を共用してお互いに譲り合いながら電波を使用して国内外の他者との通信を行うことを目的とするものであるなど、その開設の目的から、通信内容を秘匿する必要がなく、通信秩序の維持のための必要から、「アマチュア無線局の行う通信には、暗語※を使用してはならない。」(電波法第58条)とされております。

※暗語とは、通信内容を第三者に分からないようにするため、通信当事者間で定めた仕方により、通信内容を秘匿したものをいいます。

通信に秘匿性を与える機能について

アマチュア局は、さらに設備面からも、「アマチュア局の送信装置は、通信に秘匿性を与える機能を有してはならない。」(無線設備規則第18条第2項)とされております。

通信に秘匿性を与える機能等の実験・研究等を希望する場合は、実験等無線局等での開設・運用をご検討ください。

○通信に秘匿性を与える機能について

アマチュア局の送信装置には、設備規則第18条第2項に基づき、通信に秘匿性を与える機能を有してはならない。

注1 デジタル通信方式で通信を行うためには、通信を行うアマチュア局相互間において、変調方式、符号化方式及び通信プロトコル等の組合せの中から一致したものを選択する必要があるが、この組合せが複数有ることのみをもって、デジタル方式による通信機能が秘匿性を与えるものであるとは判断しない。

しかしながら、同一周波数帯における一の変調方式において、符号化方式及び通信プロトコル等を2以上有する装置並びに一の符号化方式及び一の通信プロトコル等であってもデジタル符号パターンを複数生成させる機能を有するものは、意図的にデジタル符号の構成を変更し、他のアマチュア局による通信の傍受を困難にすることが可能であることから、設備規則第18条第2項に規定する通信に秘匿性を与える機能を有しているものとする。

また、デジタル通信方式のための変調方式、符号化方式及び通信プロトコル等は、ITU―Tの勧告文書で公知されているもの又はそれ以外の文書等によって容易に知ることができるもの(補足1)でなければならない。

注2 安全性の確保のために必要な通信関係

インターネットに接続するために使用する利用者識別符号及びこれに付随する利用者の確認のための符号のみを送出する機能は、インターネットの利用に係る安全性の確保のために必要不可欠なものであり、かつ、通信内容を秘匿するものではないことから、設備規則第18条第2項に規定する通信に秘匿性を与える機能ではないものとする(補足2)

また、人工衛星に開設するアマチュア局の無線設備を遠隔操作するアマチュア局の行う人工衛星等の位置及び姿勢を制御する等の運用管制のための通信機能は、当該局が一般のアマチュア無線局とは無線局の態様が異なること及び人工衛星に開設するアマチュア局を安全に運用するために必要なものであること等にかんがみ、設備規則第18条第2項に規定する通信に秘匿性を与える機能ではないものとする(補足3)

(補足1)

アマチュア局は、他者との通信を行うことを目的とするものですので、当該通信方式で通信をしたいすべてのアマチュア局が、その通信方式を使用することができるものである必要があります。このため通信方式は、アマチュア無線コミュニティで一般に知られている必要があり、一般社団法人日本アマチュア無線連盟(JARL)、国際アマチュア無線連合(IARU)、アメリカ無線中継連盟(ARRL)などの各国のアマチュア無線家団体のホームページ等(当該通信方式の開発者等のホームページへのリンクを含む。)において、文書等によって公表され、アマチュア局免許人が容易に知ることができるものである必要があります。

(補足2)

いわゆるIDとパスワードについては、通信に秘匿性を与える機能等ではないものとしています。

(補足3)

人工衛星等のアマチュア局(人工衛星に開設するアマチュア局及び人工衛星に開設するアマチュア局の無線設備を遠隔操作するアマチュア局)では、記載の場合の他は、通信に秘匿性を与える機能等を有することはできません。

担当:総合通信基盤局電波部移動通信課