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実験試験局関係

1.実験試験局とは

実験試験局とは、「科学若しくは技術の発達のための実験、電波の利用の効率性に関する試験又は電波の利用の需要に関する調査を行うために開設する無線局であつて、実用に供しないもの」と定義されており、こうした目的のために開設し、実験や試験、調査を行うことが可能です。
こうした電波の利用は、経済・社会活動を円滑化させるための業務の開発に資するものであり、日本国民の利益にもなると考えられ、実験試験局の制度が活用されることで、電波を利用した様々な取組が活性化することが期待されます。

※実験試験局とは別に、総務省は、「電波有効利用政策研究会第一次報告書」(平成14年12月25日 電波有効利用政策研究会)の第4編第4節「電波有効利用技術の開発推進のための環境整備」の提言を受け、周波数等をあらかじめ公示することにより短期で免許処理が可能となる実験局の制度(「特定実験試験局制度」)を平成16年3月1日に創設しています。 制度の概要 → 特定実験試験局のサイトへ

2.実験試験局の特徴と手続きの概要

(1)実験試験局の免許手続及び審査

実験試験局は、周波数割当計画の周波数割当表に定める周波数にかかわらず周波数を割当てられることとなっており、地域や期間※についても特段の限定はないため、多様な電波システムの試験等で利用されています。
※開設を必要とする理由として申請される実験や試験等の計画に必要な期間について免許(最大5年間)が与えられます。また、実験計画等により、再免許も可能です。

実験試験局に係る免許手続は、一般的な無線局の手続きと同様に、免許申請→審査→予備免許→落成検査→免許のプロセスを経ます。選択できる周波数、周波数帯域幅、地域、時間等について自由度が高く申請内容は様々であることから、免許申請後にケースバイケースで個別に混信防止のための綿密な電波干渉検討を行っています。

具体的には、開設に当たっての免許審査においては、

  1. 無線設備の工事設計が混信を起こさないように定められた技術基準に適合しているか、
  2. 既設の無線局の運用に混信妨害等を与えないか

といった適正な電波利用を確保するための審査が行われます。

なお、国際的な周波数調整が必要な場合や携帯電話等のように社会的影響が大きいシステムが使用している帯域、新しい電波利用システムの制度化を検討中の帯域など、使用を希望する周波数の状況によっては、総務本省による総合的な調整及び判断を要するため、通常の審査期間に加えて、さらに審査に時間を要する場合もありますので、申請を行う所轄の総合通信局又は沖縄総合通信事務所の担当課へ事前にご相談ください。

※現在、多くの電波は、携帯電話、放送、アマチュア、船舶・航空通信、レーダー等に使用されており、全国一律に、長期にわたって、空いている周波数はほとんどないのが実状です。無線システムが混信を起こすと通常、無線システムの利用に支障が出ます。例えば、携帯電話で用いている周波数を実験試験局に割り当てると携帯電話の通話に支障を来しますし、放送波と同じ周波数を実験試験局で使用すればテレビ等を視聴できなくなります。したがって、「実験試験局」の免許人が電波法等に違反したときは、他の無線局の免許人の場合と同様に、総務大臣は、運用の停止や運用許容時間等の制限を命じることが可能とされており、不適正な運用は、排除されるようになっています。

(2)無線局の検査

落成検査(電波法第10条)は、無線局を開設しようとする者が予備免許を受けた後、無線局の工事が落成したときにその旨を総務大臣に届け出て、無線設備等が予備免許された内容及び法令に定める事項に適合しているか否かについて確認するため実施するものです。この検査に合格したときは、免許が付与されます。また、この検査については登録検査等事業者制度が利用できます。

無線局の検査 → 無線局の検査サイトへ

登録検査等事業者制度 → 登録検査等事業者制度サイトへ

登録検査等事業者制度を利用した検査

総務大臣の登録を受けた者(登録検査等事業者)が無線設備等の点検を行い、免許人から当該点検の結果を記載した書類の提出があったときは、検査の一部を省略することができる「登録検査等事業者制度」が広く活用されています。登録検査等事業者による無線設備等の主な点検項目は、以下のとおりです。

実験試験局における登録検査等事業者による点検項目

  1. ※1
    実験試験局のうち、宇宙無線通信を行うものにあっては、総合試験を省略することはできません。
  2. ※2
    無線設備の工事を伴わないものや特定の周波数等を使用する実験試験局については、点検項目のうち、無線設備の電気的特性の測定を予備免許前に実施することが可能です。

     ただし、以下の事項について留意する必要があり、再測定など申請者の負担が生じるおそれもありますので、所轄の総合通信局又は沖縄総合通信事務所の担当課とご相談ください。

【無線設備の電気的特性の事前測定に係る留意事項】

  • 予備免許前の段階では、電波を空間に放射することはできません。測定端子を用いた測定や電波暗室等での測定により、電波を空間に放射することなく測定を実施する必要があります。
  • 点検実施報告書は、点検の日から3ヶ月以内に所轄の総合通信局又は沖縄総合合通信事務所に提出されないと、点検が無効となり、再度点検をしていただく必要があります。一方、点検実施報告書は、予備免許後に提出する必要があります。
  • 他の無線局への混信等の審査の結果、申請時に希望された周波数や空中線電力などと異なる内容を指定することがあります。その場合、指定された周波数等に基づく電気的特性について、改めて測定していただく必要があります。

(3)簡易な免許手続(適合表示無線設備を使用する場合)

システム検証やデモンストレーション等の目的で、適合表示無線設備(※)のみを使用して実験試験局を開設する場合、改めて無線設備の測定試験等を行う必要が乏しいため、予備免許及び落成検査を省略する簡易な免許手続により実験試験局を開設することができます。

ただし、実験試験局の使用場所及び通信形態等により、既設の無線局の運用に混信妨害を与えないかどうか審査した結果、免許することが可能と認められる場合に限られます。

なお、宇宙無線通信を行う実験試験局にあっては、適合表示無線設備のみを使用するものであっても利用環境や国際的な影響等を踏まえ、落成検査において実際の通信状況を確認する必要があることなどから、簡易な免許手続によることはできません。

※電波法に基づく基準認証を受け、総務省令で定める表示(技適マーク)が付された無線設備。

(4)実験試験局の免許申請書類等

  1. 無線局申請書(様式 : 無線局免許手続規則 別表第一号)
  2. 無線局事項書(様式 : 無線局免許手続規則 別表第二号第2)
  3. 工事設計書(様式 : 無線局免許手続規則 別表第二号の二第2)
  4. 実験計画書(参考 : 実験計画書の記載例リンク先PDFファイルを別ウィンドウで開きます
  5. ※なお、人工衛星局相当及び地球局相当の実験試験局に係る無線局事項書及び工事設計書については、上記にかかわらず、以下の様式を使用します。

    人工衛星局相当 地球局相当
    無線局事項書 別表第二第5 別表第二号第2
    工事設計書 別表第二号の二第8 別表第二号の二第5

無線局免許申請書類等のダウンロード → 無線局免許手続様式サイトへ

3.実験試験局の運用の条件

実験試験局は、周波数割当表に従って運用する無線局に影響を与えてはならないことから、免許には、「他の無線局の運用に妨害を与えない場合に限る」との条件(「附款」という。)がつきます。

4.実験試験局の事例

実験試験局がどのような場面で活用されているかについて、イメージしやすいよう、具体的な事例を以下に紹介します。

  1. 「社会リスクを低減する超ビッグデータプラットフォーム」に関する実験試験局リンク先PDFファイルを別ウィンドウで開きます
  2. フェーズドアレイ型気象レーダーに関する実験試験局リンク先PDFファイルを別ウィンドウで開きます
  3. 79GHz帯高分解能レーダーに関する実験試験局リンク先PDFファイルを別ウィンドウで開きます
  4. 9GHz帯船舶用航行レーダーの研究開発に関する実験試験局リンク先PDFファイルを別ウィンドウで開きます
  5. 航空機着陸誘導システムに関する実験試験局リンク先PDFファイルを別ウィンドウで開きます
  6. 人工衛星(ほどよし3号)に関する実験試験局リンク先PDFファイルを別ウィンドウで開きます
  7. 新4K8K衛星放送に関する実験試験局リンク先PDFファイルを別ウィンドウで開きます

5.実験試験局の免許状等の情報

実験試験局の免許状等の情報については、以下のホームページで検索結果一覧を見ることができます。

実験試験局の免許状等の情報の検索結果 → 無線局等情報検索サイトへ

※免許状等の公表の範囲については、「無線局情報の公開範囲」をご覧下さい。

6.実験試験局の主な関連規定

『電波法施行規則』
(無線局の種別及び定義)
  1. 第四条無線局の種別を次のとおり定め、それぞれ下記のとおり定義する。
  2. 二十二実験試験局 科学若しくは技術の発達のための実験、電波の利用の効率性に関する試験又は電波の利用の需要に関する調査を行うために開設する無線局であつて、実用に供しないもの(放送をするものを除く。)をいう。
『周波数割当計画』
  1. 第1総則
    1. 無線局が割当てを受けることができる周波数は、第2に規定する周波数割当表に定めるものによる。ただし、超広帯域無線システムの無線局が割当てを受けることができる周波数は、第3に掲げるものとする。
      (4~6 略)
    2. 実験試験局、臨時かつ一時の目的のための無線局その他電波の公平かつ能率的な利用の確保の観点から特に必要と認められる無線局には、第3項の規定にかかわらず、周波数を割り当てることができる
『無線局(基幹放送局を除く。)の開設の根本的基準』
(実験試験局)
  1. 第六条実験試験局は、次の各号の条件を満たすものでなければならない。
  2. その局は、免許人以外の者の使用に供するものでないこと。
  3. その局の免許を受けようとする者がその実験、試験又は調査を遂行する適当な能力をもつていること。
  4. 実験、試験又は調査の目的及び内容が法令に違反せず、かつ、公共の福祉を害しないものであること。
  5. 実験、試験又は調査の目的及び内容が電波科学の進歩発達、技術の進歩発達若しくは科学知識の普及への貢献、電波の利用の効率性の確認又は電波の利用の需要の把握に資する合理的な見込みのあるものであること。
  6. その局の免許を受けようとする者がその実験、試験又は調査の目的を達するため電波の発射を必要とし、かつ、合理的な実験、試験又は調査の計画及びこれを実行するための適当な設備をもつていること。
  7. その局を開設することが既設の無線局等の運用又は電波の監視に支障を与えないこと。
『電波法関係審査基準』
(無線局の局種別審査)
  1. 第4条無線局の局種別の審査は、別紙1に定めるところによる。
  2. 別紙1無線局の局種別審査基準(第4条関係)
    1. 第21実験試験局
      1. 1免許の有効期間及び移動するものの移動範囲は、実験、試験又は調査の必要性及び実験、試験又は調査の計画からみてそれぞれ適当なものであること
      2. 2~5(略)

7.Q&A

質問1
「実験試験局」ではどのようなことができるのですか。
回答1
実験試験局は、次に示す目的のために活用できます。
  • 「新しい技術の開発を行うための実験」
  • 「電波の利用の効率性に関する試験」
    電波の利用について、伝送中のエラーの少なさ等のデータを取得し、性質・能力などを試験するなどの、電波伝搬の試験を行うこともできます。例えば、無線ブロードバンドについて、高層ビル付近における電波の到達試験等が想定されます。
  • 「電波の利用の需要に関する調査」
    新サービスのニーズ調査等を行うため、利用者に実際に操作をしてもらったりデモンストレーションを見てもらったりすること等により、電波のどのような利用に需要があるのかを調べることなどが想定されます。
質問2
実験試験局を利用した試験的なサービス提供に関して料金を徴収することが可能でしょうか。
回答2
例えば、実験試験局による試験的サービス提供によって発生する実費相当をサービス提供相手から徴収するなど、利益を得ることがその実験試験局の開局の目的でなければ可能です。

※実験試験局は、電波法施行規則第4条第1項第22号において「科学若しくは技術の発達のための実験、電波の利用の効率性に関する試験又は電波の利用の需要に関する調査を行うために開設する無線局であつて、実用に供しないもの(放送をするものを除く。)をいう。」と定められており、利益を得ることを目的として実験試験局を開設することは認められません

質問3
実験試験局を行った後、そのまま事業においてその電波を利用したいのですが可能でしょうか。
回答3
実験試験局により行う実験や、新しいサービスの提供に有用と考えられる技術の試験、新サービスのニーズ調査は、これら実験等の終了とともに電波の利用を終えるものを想定しています。実験試験局に関しては、総務省が公表している「電波法関係審査基準(訓令)」において、免許の有効期間は、「実験、試験又は調査の必要性及び実験、試験又は実験調査の計画からみてそれぞれ適当なものである」を審査することとしており、これに基づき決定されます。また、実験試験局等により実験、試験を終了した後、その結果を踏まえて技術基準を策定するよう総務大臣に申し出ることができます。
『電波法』
(無線設備の技術基準の策定等の申出)
第38条の2
  1. 1利害関係人は、総務省令で定めるところにより、第二十八条から第三十二条まで又は前条の規定により総務省令で定めるべき無線設備の技術基準について、原案を示して、これを策定し、又は変更すべきことを総務大臣に申し出ることができる。
  2. 2(略)
質問4
「実験試験局」の申請の手続きはどのようにしたらよいですか。
回答4
電波利用ホームページの「無線局開局の手続き・検査」をご確認ください。
https://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/proc/index.htm
開設に当たっては申請を行う各地域の総合通信局等にお問い合わせください。
なお、申請にあたっては、実験、試験又は調査の方法及び具体的計画を記載した書類の提出が必要となります。
質問5
実験試験局の免許申請は、他の無線局と同様、各地域の総合通信局等でいいのですか。
回答5
はい、他の無線局と同様、移動しない実験試験局はその設置場所の所在地を管轄する総合通信局へ、移動する実験試験局はその無線局の常置場所を管轄する総合通信局等へ申請してください。
質問6
既存の他の無線局に混信を与えないことが審査されるとのことですが、混信を与える場合はどうなるのですか。
回答6
混信を与えることが明確である免許申請は、免許の拒否となってしまいますので、ご注意願います。そのため、混信を与えない方法等について他の無線局の免許人と事前に調整を行う必要がある場合がありますので、申請を行う各地域の総合通信局等へ相談してください。
質問7
登録検査等事業者はどのように探せばよいのですか。
回答7
電波利用ホームページの「登録検査等事業者等リスト検索」をご利用ください。
検索の際、「無線局の種別」は、「実験試験局」、「事業区分」は「全ての者」を選択してください。なお、実際に免許を受けようとする無線設備によっては、対応できない場合もありますので、お手数ですが、詳細は各事業者にご確認ください。
質問8
免許を受けるにあたって、無線従事者の資格は必要ですか。また必要であればどの資格になりますか。
回答8
実験試験局の免許には、無線従事者資格をお持ちの方を選任していただく必要があります。資格により操作可能な範囲は異なりますので、電波法施行令第3条をご確認ください。その他の詳細については「無線従事者制度」をご確認ください。

8.問合せ先

実験試験局の事前相談に関する問い合わせ(総合窓口)

(なお、問い合わせ内容により関係免許課で対応することがあります。)

<各地域の総合通信局>

各地域の総合通信局等まで

総合通信局等
(管轄区域)
担当課 電話番号
北海道総合通信局
(北海道)
電波利用企画課 (011)709-2311
(内4624)
東北総合通信局
(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
電波利用企画課 (022)221-0658
関東総合通信局
(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨)
電波利用企画課 (03)6238-1735
信越総合通信局
(新潟、長野)
電波利用企画課 (026)234-9953
北陸総合通信局
(富山、石川、福井)
電波利用企画課 (076)233-4471
東海総合通信局
(岐阜、静岡、愛知、三重)
電波利用企画課 (052)971-9182
近畿総合通信局
(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
電波利用企画課 (06)6942-8545
中国総合通信局
(鳥取、島根、岡山、広島、山口)
電波利用企画課 (082)222-3358
四国総合通信局
(徳島、香川、愛媛、高知)
電波利用企画課 (089)936-5071
九州総合通信局
(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島)
電波利用企画課 (096)326-7893
沖縄総合通信事務所
(沖縄)
無線通信課 (098)865-2315
担当:総合通信基盤局電波部基幹・衛星移動通信課