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仮想空間における電波模擬システム技術の高度化

1.事業の目的

Beyond 5Gや自動走行、ドローン、IoT等の普及に伴い新たな無線システムの開発や展開を柔軟かつ迅速に行う必要がありますが、実環境における試験は、多大な費用と時間を要するほか、同一条件を再現できないため、無線システムの改修前後の比較検証を精度よく行うことが困難といった課題があります。

これらの課題を解決するため、本事業では、仮想空間上で無線システムの通信方式・電波伝搬特性等を大規模かつ高精度で模擬し、リアルタイムで評価する電波模擬システム(電波エミュレータ)の実現に向けた研究開発等を実施します。この電波模擬システムの利用を通じて、新たな無線システムの研究開発にかかる費用や期間の圧縮、制度化に必要な検討作業の効率化及び周波数利用効率の向上を目指します。

2.事業の概要

令和2年度から同5年度までの期間、仮想空間上に電波伝搬環境を構築し、様々な条件下で無線システムの評価をリアルタイムに行うための電波模擬システム技術の研究開発等を実施します。

具体的には、以下の研究開発課題を実施するとともに、仮想空間上で様々な無線システム(Beyond 5G、ITS、ドローンシステム等)を模擬するための伝搬モデル構築に資する伝搬特性、空間特性及び電波干渉特性のデータ取得等を行う調査検討を実施します。

<研究課題>

電波伝搬・空間モデルの構成技術
  • 電波伝搬特性モデルと干渉特性モデルを高度化し、一体としてモデルを構築する技術の確立
  • 周辺環境の3次元モデル化技術と環境変動及び構造・材料特性に対応可能なモデル化技術の確立
仮想環境対応無線システムの構成技術
  • 仮想空間上で様々な無線システムを再現できる疑似無線システムの開発
  • 対象無線システムの電波発射指向性等の諸特性を再現する技術の確立
大規模仮想環境の検証基盤技術
  • 仮想空間上で大規模かつ高精度な電波伝搬・干渉環境を再現可能な検証基盤技術の確立
  • 大規模検証の結果を収集・分析・可視化するシステムの開発
担当:総合通信基盤局電波部電波政策課、基幹・衛星移動通信課基幹通信室